※この記事は、YouTube動画「【全世界が借金中毒】では、一体誰が貸しているのか?」をもとに作成しています。
目次
結論:世界は借金という名の“循環ネットワーク”で動いている。借金の正体は「私たち自身」
いま世界の債務総額は300兆ドル(約4京5000兆円)を超えています。
それでも経済が破綻していないのは、「誰かが一方的に貸している」のではなく、国や銀行、投資家、そして私たち自身が“相互に”貸し借りしているからです。
借金だらけの世界。では「誰が貸しているのか」?
世界中の国々が借金をしています。たとえば:
- アメリカ:37兆ドル超の政府債務
- 中国:18兆ドル以上
- 世界全体:GDPの約3倍の300兆ドル
ですが、重要なポイントはここです。
どの国も「借りるだけでなく、同時に誰かに貸してもいる」
たとえば日本は米国に国債でお金を貸していますが、米国もまた日本の国債を保有しています。これは他国間だけでなく、国内でも同じ構造です。
アメリカは“自国民”に借金している
アメリカの債務のうち、実に約70%はアメリカ国民や企業自身が保有しています。
- 銀行が国債を買う(=銀行が貸す)
- 年金基金や保険会社が国債を買う
- 一般市民が貯金を銀行に預ける → 銀行がそのお金で国債を購入
つまり、アメリカは自分たちの余剰資金で政府に貸し、それを利息付きで受け取っているという「お金のループ」ができあがっているのです。
債券と銀行の関係はどうなっている?
以下の図にあるような構造で資金は循環しています。
[市民の預金]
↓
[銀行] → [米国国債購入] → [政府支出]
↑ ↓
[利息収入] ← [政府が利子を支払う]
このようにして、債券を中心とした“回し車”のような経済サイクルが成立しています。
借金は「悪」ではない?その進化の歴史
原始の借金:信頼で成り立っていた
- 春に種を借り、秋の収穫で返す
- 利息(作物を少し多めに返す)も存在していた
近代の始まり:国家と国民の信頼契約
- 17世紀のイギリスで「債券」が誕生
- 税収が足りなくても「国債発行」で資金調達が可能に
- 戦争やインフラ整備、学校建設などあらゆる公共支出を賄う手段に
借金は“麻薬”になった?膨張し続ける債務
1971年のニクソンショック(ドルと金のリンクを廃止)により、「政府が通貨を自由に発行できる」管理通貨制度(不換紙幣)が始まりました。
その結果、以下のような変化が起きました。
年代 | 特徴 |
---|---|
1980年代~ | 借金が経済成長のエンジンに変化 |
2000年代~ | 不況対策、経済刺激に借金が常用される |
2020年 | コロナショックでアメリカは1年で4兆ドルの借入 |
借金の“ループ”は永遠に続けられるのか?
答えは「基本的には返済されないが、回し続けることで成り立つ」という仕組みです。
- 古い借金を新しい借金で返す(借り換え)
- 利払いも新たな借金でまかなう
- インフレが進めば、実質的な返済額は減少するという理屈
もし政府が借金を止めたらどうなる?
経済は次のように縮小していきます:
- 政府の支出減 → 民間へのお金の流れが止まる
- 企業の売上減 → 給料減・雇用減
- 消費減 → 経済全体がデフレ・リセッションへ
実例:2008年のギリシャ
- 国債が買われなくなる → 公務員の4人に1人が失職
- GDPが25%縮小、経済崩壊寸前に
最悪のケース:ハイパーインフレと通貨崩壊
ベネズエラの例(2010年代)
- パン1個が数百万ボリバルに
- 通貨が一夜で紙くず同然に
- ゴールドやビットコインが安全資産として注目される
2025年現在、世界的に金(ゴールド)や銀(シルバー)、不動産、ビットコインなど“実物資産”への資金移動が加速しています。
では、いったい誰が借金を“返している”のか?
最終的に返済しているのは…
- 私たち(税金)
- 私たちの将来(インフレ)
- 結局、未来の経済成長に賭けて借り続けるしかない
まとめ:借金で回る経済を理解することが「現代の教養」
- 借金=悪ではなく、世界経済の構造的なエンジン
- すべての国が借り、すべての国が貸している“閉じたサイクル”
- この仕組みを理解することで、債券・インフレ・通貨価値などの本質が見えてくる
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