※本記事は、YouTube動画「【ドル円予想】目先は一段の上昇の可能性|145円視野も中期的にはドル安要因多数で反落か」の内容をもとに執筆しています。
目次
結論:目先はドル円145円台の上昇トライが濃厚、中長期ではドル安材料多数で反落リスクに注意
ドル円相場は現在、短期的には上昇トレンドにあり、145円台突破も視野に入ってきました。
しかし、中期的には米国の財政不安や利下げ観測、そしてSLR緩和による債券市場への影響などが、ドル安圧力としてじわじわと効いてくる可能性があります。
ドル円上昇の背景:7月9日までにもう一段の上昇か?
トランプ政権による「日本への完税圧力」が要因
- 30〜35%の関税を日本に課す可能性が報道され、円安圧力が加速
- 完全に「交渉決裂」と見られているため、日本円売り・ドル買いが優勢
- 目先は「セル・ザ・ファクト(噂で買って、事実で売る)」の動きも想定される
【予想シナリオ】
- 7月9日までに145〜146円トライ
- その後は「関税発動確定」で材料出尽くし→反落の可能性も
中期的にはドル安材料が優勢
FRB(米連邦準備制度)の利下げ観測が強まる
- FOMCメンバーの過半数が2024年後半の利下げを支持
- インフレ指標はやや鈍化傾向にあり、追加利下げの可能性が高まっている
SLR規制緩和がドル安を後押し?
- SLR(補完的レバレッジ比率)の引き下げが議論されており、銀行が米国債を多く購入できるようになる
- 金利抑制策とセットで実施されれば、ドル安+株高+仮想通貨上昇の「リスクオン」相場へ
【予想される金利変化】
規制項目 | 現行 | 緩和後 | 想定される金利低下 |
---|---|---|---|
自己資本比率 | 5% | 3% | 最大1%(100bps) |
米10年債利回り | 4.25%前後 | 3.25%以下 | 長期金利大幅低下 |
ユーロドル・ポンドドルは“買い”目線
ユーロドルは1.20へ上昇シナリオ
- ECBは7月利下げの可能性ありつつも、ユーロ高容認の発言(1.17〜1.20まではOK)
- 市場は「1.20突破→1.22〜1.25」を織り込む動きも
【トレード戦略】
- 1.17近辺までの押し目をドルコストで買い下がる
- EMA62・EMA200の移動平均線とレジサポラインを活用したおしめ買い戦略
ドル円のレンジとテクニカル分析
- 現在は142〜146円のレンジを想定
- 特に144.50円ラインに強い抵抗が存在
- 三角持ち合いからのブレイク狙いも視野に
【チャート観察ポイント】
- 短期的には143〜145円のショートカバー
- 売りポジションが溜まりすぎているため、さらに上昇の余地あり
今週の注目スケジュール(日本時間)
日付 | 注目イベント | 内容 |
---|---|---|
7月3日(水) | ADP雇用統計(米) | 民間雇用の先行指標。ポジティブならドル高要因に |
7月4日(木) | 独立記念日(米) | 休場。値動きが軽くなりがち |
7月5日(金) | 雇用統計(米) | 市場を大きく動かす可能性。利下げ期待とのバランスで判断 |
今週のトレード方針まとめ
通貨ペア | 戦略 | 理由 |
---|---|---|
ドル円 | 様子見(上昇は短期的) | 関税発動までは上昇、材料出尽くしで反落懸念 |
ユーロドル | 買い(1.20ターゲット) | ECB容認発言+ドル安材料豊富 |
ポンドドル | 買い | ユーロと同じくリスクオンシナリオなら追随 |
ユーロ円 | 買い | 円安+ユーロ高でトレンドに乗る |
まとめ:目先はドル円145円台も、中長期は“売り目線”で構えるべき
- トランプ政権の関税圧力でドル円は一時的に上昇
- しかし、米利下げ+財政赤字+SLR緩和による構造的ドル安要因が多数
- ユーロドル・ポンドドルのロング(買い)戦略が優位
- ドル円は「短期で買い、長期で売り」のスタンスが最も適切
今後も米国の財政動向や通貨政策がドル円・ユーロドル相場に与える影響を見逃さず、慎重かつ戦略的に相場を読み解いていきましょう。
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