本記事は、YouTube動画「【1年後13%から14%上昇】次下がったら買うべき?紛争時の株価の影響と押し目買いの絶好タイミング・戦略をデータ解説します【株式市場・原油・金・コモディティ】」をもとに執筆しています。
戦争やテロなどの“地政学リスク”が市場に与える影響を歴史的データとともに分析し、次に同様の局面が訪れた際の投資判断の参考となるよう解説します。
目次
結論:短期的には下落するが、1年後には平均13~14%の上昇が見込まれる
多くの紛争は発生直後に株価が大きく下落しますが、実はその後1年以内に平均13~14%の上昇が見られるというデータがあります。
つまり、「紛争直後の押し目買い」は中長期投資家にとって絶好のチャンスになりうるのです。
紛争と市場の一般的な反応
初動:不透明感による株価の急落
- 株式市場はリスクを嫌う性質があるため、紛争が報じられるとまず株が売られます。
- サプライチェーンや消費への影響が懸念され、エンタメ・旅行・ハイテク株が特に売られやすい傾向にあります。
- 例:ウクライナ侵攻時は欧州株が大きく売られました。
中長期:状況次第で回復・上昇
- 短期で終息する紛争は、株価が比較的早く回復するケースが多い。
- 紛争が長期化したりインフレに波及した場合は、回復が遅れたり長期停滞もありうる(例:ベトナム戦争、オイルショック)。
過去の具体例から学ぶ
紛争名 | 発生年 | 初期反応 | 1年後の株価動向 |
---|---|---|---|
湾岸戦争 | 1990年 | 株価下落、原油高騰 | すぐに回復、原油も急落 |
9.11テロ | 2001年 | 市場閉鎖後に株価急落 | 政府の支援策により早期回復 |
イラク戦争 | 2003年 | 一時的な下落のみ | 戦争開始後は上昇トレンドへ |
ウクライナ侵攻 | 2022年 | エネルギー価格急騰、株価乱高下 | 年間を通じて下落、翌年は回復傾向 |
湾岸戦争(1990年)
- 開戦により原油価格が20ドル→40ドル以上に急騰。
- しかし他国連合軍の素早い勝利により、原油は急落し、株価も回復。
9.11同時多発テロ(2001年)
- アメリカ株式市場は一時閉鎖、航空・旅行株は大暴落。
- ただし政府の金融支援もあり、株価は比較的早く持ち直した。
イラク戦争(2003年)
- 大量破壊兵器の存在を口実にアメリカが侵攻。
- 市場は短期的に反応したが、戦況が明らかになるにつれて株価は上昇。
- その後、新興国バブルとともに上昇相場に。
ロシア・ウクライナ戦争(2022年〜)
- 欧州へのエネルギー供給不安から市場は混乱。
- 原油・天然ガス価格が急騰、小麦・トウモロコシなどの農産物も上昇。
- 株価は乱高下を繰り返しながらも10月に底打ち、2023年以降は回復。
コモディティ市場への影響
原油
- 中東・ロシアなど産油国が紛争当事国である場合、原油価格は大きく動きます。
- 一時的には1バレルあたり2倍以上の高騰も。
- ただし、戦争の見通しがつくと急落するケースも多い。
金(ゴールド)
- 安全資産として買われやすい。
- 紛争直後は急騰するが、短期終息の場合は反落するパターンも多い。
- 例:湾岸戦争、ウクライナ侵攻
その他のコモディティ
- ウクライナとロシアは世界有数の小麦輸出国 → 小麦・トウモロコシ価格が急騰。
- ロシアはニッケル生産大国 → ニッケル価格が高騰し、ロンドン市場で取引停止事件も発生。
投資家が取るべき戦略
1. 初動のパニックで買わない、冷静に見極める
- 一番大きな反応が出るのは「戦争が起きるかも」「開戦した直後」。
- 慌てて売買せず、状況がどう展開するかを数日~数週間単位で見極める。
2. 中長期目線で押し目を拾う
- 紛争発生直後の下落はチャンス。過去データでは1年後に平均13〜14%上昇。
- 具体的には10回に分けて数ヶ月にわたって買い下がる「分割投資」が有効。
3. コモディティ・防衛・インフレ耐性セクターにも目を向ける
- 防衛関連(武器・軍事装備)やインフレ耐性のあるエネルギー銘柄は買われやすい。
- 原油・金価格の動きも確認しつつ、リスクヘッジの手段として検討する。
グローバルマクロ視点を持つ重要性
- 紛争は地政学リスク=「グローバルマクロ戦略」の代表例。
- どの国がどの資源を持っているのか、どこで何が起きているのかを把握しておくと、的確に市場を読める。
- 単なるチャート分析に加えて、地理・歴史・政治の知識も武器になる。
まとめ:バタバタせず、長期トレンドを見極めよう
紛争時の株式市場は短期的に大きく動揺しますが、中長期では「押し目買い」の好機となる場合がほとんどです。特に過去のデータからも、1年後には13~14%株価が上昇する傾向が確認されています。
そのため、次に紛争やテロが起きた際には、初動に慌てず、情報を集めた上で冷静に対応することが重要です。リスクヘッジのためにゴールドや防衛銘柄への分散投資も忘れずに行いましょう。
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