本記事は、バフェット太郎氏のYouTube動画「【売り】ドル安が投資家の資産を溶かす」を基に執筆しています。
米国株は最高値を更新し楽観ムードが漂っていますが、その裏でじわじわと進行している「ドル安リスク」に警鐘を鳴らす内容となっています。
目次
結論:円建て資産が増えない「ドル安」の落とし穴に要注意。今は米国株を売って円で守りを固める時期。
米国株が最高値を更新していても、円安からドル安への転換が進んでいる現在、日本人投資家の実質資産は増えていない可能性が高いと指摘されています。
利下げが現実味を帯びる今、「株高・ドル安」のダブルパンチが来る前に守りを固める戦略が求められます。
現状:利下げ観測で米国株は上昇中だが…
- 2024年7月初頭、S&P500とNASDAQは過去最高値を更新。
- 背景にあるのは「弱い経済指標」と「利下げ観測」。
- 市場では年内3回の利下げ(9月から開始)が有力視されており、CMEフェドウォッチでは60%以上の確率で予想されている。
楽観ムードの落とし穴
- 米国株が上がっていても、ドルが下がれば日本人の資産は目減りします。
- 2024年6月末のドル円は143.81円で、年初から約9%の下落。
- さらに50日移動平均線を割り込み、今後のドル安が加速する兆しも。
ドル安のメカニズムとは?
ドル安が進む理由
- 金利差縮小
FRBが利下げを開始すれば、他国との金利差が縮まり、ドルの魅力が減少。 - 為替ヘッジの強化
機関投資家は今までドル高を見越して為替ヘッジを行っていなかったが、ドル安の可能性が高まることで一斉にヘッジをかけ始めている。 - リスクオフによる通貨シフト
景気後退が視野に入る中、リスク資産からの撤退=ドル売りが加速。
歴史が証明する:利下げとドル安の関係
過去の例:2007年〜2008年のリーマンショック期
- 2007年9月:FRBが0.5%の利下げを実施。
- その前後、ドル円は10%以上の下落。
- その後も利下げが続き、ドル安がさらに進行。
このように、将来の利下げを織り込んで為替市場は先に動くことが多く、今すでにドル安が進行しているという事実は非常に重要です。
日本人投資家が今すべき対応は?
現在の状態を図にすると:
状況 | 内容 |
---|---|
株価 | 上昇中(S&P500・NASDAQ最高値更新) |
為替 | ドル安進行中(9%下落) |
金利 | 利下げ観測強まる(9月から開始想定) |
景気 | 後退リスクあり(利下げは景気悪化の前兆) |
想定される今後のリスク
- 米国株が下落
- ドル安がさらに加速
- 結果として「株安+ドル安=円建て資産大幅減」の可能性
バフェット太郎氏の提言
- サマーラリーの最終局面で米国株を売却。
- 資産を円建てで保有し、景気後退に備える。
- 「魚の頭と尻尾はくれてやれ」という格言通り、頂点を狙わず堅実に利益確保。
反発タイミングはいつか?→「10月底打ち」予想
バフェット太郎氏は2025年相場を以下のように予測しています。
- 7月:天井形成
- 8月:モメンタム喪失
- 9月:急落
- 10月:底打ち
- その後反発へ
このタイミングで新興国株や欧州株への投資を検討するのは有効とされています。
ドル安の裏で評価される他市場
2024年6月29日時点での円建て年初来パフォーマンスは以下の通り:
市場 | パフォーマンス |
---|---|
米国株 | −4.2% |
ドイツ株 | +21.4% |
ポーランド | +38.6% |
ブラジル | +14.1% |
メキシコ | +17.6% |
ドル建てでは上がっているように見えても、円建てで見ると他国の市場に大きく後れを取っているのが現実です。
投資戦略の分岐点:積立派 vs 資産最大化派
積立投資派にとっては影響少ない
- S&P500やオルカンへの長期積立は有効。
- 20〜30年スパンで見れば資産形成は可能。
資産最大化を狙うなら今が行動の時
- すでに16年続いた米国株ブーム。
- 次の10年の年平均リターンは1桁台前半と予想。
- ここで「米国株を売り、他地域へ資金を分散」するのは戦略的な選択。
まとめ:米国株を盲信せず、今こそ守りの構えを
- 米国株は上がっているように見えても、日本人にとっては実質的に目減りしている可能性が高い。
- FRBの利下げサイクルが本格化すれば、株安+ドル安のダブルパンチが来る。
- 景気後退前に現金比率を高め、円建て資産で備えることが重要。
- 必ずしも全員が米国株を売るべきではないが、**資産最大化を目指す投資家は「逆張りの視点」**を持つべきタイミング。
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