証券アナリストの西村剛氏による検証動画です。
ストップ安した銘柄を買うことが利益につながるかどうかについて、システムトレードの観点から検証されました。
ストップ安とは、株価が大きく下落し、一定の下限価格まで落ちた状態を指します。このような銘柄はリスクが高いと考えられがちですが、同時に大きなリバウンドのチャンスも秘めています。
ストップ安銘柄を翌日購入したら勝てるのか
検証方法
- 検証期間: 1990年3月から2020年12月末まで
- 戦略: ストップ安をつけた銘柄を翌日に成行きで購入し、含み益が10%以上または含み損が10%以上になった場合に売却
- 目的: ストップ安銘柄を買う戦略の統計的有効性の検証
結果
- 勝率: 約50%
- 平均損益率: 1.1%
- 平均保持日数: 約13日
この結果から、ストップ安銘柄を翌日に買う戦略は統計的に有効な可能性が高いことが示されました。特にリーマンショック時を除くと、資産曲線は右肩下がりで、全体的にプラスの成績を示しています。
考察
ストップ安銘柄を買うという戦略は、一見リスクが高く思えるかもしれませんが、統計的には利益をもたらす可能性があることがわかります。
しかし、ストップ安した内容によっては、さらに株価が下落するリスクもあるため、各銘柄の状況をしっかり分析することが重要です。
結論
ストップ安銘柄を買う戦略は、統計的に見て有効な可能性がありますが、実際に投資を行う際には、銘柄の選定やタイミングなど、慎重な判断が求められます。また、このような戦略を取り入れる場合は、リスク管理の観点からも、ポートフォリオ全体のバランスを考慮することが大切です。
この検証結果は、株式投資における一つの戦略として参考になるでしょう。投資は自己責任で行う必要がありますが、統計的なデータを基にした戦略は、投資判断の一助となり得ます。
ストップ安に関する専門知識
- 証券アナリスト: 株式や債券などの証券に関する専門的な分析を行い、投資判断のための情報提供を行う専門家。
- ストップ安: 株価が一日で許される最大の下落幅に達し、それ以上の取引が停止される状態。
- システムトレード: あらかじめ定められたルールに基づいて自動的に取引を行う方法。感情に左右されずに投資を行うことができる。
- 成行売り: 売り注文を出した際に、指定した価格ではなく、その時の市場価格で即座に売却する注文方法。
- 下方修正: 企業が以前に発表した業績予想よりも悪い業績を見込むことを市場に発表すること。
- 悪材料: 株価に悪影響を及ぼすと考えられる情報。例えば、業績の悪化、スキャンダルの発覚など。
- 含み益・含み損: 株式などの資産を実際に売却していない状態で、購入価格と現在価格との差によって生じる未実現の利益や損失。
- 成り行きで買う: 買い注文を出した際に、指定した価格ではなく、その時の市場価格で即座に購入する注文方法。
- リーマンショック: 2008年に発生した、アメリカの投資銀行リーマン・ブラザーズの破綻をきっかけとする世界的な金融危機。
- 逆張り: 市場の多数派とは逆の方向に投資を行う戦略。市場が過剰に反応していると判断した場合に利用される。
- ストップ高: 株価が一日で許される最大の上昇幅に達し、それ以上の取引が停止される状態。
Q&A集
- ストップ安とは具体的にどういう状態ですか?
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ストップ安とは、株価が一日の取引で許される最大の下落幅に達し、それ以上の価格での取引が停止される状態を指します。これは市場の急激な価格変動を防ぐための措置の一つです。
- ストップ安銘柄を買う戦略が有効な理由は何ですか?
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ストップ安銘柄は、一時的な過反応や悪材料によって過度に売られている場合があり、その後のリバウンド(価格回復)を期待して買う戦略が有効とされることがあります。統計的に見て、この戦略は一定の勝率と平均損益率を持つことが検証されています。
- この戦略におけるリスクは何ですか?
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ストップ安銘柄を買う戦略のリスクには、株価がさらに下落する可能性があること、また、悪材料が株価に長期的な影響を与える場合があることが挙げられます。また、市場全体の状況や特定の銘柄のファンダメンタルズ(基本的な価値)を正確に評価する必要があります。
- どのような銘柄を選ぶべきですか?
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ストップ安となった銘柄の中でも、一時的な過反応や解決可能な問題によって価格が下落したものを選ぶことが重要です。企業の基本的な健全性や市場の状況、悪材料の性質を慎重に分析し、回復の可能性が高いと判断される銘柄を選定するべきです。
- この戦略を実践する際の注意点は何ですか?
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ストップ安銘柄を買う戦略を実践する際には、リスク管理が非常に重要です。投資する資金の一部のみを使用し、ポートフォリオ全体のバランスを崩さないようにすることが推奨されます。また、市場の変動に敏感であるため、定期的にポートフォリオを見直し、必要に応じて調整することが重要です。
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