※本記事は、YouTube動画「シルバーはゴールド超え急騰が継続中|銀ETFのSLVと1542の特徴と投資法」の内容をもとに構成しています。
目次
結論:銀は高リスクだが、今がチャンスの可能性も高い!
2025年7月現在、銀(シルバー)は過去にないほどの注目を集めています。過去3ヶ月で**銀は+14.1%**と大幅に上昇し、金の+1%を大きく上回るパフォーマンスを記録しています。世界的なインフレ、供給不足、有事のリスク回避、そして再生エネルギー関連需要の拡大が背景にあります。
ただし、銀は過去にも2度の急騰と暴落を経験した非常にボラティリティの高い資産でもあるため、「コアサテライト戦略」のサテライト(攻め)としての位置づけで投資するのが適切とされています。
歴史が示す「銀」の暴騰と暴落パターン
【1980年】ハント兄弟による銀の独占買い占め事件
- 原油ショック・ドル不安から銀を大量買い占め
- 価格は11ドル→48ドル70セントへ(わずか数ヶ月)
- 取引所の証拠金引き上げ→一気に暴落
- 銀価格はその後2005年まで低迷
【2011年】リーマン後の金融緩和と銀ブーム
- リーマンショック→実物資産が見直される
- 銀は17ドル→47ドル99セントへ急騰
- 再び証拠金引き上げと金融政策正常化→再度急落
- 長期の低迷期へ
なぜ今、銀は再び上昇しているのか?
1. 金から銀への資金シフト
- 金はすでに高騰し、横ばい
- 相対的に出遅れた銀に投資家の注目が集中
2. 有事のリスク回避資産としての役割
- 中東情勢、米国の関税政策など地政学的リスク
- 銀も金と同様に「避難先」としての需要が増加
3. 強い産業需要(特に太陽光・AI分野)
- 銀は太陽光パネル、半導体、AI技術に不可欠
- 米国の太陽光発電容量:
- 2010年:2GW → 2025年:200GW
- 15年で100倍の成長
銀の「需給バランス」が価格上昇の鍵
銀の世界需要と供給の推移(2015〜2024年)
年度 | 銀の需要(億オンス) | 銀の供給(億オンス) | 供給不足(億オンス) |
---|---|---|---|
2021 | 約10.4 | 約9.9 | 約0.5 |
2022 | 約10.8 | 約10.3 | 約0.5 |
2023 | 約10.3 | 約10.0 | 約0.3 |
2024 | 約10.1 | 約8.6(推定) | 約1.5 |
※数値は概算。供給不足は4年連続。
- 供給の伸びが鈍化
- 鉱山生産:2015年をピークに減少傾向
- リサイクル供給:カトラリーなどの売却でやや増加
- 需要の中身も変化
- 工業需要:全体の約60%を占め、今も成長中
- ジュエリー・投資用・写真フィルムは減少傾向
フロリダ州で「銀」を法定通貨に認定
- 2025年、フロリダ州で金・銀を法定通貨とする法案が可決
- デサンティス知事が署名、「ドルの価値下落から州を守る」
- 他にもユタ州・テキサス州などでも金・銀が通貨として認められている
金と銀の価格比「ゴールド・シルバー・レシオ」で割安度を判断
レシオ値 | 状態 | 投資戦略 |
---|---|---|
40以下 | 銀が割高 | 銀を売る or 金に資金移動 |
80以上 | 銀が割安 | 銀を買う or 金を売って銀へ |
- 2025年7月8日時点:90
- 銀は依然として金に比べて割安
- 投資妙味があると判断可能
銀に投資するには?ETFが使いやすい
銀のETFとして紹介されたのは2銘柄:
比較項目 | SLV(iShares) | 1542(国内ETF) |
---|---|---|
通貨建て | 米ドル建て | 日本円建て |
売買単価 | 約4,900円(1株) | 約16,000円(1口) |
運用コスト | 年率0.5% | 年率0.55% |
対象価格 | ロンドン銀スポット価格 | 国内銀先物価格 |
売買市場 | NYSE | 東証(日本) |
為替影響 | あり(米ドル) | あり(間接的に米ドル連動) |
NISA対象 | 成長投資枠で利用可 | 成長投資枠で利用可 |
どちらがおすすめ?
- 為替タイミングを自分でコントロールしたい人はSLV
- 日本円で取引したい初心者は1542でもOK
投資戦略:コア・サテライト戦略でシルバーを“攻め”に
コア・サテライト戦略とは?
- コア(守り):長期安定資産(例:米国株インデックス)
- サテライト(攻め):短中期で高リターンを狙う(例:銀)
銀は金と違って市場最高値(48ドル)を更新できていないため、主力ではなく「サテライト枠」での投資が望ましいとされています。
今後のシナリオと注意点
銀の価格上昇はどこまで続くのか?
- 過去の急騰時と同様、投機マネーが流入すれば48ドル再来も
- ただし需要先食いや代替素材の登場など、リスクも
- 2025年下期は反動の下落に注意
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