※この記事はYouTube動画「【〇円突破で円安加速!?】貿易戦争再開&円買いポジション解消で米ドル/円は再び155円へ?」を基に内容をまとめています。
結論:円安加速のカギは「150円超え」から始まる投機筋のポジション解消
2025年7月現在、ドル円相場は150円の節目に差し掛かりつつあり、ここを超えると短期的に155円台までの円安加速が起こる可能性が高まっています。
その背景には、日銀の利上げ見送り、トランプ関税再燃、米長期金利の上昇、そして円買いポジションの巻き戻しといった複数の要因が重なっています。
ドル円相場の現状:200日線を上抜けて円安トレンド強化
7月時点でドル円は200日移動平均線を明確に上抜け、円安方向に勢いづいています。
テクニカル的には一度調整が入る可能性もありますが、150円をサポートとして維持すれば再び上昇トレンドが強まると見られています。
円安の主な要因①:日銀の利上げ見送りと政策スタンス
- 6月の日銀会合で追加利上げは見送り
- 「これが最後のチャンスでは?」という見方も強く、今後の利上げの可能性は低い
- 結果的に円売り材料となり、円安に転換
円安の主な要因②:トランプ関税の再燃とその影響
- トランプ前大統領が再び輸入関税(最大30%)を各国に通告
- 日本には25%関税の見込み
- 関税=インフレ要因 → 米国債売り → 長期金利上昇 → ドル買い
【補足】現在の関税率通告
国 | 関税率(予定) |
---|---|
イギリス | 10% |
ベトナム | 20% |
日本 | 25% |
韓国・メキシコ等 | 最大30% |
円安の主な要因③:米長期金利の上昇とFRBの利下げ観測の後退
- アメリカのCPI(消費者物価指数)が2.67%に上昇
- インフレ再燃の懸念によりFRBが利下げしにくい状況
- 米10年債利回りも堅調推移 → ドル買い材料
円安の主な要因④:円買いポジションの解消が進行中
- シカゴ先物市場では依然として10万枚以上の円買いポジション
- 150円を超えると「諦め売り」が加速する可能性
- ポジション解消=円売り=円安加速
円安は望ましい?政府の本音とジレンマ
日本政府にとって、円安は製造業の輸出競争力を高めるメリットがあります。トランプ関税の対抗策としても、「25%関税」なら「25%の円安」で帳消しにできるとの見方も。ただし—
- 円が180円まで進むと輸入物価の高騰→国内インフレ加速
- 政治的にはインフレ批判や有権者の不満が高まる
- 「円安=得」ばかりではないジレンマ
選挙と為替:与党が勝っても負けても「円安要因」
- 与党勝利→円安続行
- 野党勝利→減税路線→財政拡大→インフレ→円安
つまり、どの政党が勝っても「円安を止める政策」にはなりにくいという構造的問題があります。
今後のドル円予想レンジ(2025年7月〜8月)
エミン氏の予測レンジ:
見通し | 水準(対ドル) |
---|---|
上限 | 155円 |
下限 | 145円 |
トランプショック再来のリスクにも要注意
過去にはトランプ発言で以下のような「トリプル安」が起きました:
- 米国債が売られる(長期金利上昇)
- 米株が売られる
- ドルも売られる
ただ、今回は「ドル高+株高」のシナリオに近く、過去とは異なる展開となっています。
まとめ:今後の注目ポイントと投資家が備えるべきこと
【注目イベント】
- 7月の日本の選挙結果
- 8月1日のトランプ関税発効期限
- CPIや雇用統計の動向
- FRBの政策転換(利下げの有無)
【備え方】
- 150円超えたら円安加速の可能性大
- ポジション管理に要注意
- 米金利・関税ニュースには敏感に反応すること
- 夏の相場はボラティリティ高くなる傾向あり
補足:エミン氏の見解
エミン氏は一貫して「ドル円の基準値は150円前後」としており、150円を起点に±10円のボラティリティを許容するのが妥当と述べています。
今回の内容は、短期的にも中期的にも円安圧力が強まっていることを明確に示すものであり、為替市場が「構造変化」の中にあることを再認識させるものでした。特にポジション解消と金利動向の連動性は、テクニカルだけでは読み切れない相場の「本質」を教えてくれます。
投資家の皆さんは、テクニカル分析だけでなく、こうしたファンダメンタルズも合わせて把握し、戦略を練る必要があります。
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