※本記事は、YouTube動画「【日本経済の最悪シナリオ】徹底討論エミンvs永濱/2025年下半期の経済見通し/アメリカは急激な景気後退へ/参院選の影響と新首相/米雇用統計の衝撃/中国が静かに喜ぶ理由【ECONOMICS101】」をもとに、初心者にも分かりやすくまとめたものです。
結論:2025年後半、日本経済は「実感なき景気後退」に突入する可能性が高い
- アメリカがハードランディングするリスクは依然として存在
- トランプ政権の関税政策は世界規模で経済を減速させ、日本にも悪影響
- 為替は**「ドル安円安」**の傾向が続くが、日銀が追加利上げすれば130円台まで円高の可能性
- 日本政治は参院選を経て「リベラル寄り財政拡大型」へシフトする見込み
- 中国はアメリカの強硬外交の“漁夫の利”を得て影響力を拡大
1. アメリカ経済の現状と雇用統計の異変
2025年7月の米雇用統計は悪化。過去2か月分(5月・6月)が大幅下方修正され、合計で25万人分の雇用が消えた計算。
これはバイデン政権期から続く「速報値は強い→後で下方修正」のパターンで、市場が速報値に反応した後に修正が来るため、投資家心理を混乱させている。
雇用の質の低下
- 正規雇用が減少、パートタイムやギグワークが増加
- 高所得職(IT・ビッグテック)がリストラ継続中
- サービス業の賃金上昇圧力が強く、チップ文化が拡大(コロナ前10% → 現在20%、一部で25〜30%)
こうした変化は雇用者数の統計には現れるが、実際の所得は減少傾向にあり、消費への影響が懸念される。
2. FRBの利下げ判断とその難しさ
市場は9月利下げを9割織り込みしているが、インフレが下がらない限りFRBは慎重姿勢。
利下げしても長期金利が上昇するリスク(2024年に実際に発生)があるため、トランプ大統領の圧力があっても簡単には決定できない。
- アメリカ政策金利:5.5% → 4.5%に利下げした際、10年債利回りは3.6% → 4.6%に上昇
- 長期金利上昇は住宅ローン金利の上昇を招き、不動産市場に逆効果
結論として、利下げは年1〜2回程度にとどまる可能性。
3. トランプ関税がもたらす3つのシナリオ
2018年の前回関税は中国限定だったが、2025年版は全世界が対象。
この結果、世界貿易は減速し、アメリカへブーメランのように悪影響が返ってくる「フィードバックループ」が発生する。
日本への影響
- 日本は内需が弱く、輸出減少で即「景気後退」に入りやすい
- 前回も直接関税対象外だったのに2018年11月からマイナス成長入り
- 今回も「実感なき景気後退」の可能性大(2012年欧州債務危機時と同規模)
アメリカの3シナリオ
- 適度なハードランディング → 関税緩和、景気回復(日本にとってベスト)
- ソフトランディング → 関税維持、成長鈍化
- 深刻なハードランディング → 金融不安発生、長期停滞(最悪)
4. 為替動向:ドル安円安が続く理由
現在はドル安局面でも円高にならず、ドル安・円安が同時進行。
背景には「実質金利差」がある。
- 米:名目4.0% − インフレ2.5% = 実質1.5%
- 日:名目0.5% − インフレ3.0% = 実質-2.5%
→ 差は約4%〜5%
この差が埋まらない限り、円は買われにくい。
円高の可能性は?
- 日銀が0.25%の追加利上げをすれば、2026年にかけて130円台突入の可能性
- ただし、政治的圧力や景気悪化リスクで利上げできない場合、円安基調が続く
5. 参院選後の日本政治と経済政策
2025年7月の参院選では、自民党の保守層・若年層支持が減少し、国民民主や賛成党に一部が流れた。
しかし、政権交代には至らず、自民党は**「リベラル寄り財政拡大型」**の路線を維持すると見られる。
次期総裁候補の軸
- リベラル財政高派:小泉進次郎、林芳正、野田聖子
- 保守財政鳩派:高市早苗、小渕優子
市場影響としては、財政拡大=円安・株価微増、財政縮小=円高・株価停滞という方向性が想定される。
6. 中国の“漁夫の利”と世界のパワーバランス
トランプ政権の強硬外交により、多くの新興国や欧州諸国が**「脱アメリカ依存」**を加速。
結果、中国の影響力が相対的に上昇。
- 米のソフトパワー(映画・音楽・文化)からハードパワー(軍事・経済圧力)への転換は、世界的な反米感情を拡大
- 米ハイテク企業への制裁・報復関税の可能性も
まとめ:2025年下半期に備える投資・生活戦略
- 日本は実感なき景気後退に入りやすく、株価は米動向に大きく依存
- 為替はドル安円安傾向が続くが、日銀が追加利上げすれば円高に反転する可能性
- 政治はリベラル寄り財政拡大が主流で、インフレ圧力は残る
- 中国の台頭は中長期的な地政学リスクとして意識が必要
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