※本記事はYouTube動画「【何かがおかしい】株式市場の異変」の内容をもとに、初心者でも理解しやすい形でまとめています。
目次
結論
マネーマーケットファンド(MMF)の残高が史上最高の7.2兆ドルに到達し、過去のITバブル崩壊・リーマンショック・コロナショック直前を超えるペースで増加しています。
歴史的には、この現象は**「次の上昇の燃料」にも「暴落の前兆」**にもなり得ます。現在の状況はどちらの可能性も秘めており、その見極めが重要です。
7.2兆ドルという異常な規模
- 日本とイギリスのGDPを合計しても届かない規模。
- 過去2年間で2兆ドル増加(1981年〜2001年の20年分が、今では2年で積み上がった)。
- MMFは現金や短期国債など低リスク資産で構成され、「次の投資機会までの待機資金」として使われる。
歴史が示す「高MMF残高」のリスク
- 2000年 ITバブル崩壊前:MMF急増 → 投資家が過熱感あるIT株に資金投入。
- 2008年 リーマンショック前:ITバブル時より速い増加ペース。
- 2020年 コロナショック前:再び急増。
- 現在:これらを上回るスピードで増加中。
投資家が現金を選ぶ3つの理由
1. 短期金利がインフレ率を上回っている
- 政策金利:4.3%
- インフレ率:2.4%
- 実質利回り:約+1.9%(歴史的に見ても魅力的)。
2. 株式市場の割高感
- バフェット指数(株式時価総額 ÷ GDP):約200%(過去最高水準)。
- ITバブル時やコロナショック時を上回り、調整リスクが高まっている。
3. 他の投資先の魅力低下
- 不動産:住宅ローン金利が2006年以来の高水準、価格高騰で手が届きにくい。
- 株式:バリュエーション高騰で慎重姿勢の投資家増加。
過去との類似点と違い
- 1980〜90年代も政策金利がインフレ率を上回り、現金保有が魅力的だった。
- 当時は株式市場とMMF残高が同時に増加 → 両立が可能な時期もあった。
- 今回も同様になる可能性はあるが、バフェット指数の高さは過去より危険サイン。
今後考えられる2つのシナリオ
シナリオ1:金利引き下げ → 株式市場へ資金流入
- FRBが利下げを進めれば、7兆ドルの一部が株式市場に流入。
- 1980〜90年代のような上昇相場再来の可能性。
シナリオ2:高金利長期維持 → リスク回避加速
- 株価が横ばいまたは下落 → さらにMMF残高増加。
- ITバブルやリーマンショック前と同様の「暴落前シナリオ」に近づく。
投資家が今できること
- 名目データに惑わされない
インフレ調整後の実質データで景気や企業業績を見る。 - バリュエーションを意識
バフェット指数やPERなど、株価が割高かどうかを定期的に確認。 - ポートフォリオの流動性確保
突発的な下落や好機に備え、一定割合の現金・短期資産を保持。
まとめ
- MMF残高の急増は、過去の大暴落前にも見られた現象。
- しかし、1980〜90年代のように株と現金が同時成長した時期もあり、必ずしも悲観一色ではない。
- 今は「次の大相場の燃料」か「暴落の前兆」か、判断が分かれる局面。
- インフレ調整後の指標や市場バリュエーションを見極め、冷静に行動することが重要。
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