有価証券担保ローン×オルカン投資で資産4.6倍?仕組みとリスクを徹底解説

本記事は「【10年で資産4.6倍】有価証券担保ローンを活用したオルカン(全世界株)レバレッジ投資は現代の錬金術か!?」という動画を基に作成しています。


SNSなどで「オルカン(全世界株)を担保にレバレッジをかければ、資産が10年で4.6倍になる」という話題が広がっています。果たしてこれは現代の錬金術なのか、それとも危険な賭けなのか。動画の内容を整理しながら、仕組みとリスクを解説します。


目次

結論:合理的だが万人向けではない

有価証券担保ローンを使ってオルカンにレバレッジをかけると、理論上は長期的に大きなリターンが期待できます。特に「調達金利1.9% vs オルカン期待利回り7%」という差を活用するため、複利効果で資産が増えるスピードは加速します。


しかし同時に「暴落時の強制ロスカット」など致命的なリスクも抱えており、余裕資金や高いリスク許容度を持つ人にしか向きません。


オルカンとは何か?

オルカン(全世界株式インデックスファンド)は、世界中の株式に分散投資できる投資信託です。代表的なのは「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」で、純資産総額は7兆円規模に成長。

  • 米国株:64.5%
  • 日本株:4.9%
  • 英国株:3.4%
  • 中国株:3.2%
  • その他の先進国・新興国:残り

つまり「米国比率は高いが、世界全体の成長を取り込める」ファンドです。


有価証券担保ローンとは?

有価証券を担保にお金を借りられるローンで、株式や投資信託などを差し入れて融資を受けます。代表的なのが野村証券の「野村Webローン」。

  • 金利:年1.9%(変動)
  • LTV(担保掛け目):最大60%(株式・投信の場合)
  • 法人利用不可、NISA口座は担保にできない

例えば1000万円分のオルカンを担保にすると、600万円まで借入可能。その借入資金で再びオルカンを購入・担保に入れれば、レバレッジを重ねられます。


資産が4.6倍になるロジック

例:手元資金1000万円+レバレッジ

  1. 1000万円でオルカン購入 → 担保にして600万円借入
  2. 600万円でオルカン購入 → 360万円借入
  3. さらに担保化して繰り返し…

最終的に1000万円の元本で約2300〜2400万円を運用可能。レバレッジ比率は約2.4倍。

10年シミュレーション

  • 運用利回り:年7%
  • 借入金利:1.9%
  • 毎月10万円の積立あり

結果:10年後の資産は約6244万円、借入返済分を差し引くと純資産は約4600万円。
つまり元本1000万円が約4.6倍に。


仕組みのメリット

  • 低金利で調達した資金を高利回り資産に投資できる
  • 毎月利息を支払わなくてもよく、元本に利息が積み上がる方式
  • 積立と組み合わせれば担保余力が増し、リスク緩和も可能

最大のリスク「おいしょう(追証)」

有価証券担保ローンで一番怖いのは、株価下落による強制ロスカット。

  • 担保維持率が70%を下回ると自動的に決済される
  • オルカンの場合、約30%の下落でロスカットが発生
  • リーマンショック時は9か月で半値以下になった例も

つまり「3割下落は時々ある」という前提で考える必要があります。


この戦略は有効か?

動画の結論は「合理的だが、誰にでも勧められるものではない」。

  • 知識・リスク許容度・覚悟がある人向け
  • 余裕資金が大きい人(例:1億円の資産のうち1000万円を使うなど)
  • 毎月の積立を組み合わせれば比較的安全性が増す

逆に「貯金1500万円しかない人が1000万円で挑戦する」のは危険。小額から経験するのは良いが、大金を張るのは十分な準備と理解が必要です。


まとめ

  • 有価証券担保ローン×オルカンは「低金利で借りて高利回りで運用する」現代版アービトラージ戦略
  • 理論上は10年で資産4.6倍も可能
  • しかし30%の下落で強制ロスカットが発動するリスクあり
  • 知識・資金力・リスク許容度を持つ投資家向け

不動産投資と同じように「レバレッジは現代の錬金術」。正しく使えば資産形成を加速できますが、準備不足で挑めば大きな損失を招く可能性があります。

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