本記事は「【新刊】資産7000万円元証券アナリストが実践する心穏やかに取り組めるディフェンシブ日本株投資」という動画を基に内容を整理し、株式投資初心者でも理解しやすい形でまとめています。
結論から言うと、本書は「ハイリスク・ハイリターンを狙う投資」ではなく「安定した大型株を中心に心穏やかに続けられる投資術」を提案しており、長期的に安心して資産形成したい人に向いている一冊です。
目次
本書の著者と基本方針
著者は資産7000万円を築いた元証券アナリストの坂え田子さん(通称おせチーズさん)。2007年に証券アナリストとなり、2008年のリーマンショックをはじめ、トランプショックやコロナショックといった暴落相場を経験した実務家です。
その経験から、短期的なリターンよりも「メンタルが安定し、長期的に続けられる投資」が重要と気づき、ディフェンシブ株を中心とした穏やかな投資手法を確立しました。
なぜ日本株なのか?
- 言語のアドバンテージ
日本語ネイティブである我々は、企業のIR資料や国内ニュースを深く理解できるため、外国人投資家よりも優位に分析可能。 - 日本市場の存在感
世界の株式市場で2位の規模(米国に次ぐ)。外国人投資家の取引比率は東証プライムで62%に達し、国際的にも成熟した市場。 - 企業の変化
PBR改善要請や自社株買い・増配など、株主還元を強化する企業が増加。以前よりも投資妙味が高まってきている。
投資信託より個別株を選ぶ理由
- 投資信託のデメリット
- 注文価格が翌営業日の基準価格となり、売買タイミングを掴みにくい。
- TOPIXや日経平均は「赤字企業」も採用銘柄に含まれるため、指数に投資すると好ましくない企業にも資金が回ってしまう。
- 米国株との違い
- S&P500は直近4四半期連続黒字など厳格な採用基準があり、指数自体の信頼性が高い。
- 日本の指数は新陳代謝が弱いため、インデックス投資よりも個別株投資の方が優位性があると著者は主張しています。
投資戦略の特徴
- 狙うのは大型株中心
- 海外投資家の資金が集まりやすく、流動性も高い。
- 成熟した大企業であるため倒産リスクが低く、安心して保有できる。
- リターンはインデックス未満でもよし
- 「リスクを小さくするためにリターンも小さくする」という発想。
- 短期的な爆発的リターンは狙わず、長期的な安定を重視。
- ディフェンシブ銘柄に注目
- 食品、日用品、医薬品など、景気に左右されにくい企業を選定。
- 値動きが穏やかで、下落相場でも心が乱れにくい。
具体例:日清食品ホールディングス
著者が「ずっとも候補銘柄」の一つとして挙げたのが日清食品。
- 企業規模:時価総額約8000億円
- 業績:26年3月期予想では売上・営業利益は増加傾向
- 配当:2000年以来、20年以上連続で減配なし。現行配当70円を維持見込み
- 利回り:配当利回り2.5%、株主優待を加えて総合利回り約2.8%
- 株価推移:23年末のピークから半値以下に下落し、割安感が高まっている
さらに特徴的なのが「値上げの上手さ」。ブランド力に支えられ、値上げ後も売上を維持できる強さがあります。海外事業の伸びが鍵となる一方、米国市場での苦戦は今後の課題です。
投資初心者へのメッセージ
本書は「2倍株、3倍株を狙う冒険」ではなく「のんびり、心穏やかに資産形成」する方法を説いています。
- 投資初心者でも理解できるよう、指標の基本や決算の見方など基礎知識を解説。
- やってはいけない投資行動や、失敗時の対処法も紹介。
- 12銘柄の「ずっとも候補銘柄」リスト付きで、実践の参考にもなる。
まとめ
資産形成において最も重要なのは「続けられること」。
著者はリーマンショックを経験したからこそ「メンタルの安定」を重視し、ディフェンシブな大型株投資に行き着きました。
- 日本株の強みを活かす
- 投資信託よりも個別株で勝負
- 大型株・ディフェンシブ株中心で長期保有
こうした投資法は「爆発的な成果は出にくい」反面、「安心して長期投資を続けられる」点で、投資初心者やリスクを抑えたい人に特におすすめといえます。
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