本記事は、YouTube動画「【これが語られず株価上昇している…】米国株と日本株を今プロが見ている視点・投資戦略を合わせてデータ解説【年内14%調整?】」を基に内容を整理・解説しています。動画では米国株と日本株の現状を、データや指標を用いてプロがどのように見ているのかを詳しく説明しており、投資初心者にも重要な視点となります。
目次
結論:株価は歴史的な高水準、調整リスクも大きい
米国株(S&P500やNASDAQ)と日本株は過去最高水準を更新しています。しかし、バリエーション指標(PER、CAPEレシオ、PBRなど)を見ると、米国株は1929年の世界恐慌前、1999年のドットコムバブル前と同等の「歴史的割高水準」にあることが明らかです。
短期的にはAI関連や金利低下期待などで上昇していますが、年内に5〜14%程度の調整が入る可能性があるとの見方もあり、むしろ健全な調整を経た方が次の上昇につながるという意見も出ています。
米国株の現状と問題点
主要指標が示す「割高感」
- S&P500の予想PER:22〜23倍(過去40年平均は約16倍)
- シラーCAPEレシオ:40倍近く、ドットコムバブル期以来の高水準
- 上位3銘柄(NVIDIA・Microsoft・Apple)でS&P500の時価総額の21%超を占める
- 上位10銘柄で時価総額の40%、利益の30%程度 → 明らかな集中リスク
さらに、S&P100の約27%の銘柄がPER50倍超。これは「将来数十年先の利益まで株価に織り込んでいる」ことを意味します。
市場の楽観ムード
- インフレ低下 → 設備投資・金利低下期待
- 雇用統計の悪化すら「利下げ期待で株高材料」に解釈
- JPモルガンなど大手も「AIを中心に長期成長」と強気
しかしこれは「こじつけ的な楽観」ともいえ、リスクを見落とす危険性があると指摘されます。
日本株の現状と見方
割安か、割高か?
- 予想PER:14.5倍(米国より約3割低い)
- PBR:1.5倍程度(改善傾向だが割高感も出始めている)
- バフェット指標:173%(過去20年の最高水準に近い)
「日本株はまだ割安」とする強気派と、「既に高値圏で調整必至」とする慎重派に意見が分かれています。
プラス要因
- ガバナンス改革(ROE改善、株主還元強化、配当増)
- 円安効果 → 輸出企業の業績押し上げ
- 新NISAによる個人投資家の買い支え
- 海外投資家の買い越し(10週連続以上)
リスク要因
- 関税問題(トランプ政権の政策が不透明)
- 円高リスク → 一気に割高化する可能性
- 海外投資家の買いが止まった時の脆弱性
プロが提案する投資戦略
- 米国株は慎重に
- 大型ハイテク株への過度な集中を避ける
- 高バリュエーション銘柄からリバランス
- 新興国株や中小型株への分散を検討
- 日本株は割安セクターに注目
- バリュー株や小型株への段階的投資
- 為替ヘッジや輸出入企業の組み合わせでリスク管理
- 長期的にはガバナンス改革を追い風に持つ企業を狙う
- 共通の心得
- 「高いと分かって参加する」か「参加しないか」を自覚する
- 分散投資を徹底し、セクター偏重を避ける
- 大きな損失を避けるためにポジションサイズをコントロール
歴史的な教訓:バブルは長く続くが最後は崩壊する
- 1989年の日本バブルは約5年間続いた
- ドットコムバブルも3〜4年間続いたが、その後大暴落
- 今回も「2025年から2028年までバブルが続く可能性」はあるが、最後に大きな崩壊を迎えるリスクは常に存在する
つまり、バブルに乗るのは悪いことではありませんが「降り時を見極める」ことが極めて重要です。
まとめ
- 米国株は歴史的に見ても「割高すぎる」状態
- 日本株は米国より割安だが、円安要因や外国人買いに支えられている側面が強い
- 年内に5〜14%程度の調整が入る可能性もあり、むしろ調整は健全
- 投資戦略は「分散・リスク管理・欲を抑えること」が基本
最後にプロの言葉を借りれば「株価が高いのを分かって買うのか、買わないのか。知らずに買うのは一番危険」ということです。
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