本記事は「【オルカンの先へ】GS Plus 全世界株式(オール・カントリー) インデックス投資を超えていけ!」という動画を基にまとめています。インデックス投資の王道「eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)」に対抗する新たなファンドが登場したことで、多くの投資家にとって気になる存在となっています。
結論:GS Plus は「高コストでもオルカンを上回る」ことを目指すアクティブファンド
ゴールドマン・サックスが運用する「GS Plus 全世界株式(オール・カントリー)」は、信託報酬が実質0.4936%とオルカンより高めです。しかし、AIやビッグデータを活用し、コスト控除後でもMSCIオールカントリーワールド指数を上回るリターンを目指す点が最大の特徴です。
つまり「安さのオルカン」か「高コストだがインデックス超え狙いのGS Plus」か、投資家に新たな選択肢が提示されたわけです。
基本情報とコスト構造
- 運用開始:2025年7月30日
- 販売会社:SBI証券、マネックス証券、楽天証券
- 参考指標:MSCIオールカントリーワールド指数(税引後配当込み・円ベース)
- 信託報酬率:実質0.4936%
インデックス型のオルカン(0.05775%程度)と比べると約8倍のコスト。ただし世界のアクティブファンド平均(約1.59%)からすれば、かなり抑えられた水準とも言えます。
投資手法の特徴
1. 銘柄選定の幅広さ
- オルカン:約2,500銘柄を時価総額加重で採用
- GS Plus:15,000銘柄から分析し、300〜500銘柄に絞り込み
インデックスをベースにしつつ、強気銘柄は比率を増やし、弱気銘柄は減らす「アレンジ型」のポートフォリオを構築します。
2. 入れ替え頻度の違い
- オルカン:四半期に1回リバランス
- GS Plus:AIとデータを駆使し、3〜5営業日ごとに見直し
企業の決算やニュースに素早く反応できる点で大きく差別化しています。
3. 活用するデータ
- 伝統的指標:売上成長率、利益率、PER、PBRなど
- 新しいデータ:ニュース記事、クレジットカード決済データ、Webアクセス数、従業員評価、機関投資家の売買動向
特にクレジットカードデータを利用し、決算発表前に売上を予測して先回り投資するのがユニークな点です。
投資対象ETF
GS Plusは直接株を買うのではなく、2つのETFを通じて投資します。
- GQWD(先進国株式)
- コスト:0.25%
- 米国比率:約75%
- 上位銘柄:NVIDIA、Apple、Microsoft、Amazon、Alphabet
- GQEM(新興国株式)
- コスト:0.35%
- 主な投資先:台湾セミコンダクター、Tencent など
- 日本を除くアジアが約8割を占める
この2本を組み合わせることで、先進国+新興国=全世界の投資をカバーします。
実際のポートフォリオ
- 構成銘柄数:374(オルカンより大幅に絞り込み)
- 上位比率:NVIDIA 4.6%、Apple、Microsoftなど米大型株が中心
- 一部はインデックス比率より多め(例:P&G、エバーソースエナジーなど)
パフォーマンスと期待値
- 運用開始直後だが、すでにオルカンをやや上回る成績を示している
- ただし評価には1〜2年の実績が必要
- 過去の同様戦略では先進国市場でインデックス超過リターンを確認済み
ゴールドマン・サックスという運用会社の信頼性
- 創業:1869年(ニューヨーク)
- 世界90拠点以上
- 契約資産残高:約440兆円
- 世界一のプライベートバンクと称される規模
この圧倒的な規模とデータ力がGS Plusの背景にあります。
どんな人に向いているか?
- オルカンは魅力的だが「すべて任せきり」には抵抗がある人
- インデックス+αのリターンを狙いたい人
- AIやビッグデータ活用のアクティブ運用に魅力を感じる人
一方で「とにかくコスト最優先」の人にはオルカンの方が適しています。
まとめ
GS Plus 全世界株式(オール・カントリー)は、
- 高コストだがAIとビッグデータを駆使し、
- 銘柄を絞り込み、機動的に入れ替え、
- コスト控除後でインデックス超えを目指す
という意欲的なファンドです。
オルカンとの最大の違いは「守りのインデックス」か「攻めのアクティブ」かという点。世界的に見てもゴールドマン・サックスの挑戦は注目に値し、これからの成績次第ではオルカンの強力なライバルとなり得るでしょう。
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