本記事は「NISA拡充で更に便利に?最新の改正案を分かりやすく解説【リベ大公式切り抜き】」の内容を基にまとめています。これからNISAを活用したい人、すでに利用している人にとって必見の情報です。
結論:NISAは「全世代型」へ進化する可能性あり
金融庁が出した税制改正要望によって、NISAはこれまで以上に使いやすくなる見込みです。特に注目すべき改正ポイントは以下の3つです。
- 未成年者でも口座を開設できるようになる
- 対象商品の拡充
- スイッチング(商品入れ替え)の規制緩和
この3つが実現すると、NISAは若者から高齢者まで全世代にメリットのある制度に進化します。
そもそもNISAとは?
NISAは「少額投資非課税制度」のこと。
現行制度では最大1,800万円まで投資でき、その運用益や配当金が非課税になります。通常20%ほどかかる税金がゼロになるため、資産形成にとても有利な制度です。
背景としては、国が「老後は自分で備えてください」という方針を打ち出しているため。政府が国民の老後をすべて支えるのは難しくなり、NISAを通じて国民自身が投資で資産を築くことを促しています。
2025年3月末時点でNISA口座数は約2,650万。政府目標の3,400万口座まで拡大が期待されています。
改正ポイント1:未成年者もNISA口座を持てる?
現行のNISAは18歳以上でなければ口座を開設できません。
しかし今回の改正案では「つみたて投資枠に限り未成年も口座開設可能」にする案が出ています。
具体例
例えば3歳の子どもに毎年110万円を贈与し、年利5%で15年間積み立てた場合、18歳の時点で約2,400万円に達する試算となります。
これは極端な例ですが、10歳や15歳の子どもに少額から投資経験をさせる金融教育にもつながります。
親の考え方次第ですが、子どもの将来資金づくりに活用できる大きなメリットです。
改正ポイント2:対象商品の拡充
現在のNISAでは「毎月分配型投信」など一部の商品は対象外です。
しかし高齢者を中心に人気があるため、対象を広げようという要望があります。
ただし動画内では「これはあまり歓迎できない」との意見もありました。理由は以下の通りです。
- 日本には約14,000本の投資信託があるが、本当に良質な商品は100本程度しかない
- 対象を広げすぎると“ゴミ投信”に手を出して損をする人が増える可能性がある
つまり、金融機関にとっては手数料収入が増えるが、利用者にとっては必ずしもメリットではないということです。
改正ポイント3:スイッチング規制の緩和
現行のNISAでは、投資信託を売却すると非課税枠が「翌年」にならないと復活しません。
例えば…
- 若い時にハイリスクな「ファンドA」に投資
- 年齢を重ねて「ファンドB」に乗り換えたい
→ 売却したらその年の非課税枠は消失し、翌年まで買い直しできない
この不便さを解消するため、売却した年に非課税枠を復活させる仕組みが検討されています。
ただし注意点もあります。
- 頻繁な入れ替えを可能にすると、金融機関に営業されて手数料の高い商品を買わされやすい
- 自分自身も短期売買を繰り返して損を拡大させるリスクがある
基本的に長期投資が目的のNISAでは「優良インデックスを買って持ち続ける」シンプルな運用がベストであり、入れ替えはあまり重要ではないとも指摘されています。
改正スケジュール
税制改正は毎年同じ流れで進みます。
- 8月:各省庁や業界団体が要望提出
- 9〜12月:財務省が調整
- 12月中旬:与党が改正案を発表
- 翌年1月:国会で承認
- 翌年4月:施行
つまり今回のNISA改正案も、正式に決まるのは12月中旬頃となります。
まとめ
今回の改正案が実現すると、NISAは「全世代型」に進化します。
- 未成年者も利用可能 → 若い世代にメリット
- 対象商品の拡充 → 全世代にメリット(ただし慎重に)
- スイッチング緩和 → 中高年世代に便利
2024年の大改正に比べれば小規模な調整ですが、特に「未成年口座」の導入は家族全体の資産形成に大きなインパクトを与えるでしょう。
正式な内容は12月に発表される予定です。それまでに情報をキャッチして、自分の資産形成戦略をアップデートしていきましょう。
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