以下の記事は、元動画のタイトル「第128回 【話題のニュース満載】2025年9月 学長が選ぶ『お得』『トレンド』お金のニュース Best7【トレンド】」を基に作成しています。
結論から。
今は株式が割高水準にあり、アクセルの踏みすぎは危険。だからといって一括で債券に逃げるのではなく、自分のリスク許容度内で資産配分を整え、積み立てと現金比率の点検を先にやること。
合わせて、AI副業詐欺や家賃の強引な値上げなど、家計を直撃する実務的な落とし穴にも要注意。NISAの制度見直しはチャンスだが、本質は長期・低コストの継続投資。老後設計はインフレと実質リターンを前提に、必要貯蓄率をクリアするのが王道です。
項目 | 何が起きたか | 重要数字・具体例 | 取るべき行動 |
---|---|---|---|
1. バンガード提言 | 今後10年は株より債券が有利との見立て | 米株年3.3~5.3%、債券年4~5%想定。バフェット指数200%前後、シラーPERは歴史的高水準 | 他人の予測に賭けない。自分の許容度内で配分点検、現金比率の確認を今やる |
2. AI副業詐欺 | SNS広告→LINE誘導→教材代→高額サポートの定番手口 | 40代看護師が約200万円を借りて振込、連絡途絶 | 月額3000円・買切3万円ルールを上限目安に。高額前払いは避け、学習は行動と時間で積み上げる |
3. 過僑の商売術 | 起業が少ない日本は成功余地が大きい | まず固定費を持たない。月次赤字を厳禁。副業営業に成功報酬で外注など | 小さく始めて確実な利益。月次黒字化→融資→拡大の順を崩さない |
4. 貯蓄のリアル | 投資の有無・固定費次第で差が拡大 | 単身25歳で貯蓄900万円の例、一方でローン700万円で債務超過懸念例も | 家・車・保険・通信の固定費見直しと新NISA活用で長期運用 |
5. NISA改正方針 | 全世代型へ。未成年口座・対象商品拡充・スイッチング緩和の要望 | 子に年110万円×15年・年5%で約2400万円 | 未成年口座は教育に有効。対象拡充は玉石混交、低コスト指数に絞る |
6. 家賃値上げ | 相談件数が倍増傾向。相場高騰が背景 | 2020年度326件→2024年度662件 | 普通借家は合意なければ変更不可。根拠薄い値上げは拒否し、従前家賃を支払い続ける |
7. 老後の貯蓄率 | 株高前提・支出減前提は危険。実質で考える | 実質年5%なら貯蓄率約12%で現役水準を維持の目安。実質0.9%の30年も歴史上あり | 実質リターンは控えめ想定。貯蓄率を死守、長く働く選択肢もセットで計画 |
ここから各ニュースを初心者向けに丁寧に解説します。
1. バンガードの警告:割高相場ではリスク管理を先にやる
大手運用会社バンガードは、向こう10年の平均では株式より債券が有利と見ています。背景は米国株の割高感。シラーPERは1929年・2000年・2021年級、バフェット指数も200%前後。
とはいえ未来は不確実なので、結論は予測に乗ることではなく、自分の許容リスクに合う配分を淡々と維持すること。
ポイントは次の3つ。
- 株高で気分が良い時こそ比率点検をする
- 現金比率を下げすぎない。急落時に動けなくなるのが最悪
- インデックスは積み立て継続、個別・高配当はタイミング投資の性質を理解する
想像してみてください。株価が30%下がったら評価損は何円か、睡眠と仕事に支障が出ないか。ここで耐えられないなら、今が配分調整のときです。
2. AI副業詐欺に注意:LINE誘導と高額サポートが定番
手口はシンプルです。SNS広告で「AIで楽に稼げる」→LINE登録→少額教材→高額サポートへ誘導→借入を促す。支払った途端、連絡が途絶。学びはお金で買えません。
スキルは時間×行動×失敗の反復でしか身につかない。支出の上限目安として、月額3000円・買い切り3万円を提案。高額は、その副業で安定的に稼げるようになってからで十分です。
チェックリスト
・LINE誘導+無料モニターは高確率でNG
・Zoom面談での即決要求は拒否
・実績の検証は自分で。第三者レビューや返金条件の明記がないものは避ける
3. 過僑の商売マインド:月次黒字と固定費最小化
成功の型は普遍です。
・初期費用をかけない(オフィス・人件費・家賃は最小)
・小さくても確実な利益を積む(毎月黒字、赤字は作らない)
・キラキラ消費をしない(見栄ではなく実利に資金配分)
・何でも屋ではなく、弱点と強みを正直に提示して信用を積み上げる
実務例
・営業は休日の副業契約で成功報酬型にし、売上入金後に報酬支払い
・月次黒字が続いたら金融機関からの融資を活用して在庫・設備を拡大
4. 街頭の貯蓄実態:固定費と投資の有無がすべてを分ける
事例で学ぶポイント。
・貯蓄70万円で車ローン700万円なら、車の下取り価値次第で債務超過になり得る
・25歳単身で貯蓄900万円の例は、実家暮らしで固定費が低く、新NISAで株300万円という長期運用が寄与
・ポイ活だけでは時間単価が伸びない。固定費削減とスキル投資の方がインパクト大
やることリスト
- 家・車・保険・通信の固定費を年1回見直し
- 新NISAを使い、全世界株式やS&P500などの低コスト指数を長期保有
- 稼ぐ力を上げるため、時給換算の高い学びと実践へ振り向ける
5. NISAの全世代化へ:未成年口座とスイッチング緩和の芽
税制改正要望の主な論点は3つ。
- 未成年でも積み立て枠の口座開設を可能に
- 対象商品の拡充(毎月分配など)
- スイッチング(商品入れ替え)の規制緩和
教育としての未成年NISAは有力。
例えば、年110万円を15年、年5%で積み立てると約2400万円。
とはいえ対象拡充は玉石混交。コスト高の毎月分配は原則スルーでOK。
スイッチングが柔軟になっても、頻繁な入れ替えはトレード化しやすいので、長期・低コストの原則を崩さないのが得策です。
6. 家賃値上げの通知は、根拠が薄ければ断ってよい
相談件数は右肩上がりですが、慌てる必要はありません。
普通借家契約では、原則として双方の合意なしに条件変更はできません。
つまり、一方的な値上げ通知は、借り手が同意しなければ成立しません。従前どおりの家賃を支払い続けている限り、原則として退去を強制されることはありません。
実務対応の手順
- 文書で値上げ理由と根拠(近隣相場・設備改善・固定資産税上昇など)の提示を求める
- 合理性が乏しければ、不同意を明確に回答し、従前家賃の支払いを継続
- 合理性があると判断した場合には、条件交渉や更新条件のすり合わせを検討
マイホーム購入を検討する人も増えますが、資産としての投資用不動産と、生活を豊かにする消費としての持ち家は目的が別。混ぜないことが事故防止のコツです。
7. 老後の必要貯蓄率:実質で考え、率を死守する
危ない前提は3つ。
・今の株式リターン(名目年15%級)が続くと考えること
・インフレを無視すること
・老後支出が大幅に下がると決めつけること(近年は現役時の93~97%という研究も)
指針として、実質年5%で運用できる前提なら、60年スパンで貯蓄率約12%が目安。実質想定は保守的に置き、貯蓄率の確保を優先。日本は公的年金がある分だけ米国のモデルよりハードルは下がりますが、個人差が大きいため、家計の数字で自前シミュレーションを。
計算の基本
・貯蓄率=(手取り−支出)÷手取り
・投資は支出ではなく貯蓄に含める(積み立てNISA3万円+貯金3万円=貯蓄6万円)
まとめ:予測より設計、スピードより継続
- 相場は割高。比率点検と現金クッションの再確認を先に
- AI副業の甘い誘いはスルー。学びは月額3000円・買い切り3万円上限で十分
- ビジネスは固定費最小・月次黒字・信用重視で小さく確実に
- 固定費の年次点検と新NISAの低コスト指数で差がつく
- NISAの制度改正はプラスだが、原則は長期・分散・低コスト
- 家賃値上げは合意なければ原則不可。根拠に納得できなければ不同意でOK
- 老後は実質で考え、必要貯蓄率の確保と長く働く選択肢を組み合わせる
今日がいちばん若い日。予測ではなく設計へ。
アクセルを踏む前に、地図と燃料とブレーキの点検から始めましょう。
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