結論
- 10月7日の放送では、高市新総裁誕生を織り込んだ相場の反応として円安と株高が一気に進行。
- ドル円は週明けに約2円の窓を開けて合計約3円上昇し150円台に定着。
- 日経平均は一時4万8000円に到達。高市トレードは当面追随可能だが、内閣人事と政策の中身次第で勢いは鈍化し得るとの見立て。
- 日銀の10月利上げ観測は70%から20%前後へ低下し、円安基調を後押し。
番組の位置づけと体制
放送は3年目に突入し節目の回。Xでの同時配信を本格化。
前半は為替を井口氏、後半は株式見通しをニッセイ基礎研究所の井出真吾氏が担当。
為替パートの核心ポイント
週明けのドル円は約2円の窓開け上昇後、押し目なく150円台半ばに張り付き。
先週までの147円台レンジを明確にブレイクし新しい価格帯へ。ストップロスの連鎖とロングの利確が交錯する踏み上げ相場の色合いが強い。
高市トレードの構図
市場は事前に小泉氏当選による円高を一部織り込んでおり、結果として高市氏当選を受け円安方向へ反動。高市氏の金融政策発言は利上げのハードルを心理的に上げ、積極財政の示唆は円安・株高を追い風に。10月利上げの織り込みは一時70%近くから20%程度へ低下。
直近のテクニカル焦点
151円前後が重要分岐点。
ここを明確に突破できるかが次の上値余地を左右。当面は150から151円を中心とした新レンジ形成が想定レンジ。前回の大陰線起点付近がレジスタンスとして意識される。
トレード戦略の考え方
短期は高市トレードに素直に追随しつつ、利確と逆指値を先に設計。
ドルの利下げ観測が残るためドル自体は揉み合いになりやすい一方、ユーロ円やスイス円などクロス円は史上高値更新の流れが続きやすい。
リスクと注意点
内閣人事次第で積極財政にブレーキがかかる可能性。
麻生副総裁の影響力が強く、拡張度合いは過度に伸びにくい公算。
インフレ対策と円安加速は矛盾しやすく、政治メッセージが円安けん制へ向かう場面も想定。英国のトラスショック連想から国債市場の安定が前提条件。
参考ミニ用語
窓開けは前日終値から価格が飛ぶ現象。IMM通貨先物は海外投機筋のポジション動向。
クロス円はユーロ円など。ストップロスは損失限定の自動決済注文で、踏み上げは売り方の買い戻しによる上昇。
井出真吾氏の株式パート要点
来期業績ベースなら日経平均4万8000円は理論上説明可能。
今期ベースのPERは18倍超で割高感があるが、来期ベースでは過度ではないとの評価。TOPIXは来期予想PER約15倍で上値余地を示唆。カギは来期10〜15%の増益実現度。
4万8000円の妥当性フレーム
来期15%増益なら4万8000円を正当化、10%増益でも4万6000円近辺は説明可能。
追い風は関税の一部低下、為替の150円台シフト、米個人消費の底堅さ。
受給環境とチャート特性
4万6000〜7000円台は未踏の真空地帯で戻り待ちの売りが少ない。
上値を抑えるのは利益確定売りが中心。中間決算の上方修正の広がりが次の関門。
政治と人事の影響度
内閣人事が最大注目。派閥色の濃い起用や不祥事議員の登用は与野党協調を損ね政策実行力への不信につながる。財務相人事は市場のセンチメントを大きく左右し、短期の株高ブーストとその後の失望の両面リスクをはらむ。
米関税と日米関係の文脈
対米80兆円投資は四半期ごとにチェックされ、進捗不十分なら関税再引き上げリスク。対中デカップリングを強める米国に日本が寄り添う体制が続くとの見方が海外マネー流入の一因。
今週のイベントと着眼点
FOMC議事要旨とパウエル発言はサプライズになりにくい見通し。最大材料は内閣人事と高市トレードの鮮度。為替は150〜151円帯の滞留が続けば新レンジ確立の公算。
数値で振り返るサマリー表
テーマ | 主な数値・水準 |
---|---|
ドル円の週明けギャップ | 約2円の窓開け、合計約3円上昇で150円台へ |
重要節目 | 151円前後が分岐、150〜151円で新レンジ観測 |
日銀利上げ確率 | 10月会合は約70%から約20%へ、年内は50%割れ、翌年1月は約80% |
日経平均 | 一時4万8000円台、来期15%増益で妥当化、10%増益なら4万6000円近辺 |
TOPIX PER | 来期予想ベースで約15倍 |
初心者向けアクション
勢いに乗るときも出口戦略を先に決める。
ドル円は150〜151円の攻防を見ながら段階的エントリーと利確、逆指値の徹底。ドルの揉み合い時はクロス円のトレンド継続性に注目。株は中間決算の上方修正の度合いと人事の顔ぶれが上値追い継続の条件。来期増益率10〜15%の現実味を企業ごとに点検する。
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