2025年10月の投資トピック総まとめ 日本株5万2000円・米FOMC利下げ・ゴールド最高値の意味とインデックス/高配当の戦略

このブログは「第264回 【超重要】株式投資に役立つ10月の投資トピック総まとめ【インデックス・高配当】【株式投資編】」という元動画のタイトルを基に記事を書いています。以下は初心者でも理解できるように、できる限り内容を削らず詳しく整理したものです。

目次

結論(先に要点だけ)

2025年10月は、日本株が歴史的水準に到達しつつも実体経済にはばらつきが残り、海外ではFOMCが0.25%利下げ、ゴールドは年初来で大幅高という、資産クラスごとの強弱がはっきり出た月だった。

インデックス投資は予想せずに継続が最適解。

米国高配当株は利回り面で妙味が薄く、バーゲン待ちのスタンスが妥当。

日本の高配当株は銘柄数が減少し選別がより重要に。債券は「最高の仕込み場」は過ぎたが、金利低下の恩恵を狙える余地は残る。個人の生活感は実質賃金マイナスが続き厳しいため、投資と収入増を並行して進めることが必要だ。

日本の経済状況の総点検

株価指数の動きと「インチ指数」問題

2025年10月末時点の代表指数は次の通り。日経平均は5万2411円で年初来33.34%高、TOPIXは3332で20.88%高。10月単月では日経平均が16.64%上昇、TOPIXは6.19%上昇、REITは2.57%上昇、グロース250は3.49%下落。


特に注目は、日経平均がファーストリテイリングやソフトバンクグループなど値がさ株の影響を強く受ける点。

構成上、一部の大型値がさが上がると大勢が下がっていても指数が上がるため、個人の体感と乖離しやすい。

日本株の「地力」を測るなら、時価総額加重のTOPIXのほうが実態に近い。学ぶべき教訓は、見出しの派手さだけで投資判断をしないことだ。

景気の雰囲気を測る6指標

政府の月例経済報告は「緩やかに回復」。

一致指数はこの2カ月連続で低下し、この数年横ばい。先行指数は長期下落トレンドの中、直近4カ月は改善の兆し。景気ウォッチャー現状判断は47.1で50未満、先行きも50未満ながら持ち直しの表現。

コアCPIは前年同月比2.9%、電気・ガス補助縮小の反動で伸び率拡大。実質賃金は8カ月連続マイナスで前年比マイナス1.4%。完全失業率は2.6%、有効求人倍率1.2倍で雇用は悪くないが、賃上げが追いつかず家計は苦しい。


要するに、株価と企業業績は強い一方、個人の体感景気はインフレの重しで改善が遅い。投資でインフレに対抗する重要性が、数字で裏づけられている。

10月の国内トピックス三本柱

1つ目は新政権誕生。10月4日の総裁選を経て女性初の自民党総裁が誕生し、翌営業日から株高・円安・長期金利上昇のいわゆる「トレード」が顕在化。その後も日経平均は5万円を突破し5万2000円へ。政策期待が市場を押し上げた格好だ。


2つ目は連立の組み替え。10月10日に公明党が離脱を表明し一時リスクオフが広がったが、20日に日本維新の会が連立へ。もっとも、衆参ともに少数与党で、法案運営は他党との調整が不可避。経済政策の具体化にはなお不確実性がある。


3つ目は日銀の据え置き。10月30日の決定会合で短期金利の事実上の上限0.5%を維持。直近で利上げを匂わせるトーンも目立たず、金利の次の一手は12月へ持ち越し。金利は資産価格と家計の双方に直結するため、次会合までの情報アップデートが重要になる。

海外の経済状況の総点検

株価の地合いは「全世界株高」

G7の年初来はイタリア、カナダ、日本、ドイツ、イギリス、米国、フランスの順で堅調。

米国主要指数も最高値更新が相次いだ。新興国を含む全世界で株高が広がっており、「米国だけが強い」という単純図式では語れない月だった。

ゴールドと債券:安全資産の顔とボラティリティ

ゴールドは年初来で約50%高と最高値圏。ただし直近はピークアウト感も出てきた。国家財政や地政学リスクが追い風だが、値動きは意外に荒い。安全資産=値下がりしない、ではない点を理解したい。


債券は、米10年金利が9月末の4.15%から10月末にかけて4.07%へ小幅低下。価格は逆に上昇し、AGGは年初来3.76%、利回り3.79%、LQDは4.11%、利回り4.29%、HYGは2.73%、利回り5.68%。最高の仕込み場は過ぎつつあるが、今後も金利低下が続くなら価格上昇と利息の両取りの余地は残る。

インカム系ETFの現在地

VYMが年初来約10.18%、HDVが6.23%、SPYDがマイナス1.55%(価格ベース)。AI関連の比重が大きいS&P500に対し、高配当ETFはハイテク比率が低く、成績が見劣り。分配利回りも過去平均や債券と比べて魅力が薄れ、焦って買う局面ではない。

海外トピックス

10月29日のFOMCは0.25%の利下げで誘導目標は3.75〜4.00%へ。もっとも米政府機関の一部閉鎖により重要統計の発表が遅延し、データ不足の中での判断だった。議長は次回以降の連続利下げを確約しておらず、先読みしすぎない姿勢が求められる。

インデックス投資と高配当投資への影響

インデックス投資

暴落回避ではなく「暴落と付き合う」発想が有効だった月。4月の急落から年初来プラス33%まで戻った日本株の流れが示すのは、稲妻の輝く数日を逃さないことの重要性だ。タイミング当ては不要で、むしろ長期での一貫性が武器になる。

米国高配当株

利回りが過去平均より低く、債券利回りにも見劣り。無理に買い増すより、割安と高利回りが同時に来る「バーゲン」を待つのが理にかなう。

日本の高配当株

スクリーニングに合致する銘柄は707社とまだ多いが、ピークからは約300社減少。日経平均が最高値圏にある割に「残っている」印象はあるものの、PER上昇・配当性向上昇で、値上がりも増配も以前ほどは期待しにくい。結論は、丁寧な個別分析とエントリーのタイミングが従来以上に重要ということだ。

初心者が押さえるべき数字と意味(簡易表)

テーマ直近の数字や事実投資への示唆
日経平均5万2411円、年初来+33.34%見出しは派手でもTOPIXで地力確認
TOPIX3332、年初来+20.88%実態把握はTOPIX中心に
実質賃金8カ月連続マイナス、前年比−1.4%家計は苦しい、投資と収入増が必須
失業率/求人倍率2.6%/1.2倍雇用は悪くない、賃上げが鍵
ゴールド年初来+50%、最高値圏ボラ高い、安全=無風ではない
米10年金利4.15%→4.07%金利低下は債券価格の追い風
FOMC0.25%利下げ、3.75〜4.00%連続利下げは不確実、先読みしすぎ注意

歴史的背景を一口で

株式市場は常に政策・金利・企業収益の三位一体で動く。

90年代の日本や2010年代の米国を見ると、金融政策の方向転換は資産価格に強いインパクトを与えるが、最終的な持続力は企業収益が決める。今回も新政権の政策期待と日銀・FOMCの舵取り、そして決算の強弱が相場の寿命を左右する。

学長のスタンスと実務アクション

スタンスは、インデックス運用(iDeCoやNISAで全世界やS&P500)を粛々と継続。米国高配当株は見送り、より妙味ある利回りを待つ。日本の高配当株は選別とタイミング重視。債券はピーク妙味から一段落だが、金利低下基調が続けば「利息+価格上昇」の両取り余地は残る。


実務的には、毎月の積立額・配分比率・想定ドローダウンを見直し、家計は固定費の最適化でインフレに対抗する。投資口座と生活口座を分け、感情を切り離す仕組みを整えることが、継続の最大のコツだ。

よくある疑問に答える短問集

今からでも日本株のインデックスを積み立てるべきか

長期の積立は常にスタートが最善。高値圏という不安は分散と時間で薄まる。怖ければ開始直後の数カ月は金額を抑えるのも有効。

ゴールドは買いか

最高値圏での一括はボラを食らいやすい。長期の価値保全が目的なら、ポートフォリオの一部に少額・時間分散で組み入れる選択肢。

債券は遅いか

金利ピークアウトからの「最高の仕込み場」は通過感。ただ、金利が緩やかに低下するなら保有メリットは残る。期間リスクの取り方で調整を。

用語の超やさしいミニ解説

インデックス投資は市場平均を買う方法。高配当投資は配当の高い企業を選ぶ方法。CPIは物価の上昇率。実質賃金は賃金から物価上昇を差し引いた実力値。FOMCは米国の金融政策会議。日銀の金融政策決定会合は日本版。どちらも金利の方向性を決める場所だ。

まとめ

2025年10月は、日本株の大台突破、連立再編、日銀据え置き、米FOMC利下げ、ゴールド最高値と、材料が矢継ぎ早に出た月だった。

だが、長期投資家の基本は変わらない。インデックスは予想せず継続。高配当は選別とタイミング。債券は金利次第で妙味を拾う。生活実感の厳しさは数字が示すとおりで、投資と収入増を同時に進める発想が欠かせない。未来は誰にも読めないが、毎月の定点観測と仕組み化された積立が、長期の成果を最も確実にしてくれる。

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