このブログは「【英国経済】ロンドン平均家賃55万円!最近の家賃相場アップデート!」という元動画のタイトルを基に記事を書いています。初心者にも分かるように、動画内容をできるだけ削らず、数字と具体例を多く使って整理しました。
結論
2025年第3四半期時点で、ロンドンの平均家賃は月2736ポンド、円換算で約55万円となった。
ポンド建てでは2023年第1四半期の2500ポンドから約2年半で9.4パーセント上昇したが、最新の前年同期比はプラス1.6パーセントと伸びの鈍化が鮮明。背景には増税による住宅取得の減速と、賃貸市場への供給増(賃貸可能物件数は前年比9パーセント増、新築賃貸は1パーセント増)がある。
一方で、ワンベッドルームは中心部で月2113ポンド、郊外では1000ポンド未満の地域もあり、場所と住み方次第で支出は大きく変わる。
家賃を抑える現実解は、都心から距離を取る、リノベ済みの古い物件を狙う、ルームシェアを活用するなど。ただし、水回りやネズミなど日本基準では想定外の課題も多く、家賃55万円でも「普通」レベルという割り切りが必要である。
ロンドン家賃相場の最新全体像
平均家賃と上昇ペース
2025年Q3の平均家賃は月2736ポンド。円換算で約55万円であり、2年前に話題だった「平均42万円」から円ベースでは約13万円上がっている。為替要因に加えて、相場そのものも上昇している。
直近の伸び鈍化
前年同期比はプラス1.6パーセント。イギリスの慣行では家賃は基本的に毎年上がるため、1パーセント台は実質横ばいに近い。コロナ禍真っ只中の2020年Q2以来の低い伸びで、市場の過熱感は一服している。
伸び鈍化の主因は何か
住宅取得時の印紙税引き上げ
政府が2024年10月に住宅購入時の印紙税を引き上げた。これにより購入需要が抑制され、価格上昇が鈍化。購入を見送る層が増える一方で、賃貸市場では供給が増えやすくなり、賃料の伸びを抑える方向に作用している。
賃貸在庫の増加
ライトムーブの集計では、賃貸可能な住宅数は前年比9パーセント増。新築賃貸の増加は1パーセントと限定的だが、総供給の厚みは確実に増している。
人口・移民動向
2021年以降、香港やウクライナからの移民増で需給が逼迫していたが、移民流入は2022年をピークにやや落ち着いた。ただ依然として高水準の需要は続いており、需給は緩んだとはいえタイトな部類にある。
間取り・立地別の実勢レンジ
ワンベッドルームの相場感
ワンベッドルームは月1500〜1600ポンドが目安。円換算で約30万円前後。
中心部のプレミアム
ウェストミンスターのワンベッドルーム平均は月2113ポンド。円換算で40万円超。立地プレミアムが家賃を強く押し上げる。
郊外の選択肢
中心部から離れた地域では1000ポンド未満のところもある。円換算で20万円程度。ただし通勤時間、安全性、生活利便性とのトレードオフが大きい。
ロンドンの賃貸で日本と違う常識
古い物件=悪い、は成り立たない
築100年級が普通に存在し、内装が全面リノベ済みなら築浅より快適なケースもある。築年数だけで判断せず、内装・配管・断熱・窓の更新履歴を見ることが重要。
新築でも未完成入居が珍しくない
エレベーター未稼働、家具未設置、共用設備の遅延など、日本では考えにくい「使いながら完成させる」運用に遭遇しやすい。入居前確認と引き渡しチェックリストが必須。
水回り・給湯のクセ
タンクに溜めた湯を使うシステムが残っている物件は、使い切ると長時間お湯が出ないことも。シャワー水圧、ボイラー年式、定期点検記録を内見時に確認したい。
ネズミ問題の頻度
古い建物は隙間が多く、ペストコントロールを入れても再発することがある。配管・床下の封鎖状況、近隣のゴミ出しルール、過去の対応履歴を質問しておく。
家賃を抑える現実的テクニック
立地をずらす
ゾーンを外しても、駅力が強い路線沿いなら生活の質は保ちやすい。乗り換え一回で都心に出られるラインが狙い目。
リノベ済みの古建物を狙う
築古でも内装総入れ替えで設備が一新されている物件は、コスパがよいことがある。断熱・窓・ボイラー更新の有無で冬の快適性と光熱費が大きく変わる。
ルームシェアを賢く使う
専用のマッチングサイトが発達しており、人脈がなくても相手を探せる。シェア契約では、家賃の按分方法、共益費・光熱費・清掃の分担、契約者の名義、退去ルールを書面で明確化しておく。
物件の安全性を優先
家賃が安いほど治安や建物管理が弱いケースが増える。夜間の周辺環境、建物の出入口管理、共用部の監視、玄関ドアの仕様を現地で確認する。
数字でつかむロンドン賃貸の今
| 指標 | 金額・変化 | メモ |
|---|---|---|
| 平均家賃(2025年Q3) | 2736ポンド/月(約55万円) | 全タイプの単純平均 |
| 2年半の上昇率 | プラス9.4パーセント | 2023年Q1の2500ポンド→2736ポンド |
| 前年同期比 | プラス1.6パーセント | コロナ禍の2020年Q2以来の低伸び |
| 賃貸可能物件数 | 前年比プラス9パーセント | 供給増で過熱が緩和 |
| 新築賃貸 | 前年比プラス1パーセント | 新築だけでは不足 |
| 1ベッド平均 | 1500〜1600ポンド | 約30万円前後 |
| 1ベッド(ウェストミンスター) | 2113ポンド | 約40万円超 |
| 郊外の低価格帯 | 1000ポンド未満の地域あり | 約20万円前後 |
※円換算は動画中の目安に合わせた概算。為替により実額は変動する。
渡航前に準備しておくべきこと
生活費の試算
家賃だけでなく、デポジット、仲介手数料、カウンシルタックス、光熱費、交通費、通信費を合算して月次キャッシュフローを組む。平均家賃55万円の街では、単身でも月合計が容易に70万円を超える可能性がある。
内見のチェック項目
水圧とお湯の連続使用テスト、窓の気密、カビ・結露跡、ペストの兆候、共用部の清掃頻度、ゴミ置き場の管理、騒音源の確認。写真だけで判断しない。
契約の確認
ブレイククローズ(中途解約条項)の有無と条件、賃料改定のタイミング、修繕責任の範囲、入居前のスナッグリスト作成、退去時の原状回復基準を文書化する。
今後の見通し
短期的には、購入減速と賃貸供給の増加が家賃上昇を抑える方向に働きやすい。
一方で、ロンドン特有の恒常的な需要(雇用・教育・移民)と建築の遅れ、インフラの制約がある限り、長期での家賃下落トレンドを想定するのは難しい。伸び率が落ちても高止まりが続くのが基本シナリオとなる。
まとめ
ロンドンの平均家賃は2025年Q3で月2736ポンド、円換算で約55万円。
ポンド建てでは2年半で9.4パーセント上昇したが、直近の前年比は1.6パーセントと鈍化。
増税で購入が鈍り、賃貸在庫が増えたことが直近の伸び抑制に効いている。実務面では、中心部のワンベッドで月2113ポンド、郊外なら1000ポンド未満の地域もあり、立地と住み方で総額は大きく変わる。
家賃を抑えるためには、都心から距離を取る、リノベ済み古物件を狙う、ルームシェアを活用するのが現実的。ただし水回りの仕様やネズミ問題など、日本では想定しにくい課題があり、家賃が高くても「普通」レベルに留まることが多い。
数字と現地の常識を理解し、内見と契約のチェックを徹底することが、ロンドン賃貸で失敗しないための最善策である。


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