結論:11月は銘柄数こそ少ないが“実用性の高い優待+堅実配当”が狙い目。
11月は12月と比べると優待銘柄は少なめですが、実需系のクオカードや店舗割引、ホテル優待など家計に効く優待が目立ちます。
アスクルや象印などは20日権利で締切が早く、アステナやラクトジャパンは長期保有条件の有無や取り方にコツがあります。
動画の要点は、利回りの数字だけで飛びつかず、配当の継続性や業績トレンド、優待の使い勝手を総合評価して選ぶこと。以下、10銘柄のポイントを具体的な数字とともに整理します。
タマホーム(1419)
優待と配当のバランスが整い、総合リターンを狙いやすい
直近で優待が拡充され、年2回だった優待が再編されて11月権利に一本化。
金額は2000円相当、長期保有で4000円相当にステップアップします。配当は動画時点で約5.4%と高水準。もともと優待は500円×年2回=1000円相当だったので、拡充の恩恵は大きいといえます。
株価は高値からの調整で横ばい傾向。優待+高配当の「継続保有」で総合リターンを取りにいく設計がしやすい印象です。
注意点として、動画内で触れられた196円の期末配当見込みは11月権利に直接は乗らない点に気をつけましょう。
ビレッジヴァンガード(2769)
優待利回りが突出。業績は厳しくても「優待パワー」で株価は横ばいが続きやすい
年1万円相当の買物優待券(1000円につき200円券を使用)が魅力。
継続で1年1万1000円、2年で1万2000円へと増額され、優待利回りは9.7%前後、最大で12%近くに達します。
業績自体は厳しめで配当も無配が長いですが、優待内容が変わらない限り株価が大きく動きにくい特徴がある、と動画では指摘。
福袋などの使い道は好みが分かれるものの、書籍や雑貨など日常使いも可能。優待制度の維持が大前提の銘柄です。
トーセイ(8923)
不動産・ホテル事業で増配が続く堅実株。宿泊割引と長期クオカードが魅力
増配修正が目立つ好調銘柄。配当は約3.1%、業績も過去最高をさらに上振れ予想とされ、株価は上昇後に押し目が出つつも割安感ありとの見立て。
優待は自社ホテルの宿泊割引券に加え、1年以上でクオカード1000円、2年で2000円、5年で3000円へ段階的に増額。
優待+配当の総合利回りは約4%前後を確保でき、長期インカム設計に合います。2026年11月からの株式分割(分割後は200株基準)にも言及があり、制度面の変更点は事前確認を。
アスクル(2678)
20日権利に注意。ロハコの割引クーポンは工夫次第で高効率
直近トラブルの影響で株価は安めの水準に沈んだ局面があり、配当は約2.6%。
優待はロハコで使える割引クーポン2000円相当を年2回。
ここがポイントで、11月・5月ともに権利日は月末ではなく20日。複数商品への適用や送料無料条件などの運用ルールがあるため、商品単価を500円台に分散して注文したり、家族名義で二口分をまとめるなどの工夫で実質負担を抑えられます。日用品・食品のまとめ買いと相性が良く、家計貢献度が高い優待です。
FPパートナー(7388)
優待は極めて太いが、配当性向や業績トレンドの慎重確認が必須
保険代理店大手。過去の不祥事で株価は高値から大きく調整し、直近配当は約4%。最大の魅力は年2回、各3000円分のクオカード、合計6000円相当という突出した優待。
総合利回りでは6%台半ばに達します。
ただし、配当性向が100%超見込みなど持続性の懸念が動画で示されており、「高すぎる優待は改定リスクの裏返し」との視点は忘れずに。取得はリスク許容度と相談し、最新の業績・開示を必ず確認しましょう。
アステナホールディングス(8095)
500株必要だが中身は選べる実用派カタログ。長期条件の“取り方”にテクニック
医薬・受託関連。
株価は買いやすい水準で配当は約4%。優待は自社化粧品や食品などを選べるカタログ形式だが、権利には500株が必要で投資額は20万円超に。
動画では、長期保有要件の扱いに“事前に100株だけ保有し、権利直前に追加で400株を乗せる”といった取り方が可能だった記憶が紹介されました(必ず最新の制度とIRで確認が必要)。制度理解と資金配分を丁寧に組み立てると費用対効果が高まります。
日本ホテルレジデンシャル投資法人(旧・大江戸温泉リート)
リートで配当約5.7%の高水準。アパホテル優待ポイントは実需性が高い
ホテル系リート。分配金利回りは約5.7%と高めで、長期保有のインカム源として有力。
珍しく優待も用意され、アパホテルで使える優待ポイント500円相当を5月・11月の年2回。口数に応じて加算され、他の割引と重複利用可能な実用性の高さがポイント。ホテル利用が多い人ほど“現金同等性”に近い使い勝手になります。
ラクト・ジャパン(3139)
食品商社の堅実配当に、2年継続条件付きの3000円カタログが乗る
配当は約3.7%。足元の数字は弱含みも、通期では上方寄りの見通しと紹介。
優待はオリジナルカタログギフト3000円相当だが、2年継続保有が条件。長期条件は“優待の継続可能性”を高めやすい設計で、制度持続という観点からはプラス。
配当と合わせた総合利回りは十分競争力があります。
象印マホービン(7965)
20日権利。自社製品の特別割引は人を選ぶが、分かる人には刺さる
配当は直近の増配で約3.8%に上昇。配当性向はやや高く、持続性は精査が必要。
株主優待は自社商品の特別割引と優待販売。定価ベースの割引額は1000〜2000円程度でも、優待販売価格が市況相場より有利であれば効果は大きくなります。
家電系の買い替え予定がある家庭ほどメリットが出る設計。アスクル同様に11月20日権利で締切が早い点に注意。
北恵(9872)
低位で取りやすい建材商社。配当約3%+クオカードで安定志向
株価は1000円未満のゾーンで手を出しやすく、PER・PBRともに割安感があるとの印象。
配当は約3%。優待はクオカード500円相当からで、保有数に応じて増額。一定水準以上ではカタログギフトへ移行するコースもあり、家計の小回りを利かせやすい実用品優待です。11月は20日権利の銘柄が多いのでスケジュール管理を。
11月優待の攻略ポイント
20日権利に間に合わせる
アスクル、象印、ほか一部銘柄は11月20日が権利日です。月末だと思い込むと取り逃します。逆算して約定日・受渡日を確認し、ブローカーの締切時刻も事前にチェックしておきましょう。
長期認定のルールを必ず最新IRで確認
アステナやラクト・ジャパンのように、継続保有で優待内容がグレードアップする銘柄は、証券会社の貸株サービス利用や名義変更、端株の取り扱い次第で“長期カウント”が途切れるケースがあります。テクニカルな取り方をする場合ほど、会社IRの但し書きを熟読することが重要です。
利回りは「配当+優待」の実現性で見る
FPパートナーのように優待が極端に手厚い銘柄は、見た目の総合利回りが高くても制度改定リスクが相対的に高いことがあります。配当の原資(利益水準、配当性向)と優待コストのバランスを、直近決算や通期計画で点検しましょう。
10銘柄の早見表(動画内容に基づく要点の整理)
| 銘柄名 | 証券コード | 主な優待 | 権利時期の注意 | 配当・総合利回りの目安 | 補足ポイント |
|---|---|---|---|---|---|
| タマホーム | 1419 | 2000円相当、長期で4000円へ | 11月権利 | 配当約5.4%+優待 | 優待拡充で総合リターン向上、継続保有で妙味 |
| ビレッジヴァンガード | 2769 | 買物優待券1万円、長期で最大1.2万円 | 11月権利 | 優待利回り9.7〜12% | 業績は厳しめだが優待継続が株価のカギ |
| トーセイ | 8923 | 宿泊割引、長期でクオカ最大3000円 | 11月権利 | 配当約3.1%+優待 | 増配傾向、2026年11月に分割予定に言及 |
| アスクル | 2678 | ロハコ割引2000円×年2回 | 5月・11月とも20日権利 | 配当約2.6%+優待 | 使い方次第で実質負担を圧縮可能 |
| FPパートナー | 7388 | クオカ3000円×年2回 | 11月権利 | 配当約4%、総合約6.6% | 高優待は改定リスクに注意、業績精査必須 |
| アステナHD | 8095 | 500株で自社品・食品など選択 | 11月権利 | 配当約4%+優待 | 長期条件と株数要件を事前に設計 |
| 日本ホテルレジデンシャル投資法人 | アパホテル優待ポイント500円×年2回 | 5月・11月権利 | 分配約5.7%+優待 | リートでは珍しい実用優待、長期インカム向き | |
| ラクト・ジャパン | 3139 | カタログ3000円(2年継続) | 11月権利 | 配当約3.7%+優待 | 継続条件で優待の持続性に配慮 |
| 象印マホービン | 7965 | 自社製品特別割引・優待販売 | 11月20日権利 | 配当約3.8%+優待 | 買替予定がある家庭ほど恩恵、配当性向は確認 |
| 北恵 | 9872 | クオカ500円〜、上位はカタログへ | 11月権利 | 配当約3%+優待 | 低位で取りやすい、安定志向向け |
注記:記号空欄の証券コードや利回りは、動画中で明確に触れられていない箇所を省略・概略化しています。実際に投資する際は上場先、コード、直近利回り・制度を必ず一次情報で確認してください。
11月の戦い方と12月への布石
11月は20日権利の早どり運用と、長期条件を意識した“先回り保有”が要。
優待実需が高い銘柄を核に据えつつ、配当の持続性と業績の底堅さを重視して組み合わせるのが基本戦略です。
動画でも触れられていたように、12月は外食や日用品など大型有名どころが並ぶ最激戦月。長期条件が増えているため、今から仕込み始めないと永遠に届かないケースもあります。インフレ下では“使える優待+続く配当”を積み上げ、家計のキャッシュフロー改善につなげましょう。
まとめ
11月は銘柄数が少ないぶん、1銘柄あたりの制度や使い勝手を深く理解できる月です。
アスクルや象印の20日権利、アステナ・ラクトの長期条件、FPパートナーの持続性チェックなど、ポイントを押さえれば実利の高いポートフォリオを組めます。
利回りの数字に惑わされず、配当原資と優待コストのバランス、そしてあなたの生活導線に合うかどうかで最終判断を。12月の大混雑に備え、11月から地に足のついた仕込みを始めましょう。


コメント