【米国株 11/18】世界的リスクオフが始まった?今の相場環境と個人投資家の向き合い方

このブログは、YouTube動画「【米国株 11/18】待っていた世界的リスクオフが来ています。」の内容を基に作成しています。動画で語られている最新のマーケット状況を、初心者にも分かりやすい形で整理し直し、長期投資家が冷静に判断できるようにまとめた記事です。


目次

結論:今は「本格暴落」ではなく、典型的な調整+リスクオフの入り口段階

まず最初に結論をシンプルに整理します。

現在の米国株市場は、主要指数が50日移動平均線を割り込み、ビットコインも年初来プラスを失うなど、明らかにリスクオフ相場に入っています。

ただし、S&P500の下落幅は直近高値から約4.8%と、歴史的に見れば「ごく普通に起こる調整」の範囲内です。

  • VIXは20台前半で「不安」は高まっているが、まだ本当の「恐怖ゾーン」とはいえないレベル
  • 長期金利(米10年債利回り)はほとんど下がっておらず、「株から逃げて債券へ大移動」という局面にはなっていない
  • プットコールレシオやブル・ベア指数を見ても、「悲観一色」と呼べるところまでは来ていない

つまり、今は
「世界的リスクオフが始まりつつあるが、まだ相場の大底を付けるような“総悲観”には到達していない」
そんな中途半端で難しい局面にある、というのが現状です。

長期投資家にとっては、

  • 慌てて全売却する局面ではない
  • かといって全力買い向かいする場面でもない
  • キャッシュを厚めに持ちつつ、自分のルールに沿ってコツコツ拾う準備をする

この「中庸の態度」が最も合理的だと考えられます。

ここからは、この結論に至る背景を、データと具体例を交えながら詳しく解説していきます。


2025年11月、米国株市場で今何が起きているのか

主要指数がそろって50日移動平均線割れ

動画の冒頭で指摘されている通り、ダウ平均・S&P500・ナスダックなど主要株価指数が、そろって4月以来初めて50日移動平均線を下回りました。

50日移動平均線は、短期〜中期のトレンドを測るうえで、多くの機関投資家が注目するラインです。

ここを一斉に割り込んで終えたということは、テクニカル的には

  • 「押し目」ではなく、「調整相場入り」のサイン
  • 短期トレンドが上昇から「怪しい」状態に変わった

と受け取る市場参加者が一気に増えたことを意味します。

実際の値動きとしても、

  • ダウ平均:約1.2%下落(500ドル安程度)
  • S&P500:約0.9%下落
  • ナスダック総合・ナスダック100:いずれも0.8%前後の下落
  • 小型株指数ラッセル2000:2%安と特に弱い

というように、景気敏感株・中小型株ほど大きく売られています。
これは典型的な「リスクオフ」の値動きです。

出来高増加と「ディストリビューション・デー」の蓄積

S&P500の出来高は増加しており、「上昇ではなく下落日に出来高が膨らんでいる」という点が重要です。

マーケットを分析する際に有名なIBD(Investors Business Daily)の指標では、最近のS&P500には「ディストリビューション・デー」が7回、ナスダックに4回出ていると紹介されています。

ディストリビューション・デーとは、
・指数がある程度の下落(例えば0.2〜0.25%以上)
・かつ出来高が前日より増えている日

これが一定回数たまると「機関投資家が静かに売り抜けている兆候」とみなされ、

・上昇トレンドの終わり
・本格調整への入り口

として警戒されます。


ビットコイン急落と「ベアマーケット入り」

株だけではなく、仮想通貨市場にも大きな動きが出ています。

ビットコインは、

  • 先月つけた史上最高値 12万6000ドル超から25%以上急落
  • 9万2000ドルを割り込み
  • ついには9万ドル割れとなり、年初来パフォーマンスもマイナス転落
  • 長期上昇トレンドラインも割り込んだ

ということで、「完全にベアマーケット入り」と解説されています。

ビットコインは「リスク資産の中のリスク資産」ともいわれる存在で、景気や株式市場が楽観モードのときには、資金が一斉に流れ込みます。逆にリスクオフになると、真っ先に売られがちな資産です。

今回も典型的なパターンで、

  1. AIブームとともにビットコインも短期間で急騰
  2. その反動で短期的に25%以上の急落
  3. さらに長期トレンドも割り込み、「単なる調整」ではなく「ベア局面」入り

という、リスクオフの教科書のような動きになっています。

恐怖はまだ足りない?VIX・金利・プットコールレシオで読む相場心理

相場の本当の大底は、「悲観一色」「もう株なんて二度とやらない」という声が強くなったタイミングで訪れることが多いです。


その「悲観の濃さ」を測るために、動画ではいくつかの代表的な指標が紹介されています。

VIX指数:不安は高まっているが、まだ「パニック」ではない

恐怖指数として有名なVIXは、一時23を超えました。
一般に、

  • VIXが20前後:やや不安〜通常より不安が高い状態
  • 30〜35:本格的に恐怖が高まってきた水準
  • 40以上:パニック的な売り、クラッシュに近い局面

という目安で見られます。

今回の23という水準は、

  • 「不安」はたしかに高まっている
  • しかし「本当の恐怖」にはまだ距離がある

という中途半端な位置です。

動画内でも語られている通り、「相場が本当に底打ちしやすいパターン」は、

  1. 米10年債利回りが大きく低下する(株から逃げた資金が債券に殺到)
  2. VIXが30〜40まで急騰したあと、ゆっくりと下がり始める

このコンビネーションが出たときが多い、と説明されています。
現時点では、そのどちらも十分には起きていません。

米10年債利回り:ほぼ無反応

通常、投資家が株から逃げて安全資産である国債に殺到すると、米10年債利回りは「ドスン」と下がります。

しかし、今回のリスクオフでは、米10年債利回りは「1ベーシスポイント程度の低下」で、ほぼ無反応と言って良いレベルです。

これは、

  • 「株が怖いから全部債券に逃げる」というほどのパニックにはなっていない
  • むしろ「行き場のない資金」が中途半端に市場に滞留している

という、やや不気味な状態ともいえます。

プットコールレシオ:まだ「恐怖買い」水準ではない

オプション市場のセンチメントを表す代表的な指標が、プットコールレシオです。

・現在の値:0.83
・IBDの目安:1.15を超えると「かなりの警戒シグナル」

まだこの1.15には遠く、
「ヘッジのプットをみんなが買いまくっている」という状況ではありません。

ブル・ベア指数:強気優勢で、総悲観にはほど遠い

投資家の強気・弱気の割合を示すブル・ベア指数でも、依然として「強気」が「弱気」を大きく上回っています。

真の大底では、

  • 弱気派が強気派を大きく上回る
  • ニュースやSNSが「株なんてもう終わりだ」という雰囲気になる

ことが多いですが、今はまだその手前段階です。


今回の下落は歴史的に見てどのくらいの規模なのか

動画では、S&P500の「下落頻度」についても具体的なデータが紹介されています。

  • 直近高値から現在までの下落率:約4.8%
  • 歴史的平均では
  • 年7回以上:高値から3%以上の下落
  • 年3回以上:5%程度の調整
  • 年1回程度:10%の調整(いわゆる「調整局面」)
  • 15%クラスの大きな調整:平均1年半に1回
  • 20%以上のベアマーケット:平均3年に1回

これを見ると、現在の4.8%下落は、「年に3回は普通に起きる5%調整の一歩手前」に過ぎません。

つまり、

・チャートだけ見ると、かなり怖く見える
・ニュースも悲観的なトーンが増えてきている
・しかし、冷静な長期統計で見れば「よくあるイベント」の範囲内

ということになります。

ここで大事なのがメンタルです。

ベアマーケットでよくある「ブル相場の罠」

動画では、「ベアマーケットの典型的なパターン」として、

・大きく下がった直後に、急騰する
・投資家が「やっぱり底だったんだ」と思って飛びつく
・すぐにそこからまた下落し、買った人がまとめてやられる
・これを何度も繰り返す

という「ブルップ(強気の罠)」が紹介されています。

今の局面は、


・すでに5%前後の調整が視野に入っている
・ここから一度大きく戻してから、もう一段下がる


そんな動きになってもおかしくないため、短期売買での「飛びつき買い」は特に注意が必要です。


「大将が打ち取られるまで戦は終わらない」マグニフィセント7とNVIDIAの重要性

ウォール街には

「大将が打ち取られるまで戦は終わらない」

という有名な格言があります。
ここでいう「大将」とは、相場を牽引してきたリーダー銘柄のことです。

現在の米国株でいえば、
いわゆる「マグニフィセント7」と呼ばれる大型ハイテク株がその大将に当たります。

・アップル
・マイクロソフト
・アルファベット(Google)
・アマゾン
・メタ
・NVIDIA
・テスラ

などが代表例です。

すでに崩れ始めている銘柄も

動画では、

・メタ:200日移動平均線から大きく下に離れ、20%以上急落
・パランティア:50日線を割り込み、さらに下落中
・一部半導体関連株:今月だけで8%下落

など、「すでに大きく崩れている」銘柄が出始めていることが指摘されています。

しかし、
「大将の中の大将」であるNVIDIAは、まだ完全には崩れていません。

・10月に付けた史上最高値 212.19ドルからは調整
・50日移動平均線を挟んで攻防中
・今週の決算が市場全体の命運を握るレベルで重要

S&P500におけるNVIDIAの構成比は約7.5%という、
一社としては「異常なほど大きい」ウェイトです。

そのため、

・NVIDIA決算が悪ければ指数全体を大きく押し下げる
・逆に予想を大きく上回れば、相場全体の一時的な反発材料にもなり得る

まさに「大将が打ち取られるかどうか」を見極めるタイミングだといえます。


アルファベット急騰とAI覇権争い:バークシャーの動き

このリスクオフの中で、
ひときわ目立って上昇したのがアルファベット(Google)株です。

・日中高値では前日比+6.3%
・最終的な終値でも約+3%高
・チャートのヒートマップでも真っ赤な画面の中でGoogleだけが鮮やかな緑

その背景には、
ウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイが、
アルファベット株を新規取得していたことが判明したニュースがあります。

・保有規模:43億ドル
・バークシャー保有銘柄の中で第10位のポジションに相当

一方で、バークシャーは長年の主力だったアップル株を、

・第3四半期だけで保有株の約15%を売却
・残高は607億ドルまで縮小

という形で、少しずつ減らし続けています。

アルファベットとアップルのバリュエーション比較

動画では、両社の予想PERの比較も紹介されています。

・アップル:今後12ヶ月予想利益の約33倍
・アルファベット:同じく約25倍

同じ「巨大テック」でも、
・アップルはすでにかなりのプレミアムが乗った水準
・アルファベットは相対的にまだ割安感がある水準

と評価されやすい位置にいます。

チェック・キャピタルのCIOでありバークシャー株主でもあるスティーブン・チェック氏は、

「アルファベットはマグニフィセント7の中で最も割安な銘柄の一つであり、バークシャーが買ったのは驚きではない」

とコメントしています。

ジェミニ vs ChatGPT:AI覇権争いの行方

AIの文脈でも、
Googleの次期モデル「Gemini 3」発表が近いとの噂が出ていると紹介されました。

・2022年末にChatGPTが登場して以降、Googleは防戦一方に見えた
・独禁法問題などの「逆風イベント」をほぼ無傷で乗り切り、株価は回復
・Geminiユーザー数も増加中で、広告ビジネスに大きな悪影響は出ていない
・社内製AIチップ「TPU」やGoogle Cloudの成長も追い風

一方で、

・OpenAIは数億ドル規模の巨額赤字を垂れ流している
・今後数年も大きな投資負担が続く見込み
・Googleは圧倒的なキャッシュ創出力と強固なバランスシートでAI投資を余裕で賄える

この構図を見ると、
「AI戦争の第二幕は、意外とGoogleが主役に返り咲くかもしれない」
というシナリオも十分にあり得ます。

リスクオフ局面であっても、
・キャッシュフローが強い
・バランスシートが健全
・バリュエーションが極端に割高でない

こうした大型株には、資金が回帰しやすいという典型例です。


メタ・テスラ・半導体・ハードウェア:個別銘柄の明暗

メタ:AI投資強化を発表後、20%以上急落

メタは、来年のAI投資をさらに引き上げると発表した直後から、
株価が20%急落し、その後も下落が続いています。

・AI投資強化=長期的にはプラス材料
・しかし短期的には「利益圧迫要因」として嫌気される

という典型的なパターンです。

高パフォーマンスの大型グロース株ほど、
「期待値の修正」が入り始めると下げ幅が大きくなりやすい点には要注意です。

テスラ:一時反発も、まだ200日線の下

テスラはこの日、約1.1%上昇しましたが、
依然として200日移動平均線を下回る位置にあり、テクニカル的には弱いままです。

さらに、ピーター・ティールのヘッジファンド「ティール・マクロ」が、
第3四半期に保有株の約76%を売却していたことも明らかになりました。

大口投資家がポジション調整を進めている中での一時的なリバウンドは、
短期的なショートカバーである可能性も高く、
楽観視しすぎない方が無難です。

デル・HPE・HPQ:メモリサイクル懸念で急落

この日のS&P500ワースト銘柄はデル・テクノロジーズで、
・8.4%の急落
・株価は200日移動平均線まで下落

モルガン・スタンレーが、

「フラッシュメモリとDRAMの価格スーパーサイクルが、2026年に向けてハードウェアOEM企業の利益に下押しリスクを与えている」

と指摘し、
デルの格下げを行ったことがきっかけです。

これを受けて、

・ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE):約8%下落
・HP(HPQ):約7%下落

と、ハードウェア関連銘柄に一斉に売りが広がりました。


クレジット市場とAI投資の影:ガンドラックの警告

ウォール街で「債券王」と呼ばれるジェフリー・ガンドラックも、
今回の局面について強い警戒感を示しています。

「目に入るほぼすべてが割高」金融資産のバブル感

ガンドラック氏の主なポイントは以下の通りです。

・株式市場は「鼻血が出るほどのバリュエーション」に達している
・AIブームやデータセンター投資には、明らかな投機性がある
・投資家は信じられないほど投機的な賭けに乗っかっている
・金融資産全般の保有比率は、通常より低めにするべき

そのうえで、

・ポートフォリオの20%を現金で持つことを推奨

と、かなり慎重なスタンスを取っています。

次の危機は「プライベートクレジット」か

彼が特に危険視しているのが、
1.7兆ドル規模にまで膨らんだプライベートクレジット市場です。

・質の悪い貸し付け(ガーベージ・レンディング)が増えている
・自動車ローン関連企業などで、すでに崩壊が始まっているケースもある
・構造的なもろさが表面化しつつあり、2006年のサブプライム住宅ローン問題と似た特徴を持っている

という指摘は、長期投資家として無視できません。

AIインフラ投資と社債発行ラッシュ

AIを支えるデータセンター建設のため、
ビッグテック各社は社債発行を加速させています。

・アルファベット:今月 250億ドルの社債発行
・メタ:10月に300億ドルの社債発行(今年最大規模)
・オラクル:9月に180億ドルの社債発行
・企業全体では、AIインフラ関連だけで今年すでに2000億ドル超を調達

これは債券市場にとって、

・魅力的な銘柄の増加というポジティブ面
・同時に、信用リスクの積み上がりというネガティブ面

両方を孕んだ動きです。


中国が日本に「実質制裁」?東アジアの地政学リスク

株式・債券・仮想通貨に加えて、
今回の動画では「日本にとって無視できない地政学リスク」も取り上げられています。

きっかけは「台湾有事」発言

中国が日本に対して経済的な圧力を強めている背景には、高市首相(※動画では「高一首相」と聞き取れる箇所)が、

「中国が台湾に軍事侵攻した場合、日本が軍事介入する可能性」

に言及したことがあります。

これは、
・5年前に安倍元首相が台湾について発言したときと同等レベル
・それ以来最悪の対立状態

と評価されており、中国側は激しく反発しています。

中国による「実質制裁」の中身

現時点で伝えられている動きは、主に以下のようなものです。

・国有企業の社員に対し、日本出張・旅行の全面禁止を通達
・団体旅行の販売を全面中止
・日本関連の大規模フォーラムやイベントを延期
・日本映画の上映延期(クレヨンしんちゃん新作、はたらく細胞など)
・日本旅行・日本ビジネスを事実上ストップさせる政策

日本にとって中国は、

・訪日外国人観光客の人数でトップクラス
・インバウンド需要の中核

という存在です。
中国人観光客の減少は、観光・飲食・小売・航空・鉄道など、広範囲の日本企業に影響を与えます。

日中関係悪化の歴史的デジャヴ

似たような構図は、2012年前後の尖閣諸島問題のときにも見られました。

・中国国内で日本製品のボイコット運動
・日本車への攻撃、日系スーパーの破壊など過激な動き
・その結果、日本企業は中国事業のリスクを再認識し、生産拠点分散を加速

今回も、

・旅行・映画など「目に見える形」での対日圧力
・将来的には貿易や投資への影響もあり得る

ため、東アジア全体のサプライチェーンや投資マインドに、じわじわと影を落としていく可能性があります。


長期投資家はどう行動すべきか:キャッシュ・ルール・メンタル

ここまで見てきた通り、


・株式市場は50日線割れ+ディストリビューション増加
・ビットコインはベアマーケット入り
・VIXは上昇したが、まだ「総悲観」には程遠い
・クレジット市場ではプライベートクレジットのリスクが高まりつつある
・地政学的にも、中国による対日圧力が強まっている

と、あまり楽観できる材料は多くありません。

しかし、それでもなお、
「長期投資家は冷静でいられるかどうか」が勝敗を分けます。

1 キャッシュポジションをどう考えるか

ガンドラック氏は「20%の現金保有」を推奨しています。
これは一つの目安として参考になります。

たとえば、
総資産1000万円のうち

・株式・投資信託:600〜700万円
・現金・短期預金・安全性の高い社債等:300〜400万円

といった比率を維持しておけば、
・暴落時にもメンタルが壊れにくい
・大きく下がったときに「買い向かう弾」が残っている

という、理想的な状態を保ちやすくなります。

現状、
・フルインベスト(現金ほぼゼロ)
・信用取引やレバレッジETFでリスクを取りすぎている

という人は、
むしろ「今のうちにリスクを少し落としておく」ことも検討すべき局面です。

2 積立投資家は「ルールを守る」ことが最大の武器

つみたてNISAやiDeCoなどで長期積立をしている人にとって、
今回のような調整局面は「むしろ味方」になることが多いです。

・価格が下がる=同じ金額でより多くの口数を買える
・長期的に右肩上がりの資産(例:全世界株・米国株インデックス)であれば、平均取得単価を下げるチャンス

動画でも「下がれば下がるほどワクワクし、上がると冷めた態度でいる方が投資家として成功しやすい」と語られていますが、
これはまさに積立投資家に当てはまるメンタリティです。

大事なのは、

・ニュースに一喜一憂して積立を止めないこと
・短期の値動きではなく、自分が決めた「投資期間(10年・20年)」を見続けること

です。

3 個別株投資家は「高バリュエーション銘柄」との距離感を見直す

NVIDIAやメタ、テスラなど、
マグニフィセント7・AI関連・ハイパーグロース株は、
リターンも大きい反面、下がるときも激しく動きます。

・決算一発で10〜20%動く
・PERが高いほど、期待が裏切られたときの調整幅も大きい
・AI投資などで利益が一時的に圧迫されると、短期的には売られやすい

こうした前提を受け入れたうえで、

・ポートフォリオの中での比率をどれくらいにするか
・一銘柄に集中しすぎていないか
・決算前後のボラティリティに耐えられるポジションサイズか

を今一度見直すことが重要です。


まとめ:リスクオフは「恐れる」より「準備する」局面

最後に、この記事の要点と、これから取れる具体的なアクションを整理します。

1つ目に、
現在の米国株はたしかにリスクオフ局面に入っていますが、
S&P500の下落幅はまだ約4.8%と、「歴史的にはよくある5%調整クラス」の範囲内です。
VIXやプットコールレシオ、ブル・ベア指数を見ても、
まだ「総悲観」とは言えず、大底サインは出そろっていません。

2つ目に、
ビットコインのベアマーケット入り、
マグニフィセント7の一部崩れ、
クレジット市場(特にプライベートクレジット)のリスク、
そして中国の対日「実質制裁」といった要素が、
このリスクオフに「構造的な重さ」を加えています。
単なる短期調整で終わるのか、それとも数年単位の大きな波の入り口なのか、
慎重に見極める必要があります。

3つ目に、
長期投資家が今すべきことは、

・キャッシュ比率を確認し、リスクの取り過ぎを是正する
・積立投資はルール通り続ける(むしろ安く買えるチャンスと捉える)
・高バリュエーション銘柄の比率やポジションサイズを見直す
・ニュースやSNSに振り回されず、自分の投資期間と戦略を再確認する

という「地味だけれど最も効果のある行動」です。

相場は、
「下落すればするほどワクワクし、上昇すればするほど冷静になる」
そんな投資家に最終的なリターンを渡します。

今回の世界的リスクオフの動きも、
短期的には怖く見えるかもしれませんが、
長期目線で見れば、自分の投資ルールとメンタルを鍛え直す絶好のタイミングです。

この記事をきっかけに、
ご自身のポートフォリオやキャッシュポジション、
そして投資方針を一度じっくり棚卸ししてみてください。
次に大きなチャンスが来たときに、
「怖くて動けない人」ではなく
「準備していたからこそ、冷静に買い向かえた人」になれるかどうかが、
将来のリターンを大きく分けることになります。

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