【危険】年初NISAの落とし穴|一括vs積立で損する人・得する人の分岐点を徹底解説

本記事は、YouTube動画『【危険】年初NISAの落とし穴|一括vs積立:損する人・得する人の分岐点』の内容を基に構成しています。

年初になると毎年のように話題になるのが、「年初一括は危険」「年初に投資すると高値掴みになる」といった主張です。特に新NISAが本格化して以降、年初に成長投資枠やつみたて投資枠をどう使うべきか悩む人は一気に増えました。

今回の動画では、こうした不安に対して「一括か積立か」という単純な二択ではなく、「自分が続けられるかどうか」という視点から、年初NISAの本当の落とし穴が解説されています。本記事では、動画の内容をできるだけ削らず、初心者にも理解できるよう補足を加えながら詳しく整理していきます。

目次

導入:年初一括が怖くて眠れなくなる理由

動画は、年初一括を検討している人が、ネット記事やSNSの投稿を見て不安になり、夜も眠れなくなるという場面から始まります。特に多いのが、「日本人が年初に一斉に買うから株価が上がり、高値掴みになる」という説です。

この話題は、毎年のように繰り返される年始の風物詩とも言えます。しかし動画は、この不安に対して感情論ではなく、数字と構造で冷静に整理する姿勢を取ります。そして最初に提示されるのが、「理論的に正しいかどうか」と「人間が実際に耐えられるかどうか」は別問題だ、という視点です。

背景説明:S&P500投資の本質は「市場にいる時間」

動画の前提として語られるのが、S&P500などの株式インデックス投資の基本的な考え方です。それは「市場にいる時間が長いほど有利になりやすい」という点です。

株価の短期的な上下を当て続けることは、プロでも極めて難しいとされています。一方で、長期間市場に居続けた人ほど、成長の恩恵を受けやすいというのが、歴史的に見た株式投資の特徴です。

この前提に立てば、年初一括投資は理論的には合理的です。早く資金を投入すれば、その分だけ市場に参加している期間が長くなり、上昇局面を取りこぼしにくくなるからです。

ただし動画は、ここで話を終わらせません。問題は「理論的に正しいか」ではなく、「人間がその理論通りに行動できるかどうか」だと指摘します。

年初一括は高値掴みになるのか?数字で検証する

年初一括が危険だと言われる最大の理由が、「日本人が年初に一斉に買うから株価が上がる」という説です。動画では、この説を世界の市場規模という視点から検証します。

世界の株式市場はどれほど巨大なのか

世界の株式市場規模は、ドル換算で約120兆ドルから130兆ドルと説明されます。日本円にすると、もはや直感的に理解できないほどの規模です。動画ではこれを「太平洋よりもはるかに大きな海」に例えています。

この海を実際に動かしているのが、いわゆる「クジラ」と呼ばれる巨大な機関投資家です。

巨大なクジラ投資家の資金規模

動画内で紹介される代表例は次の通りです。

・GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人):約250兆円
・ノルウェー政府年金:約200兆円
・ブラックロック:ドルベースで約13兆ドル(円換算で約2000兆円規模)

これらの資金は、年に1回だけ動くわけではなく、日々の取引で巨額の資金が市場に出入りしています。

年初NISAの資金はどれくらいの規模か

一方で、日本のNISA口座数は2025年6月時点で約2700万口座と説明されます。ただし、口座を持っている人全員が積極的に投資しているわけではありません。

動画では仮定として、次の条件で計算を行います。

・アクティブ利用者を半分と仮定
・そのうち10%が年初に360万円を一括投資

この条件でも、年初に動く資金は約4.9兆円、約5兆円規模です。

一見すると大きな金額に感じますが、GPIFの約250兆円と比べると約2%程度、ブラックロックと比べると0.3%以下に過ぎません。動画では、この比率を「誤差レベル」「砂浜の砂粒1つ」と表現しています。

この比較から、「日本人が年初に買うから高値掴みになる」という説は、根拠としてかなり弱いと結論づけられます。

本当の落とし穴①:一括直後の暴落とメンタル崩壊

高値掴み説が弱いからといって、年初一括が無条件に安全というわけではありません。動画が強調する最初の落とし穴は、メンタルの問題です。

例えば、1月に360万円を一括投資した直後に、相場が20%下落したとします。この場合、評価額は一気に72万円減ります。投資を始めて間もないタイミングで、画面にマイナス72万円が表示される状況は、多くの初心者にとって強烈なストレスになります。

動画で繰り返し語られるのは、S&P500投資で最悪なのは「ベストなタイミングで買えなかったこと」ではなく、「怖くなって市場から降りてしまうこと」だという点です。理論が正しくても、途中で売ってしまえば、その瞬間に長期投資は成立しなくなります。

本当の落とし穴②:シークエンスリスクという見えにくい敵

動画で「ラスボス」として紹介されるのが、シークエンスリスクです。これは「順番のリスク」と訳され、投資の結果がリターンの平均値ではなく、値動きの順番によって大きく左右される現象を指します。

資産形成期におけるシークエンスリスク

資産を積み上げている段階では、最大の敵は「続けられなくなること」です。理論的には、早めに下落が来た方が安く買えるため有利になる場合もあります。しかし、暴落の真っただ中で冷静に追加投資できる人は多くありません。

恐怖から追加投資ができない、あるいは保有分を売ってしまう。この心理的な崩れこそが、資産形成期の大きなリスクだと説明されます。

取り崩し期におけるシークエンスリスク

一方、老後などの取り崩し期では、話はさらに深刻になります。取り崩し開始直後に暴落が来ると、生活費のために下がった資産を売らざるを得ず、元本が急速に削られます。

同じ平均リターンでも、最初が好調か不調かで結果が大きく変わるのが、取り崩し期のシークエンスリスクです。

解決策:正解探しをやめて「守れるルール」を作る

動画の結論は非常に明確です。年初一括か積立かの正解を探すこと自体をやめるべきだ、という主張です。重要なのは、自分の性格やメンタルに合ったルールを決め、それを守り続けられるかどうかです。

動画で紹介される3つの投資スタイル

動画では、代表的な選択肢として次の3つが紹介されます。

・年初一括+継続投資(メンタル強者向け)
・年初分割投資(一般的な人向け)
・積立投資を軸に下落時のみ追加(慎重派向け)

どの方法を選ぶにしても共通しているのは、市場から降りないこと、そして事前に決めたルールを感情で破らないことです。

まとめ:年初NISAで最も大切なのは「続けられるかどうか」

年初一括が高値掴みになるという説は、世界の市場規模を踏まえると根拠はかなり弱いと言えます。しかし、年初一括にはメンタル面やシークエンスリスクという別の落とし穴が存在します。

最終的な結論はシンプルです。
年初一括でも、分割でも、積立でも、正解は人によって異なります。重要なのは、自分が不安で投資をやめてしまわないルールを作り、それを淡々と守り続けることです。

2026年のNISAをどう使うかを考える際は、「どれが一番儲かりそうか」ではなく、「自分はどの方法なら続けられるか」という視点で、改めて考えてみることが重要だと言えるでしょう。

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