2026年の新NISAは年初一括か毎月積立か過去85年データと暴落シミュレーションで見える最適解

本記事は、YouTube動画『2026年は年初一括?毎月積立?どっちを選ぶべき?100万円の差!?』の内容を基に構成しています。

目次

導入:2026年の投資方針で迷う人が増える理由

年末が近づくと、翌年の新NISAをどう動かすかで悩む人が一気に増えます。

特に2026年は、年初にまとめて投資する年初一括が良いのか、それとも毎月積立が良いのか、答えが簡単に出にくい空気があります。

動画では、このテーマを感情論ではなく、過去データと具体的なシミュレーションで検証しています。

結論としては、長期投資家にとって年初一括は有利になりやすい一方で、暴落が来たときに耐えられないなら無理に選ぶべきではない、という現実的な整理になっています。

さらに、両者の良いところを狙うハイブリッド戦略も提案されており、2026年の意思決定にそのまま使える内容です。

新NISAの枠と、年初一括が現実的になった構造

まず前提として、新NISAは年間の投資枠が明確に決まっています。動画内で整理されているのは次の仕組みです。

成長投資枠は年間240万円、積立投資枠は年間120万円で、合計年間360万円まで投資できます。

さらに生涯投資枠は1,800万円ですが、ここで注意点があります。

この1,800万円は評価益を含まず、元本部分のみでカウントされる仕組みです。

つまり、利益がどれだけ増えても、元本が1,800万円に到達するまでは投資が可能です。また、売却すれば翌年以降に枠が復活するという特徴もあります。

そして年初一括が現実的になる理由として、成長投資枠は1月に240万円を一括投資できる点が挙げられています。

さらに積立投資枠も、証券会社の設定次第ではボーナス設定などを使うことで、実質的に年初に近いタイミングへ投資を寄せられる可能性がある、という話が出ています。

動画では、SBI証券と楽天証券での具体的な設定方法は別動画で扱う、という位置づけでした。

このように制度面が整ったことで、投資家側の悩みはよりシンプルになります。

つまり、同じ年間360万円を投資するにしても、できるだけ早く市場に出すのか、それとも時間を分散して出すのか、その選択が結果を左右する可能性がある、という論点です。

2025年の実例で年初一括と毎月積立を比較する

2025年は毎月積立がわずかに優勢だった

動画はまず、直近の2025年の実例から入ります。2025年は米国株中心に1月から4月に下落があり、その後に大きく回復するという展開でした。

S&P500やオルカンは通年で見るとプラス10%超のリターンになった年で、最終的には良い1年だったと言えます。

ただし興味深いのは、2025年に限っては、年初一括よりも毎月積立のほうがわずかに良い結果になった、という点です。ここが2026年の迷いを生む最大の要因です。

多くの人は、下落のある年は積立が勝ちやすいのではないか、と考えたくなります。

具体例:eMAXIS Slim 米国株式S&P500での試算

動画内では、eMAXIS Slim 米国株式S&P500を例に、年初一括と毎月積立を同じ総額で比較しています。

年初一括の前提は、2025年の初営業日である1月6日の基準価額が33,928円で、ここで360万円を一括投資したと仮定します。

その後、12月19日時点の基準価額が38,603円となり、上昇率は約14%で、評価額は360万円が約410万円になった、という整理でした。増加分は約50万円です。

一方、毎月積立は毎月30万円を投資したと仮定します。

ポイントは、2025年の前半に下落局面があったことです。

動画では、2月以降は1月6日の水準より低い基準価額の日が多くなり、3月や4月、5月に買った分は、その後の回復によって上昇率が大きくなった、という説明がありました。

下がった局面で多くの口数を買える、いわゆるドルコスト平均法が効いた形です。

ただし後半は状況が逆転します。7月以降は1月より高い基準価額で買い続ける局面になり、12月に買う分は上昇率が小さくなる、あるいはマイナスになり得る、という構図です。

それでも合計では、毎月積立の評価額が約413.4万円となり、増加分が約53.4万円と整理されていました。年初一括の増加分約50万円に対して、毎月積立は約53万円で、差はごくわずかです。

ここから動画は、2025年は下落があった年にもかかわらず、最終的にはほとんど差がつかなかった、という示唆を引き出しています。

2024年は年初一括が大差で勝った

対照的に、2024年は比較的右肩上がりの年でした。動画では、同じ360万円でも、年初一括はプラス144万円、毎月積立はプラス53万円で、差は91万円にもなったと述べています。

この2年の比較から見えてくるのは、1年単位の相場の形が結果に大きく影響する、ということです。下落してから回復する年は積立が有利に見えやすい一方で、右肩上がりの年は年初一括が大きく有利になりやすい、という直感的な理解が得られます。

ここで重要なのは、2026年を考えるなら、直近2年だけでは判断できないという点です。動画はここから、長期データへ話を移します。

過去85年データが示す年初一括の強さと、最大の敵は感情

バンガードの85年分析では年初一括の勝率が約7割

動画が軸にしているのが、バンガードのレポートに基づく過去85年の検証です。対象期間は1926年から2011年までで、世界恐慌や戦争、オイルショックなど、歴史的な危機局面を含むデータとして紹介されています。

この検証では、100%株式の場合、年初一括が66%の年で優位、毎月投資が34%の年で優位という結果になっています。

勝率で見ると、年初一括は約3回に2回勝つ、つまり約7割に近い、という見立てです。株式だけでなく、株60%・債券40%の組み合わせや、債券100%でも大きくは変わらないという説明もありました。

さらに、2011年以降の米国株の好調局面を含めていないにもかかわらず、この時点で年初一括が優位という点が強調されています。つまり、直近の上げ相場を入れなくても、すでに年初一括のほうが勝ちやすい、という結論です。

直近30年でも同様の傾向が確認される

動画では補助データとして直近30年の結果にも触れています。S&P500は30年中22年で年初のほうが有利で、勝率は7割超。オルカンも30年中19年で年初が有利で、勝率は6割超という紹介でした。

ここでの論理は一貫しています。株式指数が長期で右肩上がりである以上、早く市場に入っていたほうが、追い風を受ける時間が長くなるため有利になりやすい、という考え方です。

動画ではこれをマラソンに例えています。

年初一括はスタート直後に全資金をコースに投入し、追い風を最初から最大限に受ける走り方です。

一方、毎月積立は資金の一部を銀行口座に残したまま、少しずつコースに出す走り方になり、追い風の恩恵が遅れてやってくる、というイメージです。

それでも怖いのは一括の直後に大暴落が来ること

年初一括で多くの人が恐れるのは、投資した直後に大暴落が来るケースです。

動画では、これをスタート直後にバケツの水をかぶせられるような苦しさ、と表現しています。ここで動画は、最悪ケースに近い状況を想定したシミュレーションに入ります。

題材はS&P500で、ITバブル級の大暴落が、投資完了直後に来たらどうなるか、という検証です。

前提として、1996年から投資を開始し、5年間投資した直後に2001年からのITバブル崩壊を食らう、という設定です。数字は実際のS&P500の年次リターンのプラスとマイナスを用いている、とされています。

投資期間を複数パターンに分け、5年で満額投入するケース、7.5年、10年、15年と、満額までの投入期間を伸ばすケースを比較します。

年初一括寄りの投資ほど早く市場に資金が入る一方で、積立寄りは時間をかけて入るため、暴落前の上昇をどれだけ取り込めるか、暴落後の回復をどれだけ大きな元本で受けられるか、という差が出ます。

動画の結論は明快で、最終的には早く投資したパターンほど資産が大きくなった、というものです。具体的には、5年満額が最もリターンが高く、次いで7.5年、10年、15年の順で低くなる、という結果でした。

そして数字で見ると、5年満額は最終的に1億5430万円、10年満額は1億4153万円、15年満額は1億3530万円、20年満額は1億2308万円という紹介があり、差が非常に大きいことが示されています。5年満額と10年満額の差が1300万円、という表現も出てきます。

この検証が示しているのは、ITバブル級の暴落という厳しい条件を置いても、長期で見れば早く市場に資金を置くことが有利になりやすい、という点です。理由は結局、S&P500が長期的には成長してきた、という歴史にあります。

本当のリスクは数字ではなく、恐怖で売ってしまうこと

ただし動画は、ここで終わりません。年初一括の最大のリスクは、資産が消えることではなく、恐怖に耐えきれず自分で売ってしまうことだ、と強調します。

暴落は、含み損の数字そのものよりも、精神面で投資家を折りに来ます。売らなければ回復を待てる可能性がある一方で、恐怖に負けて売ってしまえば損失が確定します。つまり、年初一括の適性は、期待リターンの高さよりも、暴落局面で画面を見ても耐えられるかどうか、という心の問題として整理されています。

動画では、長期間含み損を見続ける覚悟がない人は、年初一括を選ぶべきではない、という趣旨の表現がありました。ここは非常に現実的な注意点です。統計的に有利でも、続けられなければ意味がないからです。

ポイント還元の落とし穴と、確実性効果という心理の罠

クレカ積立の魅力は確実に得する感覚にある

毎月積立を好む人の中には、クレジットカード積立のポイント還元が好きだという人も多いはずです。毎月淡々と積み立て、同時にポイントが積み上がると、心理的な満足感があります。

ただ動画は、ここに行動経済学的な落とし穴があると説明します。キーワードは確実性効果です。

例:期待値が高いのに、多くの人は確実な小さな利益を選ぶ

動画では具体例が提示されます。

選択肢Aは50%の確率で25,000円がもらえる。選択肢Bは100%の確率で10,000円がもらえる。この場合、多くの人はBを選びやすい、という説明です。

しかし期待値で見ると、Aは12,500円で、Bは10,000円です。数学的にはAのほうが得なのに、人は確実にもらえる小さな利益を過大評価しやすい、という心理が働く、というのが確実性効果です。

投資に置き換えると、ポイントを重視しすぎる危険がある

この心理を投資に当てはめると、ポイント還元は確実に得られる一方で、年初一括で得られる可能性のある運用益は不確実です。

そのため、脳はポイントの確実な得を好み、期待値の高い可能性を見落とすことがある、という指摘になります。

動画では、1つの思考実験として、積立投資枠の年間120万円を埋める場合を例にします。市場が年率5%で成長すると仮定し、毎月10万円積立で還元率1%なら年間12,000ポイント。年初一括でポイント0円なら、見た目では積立のほうが得に見えます。

しかし、年率5%成長という仮定のもとでは、時間を早く市場に置ける側が運用益で上回りやすく、結果として年初一括が勝つ可能性がある、という見せ方でした。もちろん現実の市場は毎月きれいに5%増えるわけではなく、あくまで考え方の提示ですが、ポイントを最優先にしすぎない視点を提供しています。

結論としてのハイブリッド戦略が現実的な理由

理屈では年初一括でも、感情がついてこない人は多い

ここまで読むと、年初一括が統計的に有利だと感じる人が増えるはずです。

一方で、2025年のように年初から下落が始まると、年初一括をした人ほど精神的にきつくなります。投資経験が浅い人ほど、もう年初一括はやめたいと感じる可能性があります。

動画は、投資は人間がやる以上、感情を無視できないと繰り返し述べます。頭で理解していても、夜眠れないほどのストレスになるなら、その戦略はあなたに合っていない、という立場です。

成長投資枠は年初一括、積立投資枠は毎月積立という折衷案

そこで提案されるのがハイブリッド戦略です。動画の提案は、成長投資枠で年間240万円を年初一括で投資し、積立投資枠で毎月10万円の積立を継続する、という設計です。

この戦略は、上昇相場と下落相場のどちらにも意味を持たせています。

相場が右肩上がりなら、年初一括で入れた成長投資枠が効いて資産が伸びやすい。一方、積立枠は少し遅れて入る分、運用面では不利に見えても、ポイント還元などの満足感があり、誤差として受け止めやすい、という整理です。

相場が暴落して泥沼のようになれば、年初一括の240万円が含み損になり苦しいのですが、同時に毎月10万円の積立が安値で多くの口数を拾っているという事実が、精神的な支えになります。全額を一括にしなかった、という安心感が働き、狼狽売りを防ぎやすい、という考え方です。

最大の狙いは、解釈の逃げ道を作って継続率を上げること

動画で特に印象的なのは、ハイブリッド戦略の本質は、解釈の逃げ道を用意することだ、という点です。

上がれば年初一括のおかげ、下がれば毎月積立のおかげ、と解釈できるようにしておくと、相場のどちらの展開でも自分を納得させやすくなります。

投資は15年、20年という長期戦になりやすいので、最終的に勝敗を分けるのは理論値よりも、途中でやめずに走り切れるかどうか、という視点が貫かれています。

まとめ:2026年の最適解は期待値と継続性の両立で決まる

動画の結論を整理すると、年初一括は長期投資家にとって統計的に有利になりやすい、という点に集約されます。過去85年データでは年初一括の勝率は約7割で、右肩上がりの資産に投資するなら、早く市場に資金を置くほど追い風を受ける時間が長くなる、という説明は筋が通っています。

一方で、年初一括の最大の敵は暴落そのものではなく、恐怖で売ってしまう自分自身です。数字上は回復しても、途中で投げれば成果は残りません。だからこそ、期待値だけでなく、自分の性格と感情耐性に合わせて戦略を設計する必要があります。

ポイント還元のような確実な得は魅力的ですが、確実性効果によって、期待値の高い選択を見落とすこともあります。ポイントを否定するのではなく、優先順位を誤らないことが重要だと読み取れます。

そして現実的な落としどころとして、成長投資枠は年初一括で期待値を取りに行き、積立投資枠は毎月積立で精神安定と下落時の仕込みを確保するハイブリッド戦略は、継続性を高める仕組みとして合理的です。

2026年に年初一括か毎月積立かで迷うなら、最終判断は1つです。統計的に有利な側へ寄せつつも、暴落局面で自分が続けられる形に落とし込めるかどうか。その視点で、あなたにとっての最適解を決めるべきです。

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