本記事は、YouTube動画
「【2026年は機関投資家がより活発に⁉】トレード見抜き方&いなし方を大川智宏氏と岡村友哉氏が解説/フィジカルAIも/DOEや累進配当/日経平均や個別株の株価動かす│株のお兄さんに聞いてみよう│松井証券」
の内容を基に構成しています。
2026年を前に注目される「機関投資家の動き」
2026年を見据えた日本株市場では、機関投資家の存在感がこれまで以上に強まる可能性が指摘されています。特に、年金基金や海外ファンド、アクティビスト投資家の動向は、個別株の株価形成に大きな影響を与える要因となっています。
今回の動画では、元機関投資家の経験を持つ大川智宏氏と、株式コメンテーターの岡村友哉氏が、個人投資家が「機関投資家の売買をどう見抜き、どう向き合うべきか」について、具体例を交えながら解説しています。
なぜ機関投資家の影響力が増しているのか
近年、日本株市場ではガバナンス改革や資本効率改善の流れが急速に進んでいます。その中で、機関投資家やアクティビストが企業経営に対して意見を述べることは、もはや特別なことではなくなりました。
株主提案の件数は年々増加しており、企業側も無視できない状況にあります。以前であれば、個人投資家の声は経営に直接反映されにくい傾向がありましたが、現在ではSNSや掲示板の影響力もあり、企業は小さな声であっても丁寧に対応せざるを得なくなっています。
このような環境変化が、株価形成のプロセスそのものを変えつつあるのです。
機関投資家が手を出しにくい小型株とは
潰れにくい小型株の考え方
動画の前半では、「機関投資家が手を出しにくく、かつ潰れにくい小型株の選び方」がテーマとして取り上げられました。
結論から言えば、上場企業そのものは基本的に潰れにくい構造になっています。上場審査や開示義務がある以上、極端に不健全な企業が市場に残る可能性は低いからです。
問題となるのは、どのレベルの機関投資家を想定するかです。時価総額100億円未満の企業であれば、大型ファンドにとっては投資対象外となるケースが多く、仮に買うとしてもごく小額に留まります。
アクティビストが狙う企業の特徴
注意すべきは、アクティビスト投資家の存在です。彼らは必ずしも成長企業を好むわけではありません。
・現金を大量に保有している
・事業成長が鈍化している
・株価が割安な水準で放置されている
こうした企業は、株主還元や経営改革を求める対象になりやすいと説明されました。
逆に、事業成長のために資金を積極的に使い、年率20%前後の成長を数年以上続けている企業は、アクティビストにとって魅力が薄くなります。現金が手元に少なく、株価もすでに上昇基調にあるためです。
機関投資家が入った後、株はどうするべきか
株主総会まで保有すべきかという問い
2つ目の質問では、「機関投資家が株主に入ってきた後、株主総会まで保有すべきか」という実践的な悩みが取り上げられました。
この点について、動画内では「確率論としては保有を続けた方が良い」という見解が示されています。理由は明確で、機関投資家が株を取得する以上、何らかの投資理由が存在するからです。
株主提案が否決される可能性はありますが、それでも長期的に提案が続く場合、企業側が徐々に対応を迫られるケースも多く見られます。
チャートから機関投資家の買いを見抜く方法
階段状に上昇する株価の正体
動画の中盤では、非常に重要なテクニカルな視点が紹介されました。それが「階段状に上昇する株価」です。
機関投資家は、マーケットインパクトを抑えるため、一度に大量の株を買うことができません。そのため、時間分散や出来高分散を行いながら、数日から数週間にわたって淡々と買い続けます。
結果として、
・寄り付きで上昇
・一時的に押す
・その後も毎日じわじわと上がり続ける
という、特徴的なチャート形状が生まれます。
特に中型株から大型株でこの動きが見られる場合、年金基金や政府系ファンドなどの大口資金が入っている可能性が高いとされています。
DOEや累進配当が示す企業側の変化
動画後半では、DOEや累進配当といったキーワードも取り上げられました。これらは、以前であれば一部の大企業だけが採用していた指標ですが、現在では中小型株にも広がりつつあります。
企業がこれらの指標を中期経営計画に盛り込む背景には、「株主を意識しない経営は許されない」という市場の空気があります。
機関投資家の存在は、株価を動かすだけでなく、企業の経営姿勢そのものを変える力を持っていることが、改めて浮き彫りになりました。
まとめ:機関投資家の動きは「敵」ではなく「ヒント」
本動画を通じて一貫して語られていたのは、機関投資家の存在を恐れる必要はないという点です。
機関投資家が入るということは、企業価値に何らかの可能性が見出された結果であり、個人投資家にとっても重要なヒントになります。階段状の株価上昇や継続的な買い圧力は、需給の変化を読み取る材料になります。
2026年に向けて市場環境が変化する中で、個人投資家は「機関投資家の動きを観察し、必要以上に逆らわない」姿勢が求められます。株価の裏側で何が起きているのかを理解することが、これからの投資判断において大きな武器になると言えるでしょう。


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