日本株市場で下落銘柄が相次ぐ背景とは 半導体、中国リスク、決算要因を整理する

本記事は、YouTube動画「いろんな株が下落してる」の内容を基に構成しています。

足元の日本株市場では、指数全体の下落に加え、個別銘柄でも目立った下落が相次いでいます。日経平均株価は一時的に高値更新への期待が高まったものの、その流れは続かず、投資家心理は再び慎重姿勢へと傾きました。本記事では、動画内で解説されていた市場全体の動きと、下落が目立った銘柄について、初心者にも分かるよう整理していきます。

目次

日経平均と市場全体の動き

この日の日本株市場は、日経平均株価が前日比1.6%下落、TOPIXも0.7%下落となりました。高値を試す動きが見られたものの、結果としては2日連続の陰線となり、「結局は高値を取れなかった」という印象を残しています。

指数の下落幅以上に、市場参加者の心理に影響を与えたのが、半導体関連株を中心とした個別銘柄の急落でした。指数全体を押し下げるだけでなく、「相場の雰囲気が悪化している」という印象を強める結果となっています。

ソフトバンクグループ急落の背景

この日の下落で特に目立ったのが、ソフトバンクグループです。株価は7.59%の大幅下落となり、1分足チャートを見ても、場中を通してじりじりと売られる展開でした。

大きな決算や公式発表があったわけではありませんが、材料として意識されたのが、ロイター通信が伝えた中国関連のニュースです。

中国当局が一部企業に対し、AI向け半導体であるNVIDIA製GPUの発注を一時停止するよう要請したと報じられました。この動きが半導体関連全体の売りを誘発し、結果として日経平均は一時900円超下落する場面もありました。

半導体関連株に広がる不安

中国当局は、AI向け半導体H200などの購入量を精査する方針を示しており、中国企業からの注文については全額前払いを求めているとされています。この不透明感が、市場ではリスク要因として強く意識されました。

加えて、中国が日本から輸入されるジクロロ関連製品について、反ダンピング調査を開始したことも、半導体関連株の下落を後押ししました。ジクロロは半導体製造工程で使用される化学品で、市場規模も比較的大きいとされています。日本企業が安価に輸出していることで中国国内産業に悪影響が出ているのではないか、という点が調査の焦点です。

この件では、新越化学や三菱ケミカルの名前が挙がっていますが、株価の反応には差が見られました。特に新越化学は4%前後の下落となり、市場は個別事情を見極めながら売買している様子がうかがえます。

村田製作所など他の半導体銘柄

半導体関連では、村田製作所も4.6%下落しました。

直接的に中国ニュースと関係が深いとは言い切れないものの、セクター全体が売られる流れの中で下落した形です。このように、明確な材料がなくても、相場全体のリスクオフ局面では売られてしまうのが株式市場の特徴と言えます。

住友林業と米国住宅リスク

住友林業は5.26%の大幅下落となりました。PERは9.7倍、配当利回りは3.29%と指標面では割安感もありますが、市場は別のリスクを意識しています。

材料として挙げられたのが、トランプ米大統領が示した住宅政策に関する発言です。機関投資家による戸建て住宅の購入を制限する方針が報じられ、これが米国住宅市場に悪影響を与えるのではないかとの懸念が広がりました。住友林業は米国事業の比重が高いため、噂レベルでも売りが先行したと考えられます。

IPO銘柄パワーXの急落

最近上場したパワーXは、この日10%下落しました。上場直後から売買代金が多く、デイトレードで人気を集めていた銘柄ですが、典型的なモメンタム株でもあります。

売上はあるものの、利益は赤字というIPO特有の構造を持っており、勢いが崩れ始めると急落しやすい特徴があります。このような銘柄が崩れると、「相場全体の雰囲気が悪い」と判断されやすく、市場心理の悪化を象徴する存在になりがちです。

任天堂は決算待ちの局面

任天堂も再び売られ、1万円割れが意識される水準まで下落しています。2025年4月には9000円近くまで下落した後にリバウンドしましたが、再び弱含む展開です。

メモリ価格上昇によるゲーム機コスト増加が懸念されていますが、実際の影響は決算を見ないと判断できません。

次回決算は2月上旬と見込まれており、投資家は様子見姿勢を強めている段階です。ポケモン30周年といった明るい話題はあるものの、株価への影響は限定的です。

ジンズホールディングスの業績と株価

ジンズホールディングスは3.16%下落し、昨年来安値を更新しました。PERは13.8倍、配当利回りは2.21%です。通期では売上高、利益ともに過去最高見通しを示していますが、既存店売上高の伸びが鈍化している点が嫌気されています。

12月の既存店売上高は前年同月比1%増と低調でしたが、前年が24.4%増という高い水準だったため、反動で低く見えている面もあります。とはいえ、成長鈍化が意識され、決算前に売られる展開となっています。

ユニ・チャームの長期下落

ユニ・チャームは昨年来安値を更新し、株価は880円台まで下落しました。PERは18倍、配当利回りは2%を超えています。過去には安定成長の代表格として評価されていましたが、足元では消費の二極化や競争激化の影響を受けています。

2月上旬に本決算を控えており、配当引き上げや業績の見通し次第では評価が変わる可能性もありますが、現時点では慎重な見方が優勢です。

ABCマートとツルハの決算反応

ABCマートは決算発表を受けて6.38%下落しました。第3四半期決算では売上高が0.5%増にとどまり、最終利益は6.5%減少しました。進捗率は75%と悪くありませんが、市場の期待には届かなかった印象です。

ツルハホールディングスも決算後に6.33%下落しました。決算内容自体は増収増益でしたが、株主優待制度の変更が既存株主にとってネガティブに受け止められた可能性があります。100株でも優待がもらえるようになる一方で、従来の割引カードが廃止される点が売りにつながったと考えられます。

明暗が分かれた銘柄と今後の注目点

一方で、ファーストリテイリングは好決算を発表し、上方修正と増配を実施しました。第1四半期からの上方修正は珍しく、業績の強さが際立っています。

また、レアアース関連銘柄は依然として強く、採掘開始が予定されている1月中旬を前に思惑的な買いが続いています。ただし、材料出尽くしによる反動には注意が必要です。

今後の注目イベントとしては、安川電機の決算、米国雇用統計、そして来週以降の本決算ラッシュが挙げられます。特にバリュエーションが高まっている銘柄は、決算内容次第で大きく動く可能性があります。

まとめ

今回の相場は、指数以上に個別要因が重なった「ちぐはぐな下落相場」と言えます。中国関連リスク、半導体需給不安、米国住宅政策、決算要因などが複雑に絡み合い、投資家心理を冷やしました。

一方で、好決算を評価される銘柄も存在しており、市場全体が一方向に動いているわけではありません。今後は決算内容を丁寧に見極めながら、短期的な値動きに振り回されすぎない姿勢が重要になりそうです。

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