本記事は、YouTube動画「2026年 好調なスタート切る 1月注目ポイント 雇用底堅い」の内容を基に構成しています。
2026年に入ってから、米国株式市場は非常に好調なスタートを切っています。
S&P500は年初から約1.8%上昇し、すでに2度目の史上最高値を更新しました。ハイテク株の比率が高いNASDAQ総合指数も約1.9%上昇し、あと約1.5%で史上最高値を更新する水準にあります。こうした動きだけを見ると、2026年の相場は極めて順調に見えますが、その裏側では重要な変化が起きつつあります。
この動画では、バフェット太郎氏が、雇用統計、FRBの金融政策、そしてAIバブルを軸に、2026年の相場が抱えるリスクを冷静に分析しています。
2026年の米国株はなぜ強いのか
2026年の米国株が好調な最大の理由は、2025年12月の米国雇用統計が市場の不安を和らげたことにあります。市場では景気減速への警戒感が強まっていましたが、発表されたデータは「雇用市場はまだ底堅い」という印象を与える内容でした。
非農業部門雇用者数は5万人増と、市場予想の6万6000人増を下回りましたが、これは一時的な要因が大きいと説明されています。
10月の政府機関閉鎖の影響で、統計上の歪みが出ていたため、過去2か月分の雇用者数が合計7万5000人下方修正されたものの、実態としては急激な悪化ではないと判断されました。
失業率と賃金が示す労働市場の実態
失業率は4.4%まで低下
2025年12月の失業率は4.4%となり、市場予想の4.5%を下回りました。さらに11月の失業率も4.6%から4.5%へと下方修正されています。失業率が前月から低下するのは2025年6月以来、約6か月ぶりであり、これは労働市場の底堅さを示す重要なサインとされています。
ただし、この背景には労働参加率の低下があります。
労働参加率は62.4%と、前月の62.5%から0.1ポイント下がりました。これは仕事を探すことを諦めた人が増えたことを意味します。失業率は、職探しをしていない人をカウントしないため、労働参加率が下がると失業率は下がりやすくなります。
それでも、景気後退局面では労働参加率が下がっても失業率が上昇していくのが通常であるため、現時点の4.4%という水準は、まだ景気後退を示唆していないとバフェット太郎氏は述べています。
賃金は前年比3.8%と再加速
さらに重要なのが賃金動向です。平均時給の前年比は3.8%となり、市場予想の3.6%を上回りました。これは賃金の鈍化が止まり、再び強含んでいることを示しています。
賃金が高止まりしているということは、企業が依然として人材を簡単に手放していないことを意味します。
2025年は新規採用が抑えられた一方で、大規模な解雇は起きていませんでした。これは企業が比較的健全な業績を背景に、人員削減を急いでいないためであり、労働市場が奇妙なバランスを保った状態が続いていると説明されています。
FRBとAIバブルの危うい関係
FRBはなぜ利下げを急がないのか
労働市場が底堅い以上、FRBは利下げを急ぐ必要がありません。そのため2026年1月のFOMCでは追加利下げは見送られると市場は見ています。CMEのFedWatchによると、市場参加者は3月と4月も利下げが見送られ、6月に0.25%の利下げが行われると予想しています。
一見すると、これは経済が安定している証拠のように見えますが、バフェット太郎氏は「現在の好景気は持続しない」と予測しています。
好景気の正体はAI投資と資産効果
現在の米国経済を支えているのは、AIデータセンターへの巨額投資と、株高による資産効果です。株価が上がることで富裕層の消費が活発になり、景気が押し上げられています。
しかし、この構造は非常に不安定です。AIブームの中心銘柄であるNVIDIAは好決算や次世代AIチップの量産開始、中国によるH200輸入の一部承認といった好材料があっても株価は上がらず、50日移動平均線を下回る弱い動きを見せています。資金はブロードコム、マイクロンといった2番手、3番手銘柄へと移動しており、これはバブルの終盤に典型的なパターンとされています。
今後、MicrosoftやAmazon、Metaといった巨大テック企業が決算を発表しますが、AIデータセンターへの巨額投資に伴う減価償却負担でEPS成長率が鈍化する見通しです。もしAI投資を続ける姿勢を示しても、それが嫌気されて株が売られる可能性がありますし、投資計画の見直しがあれば、AI関連株は一斉に売られる可能性があります。
なぜ利下げは景気後退のサインなのか
多くの投資家は「利下げが増えれば株高になる」と考えがちですが、歴史的には逆のことが起きてきました。
1989年以降のデータを見ると、大幅な利下げは景気後退局面で実施されています。FRBが利下げをするから景気が悪くなるのではなく、景気が悪くなるからFRBは利下げを余儀なくされるのです。
そのため、もし2026年に6回から8回もの利下げが行われるとすれば、それは景気後退が深刻であることを意味します。
2026年からの長期シナリオ
バフェット太郎氏は、2026年に労働市場が急激に悪化し、米国経済は景気後退に入ると予測しています。その結果、FRBは6回から8回の利下げを行い、米国株は弱気相場に入ると見ています。
S&P500は最大で50%下落し、円建てでは60%下落する可能性があるとされています。底打ちは2027年3月が基本シナリオですが、天井確認の遅れによって2027年10月までずれ込む可能性もあります。
一方で、欧州株や新興国株は2026年の夏から秋にかけて底打ちする可能性が高く、次の景気回復局面では国際分散投資が重要になるとしています。金は引き続き強く、ドル安が進むことでコモディティや暗号資産も注目される局面が来ると見られています。
まとめ
2026年の米国株は好調なスタートを切っていますが、その背景にはAIデータセンターへの過剰投資と資産効果という非常に不安定な土台があります。労働市場はまだ底堅いものの、AI投資が崩れれば株価が急落し、消費と雇用が連鎖的に悪化するリスクを抱えています。
バフェット太郎氏は、2026年を景気後退と弱気相場の入り口と見ており、個人投資家は現金比率を高め、次の大きな投資機会に備えるべきだとしています。表面的な株高に惑わされず、雇用とAI投資の動向を冷静に見極めることが、2026年の投資で最も重要な視点だと言えるでしょう。


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