本記事は、YouTube動画『【悲報】高額株主優待のNo.1さん、トリプルバガー目前でまさかの優待廃止。夜間ストップ安の地獄絵図に・・・』の内容を基に構成しています。
株主優待を目的に日本株へ投資している個人投資家にとって、今回の出来事はまさに衝撃的なニュースでした。
情報セキュリティ機器メーカーのナンバーワンが、長年投資家を惹きつけてきた高額株主優待を突然廃止し、その結果、株価は夜間取引でストップ安に張り付く事態となりました。
しかも、この銘柄は株価が約3倍になる「トリプルバガー」目前まで上昇していた最中での発表だったため、市場の落胆は極めて大きいものとなりました。
この記事では、なぜナンバーワンの株価がここまで上昇していたのか、なぜ優待廃止がこれほどまでの暴落を引き起こしたのか、そして今後この株にどのような評価が与えられる可能性があるのかを、初心者にも分かるよう丁寧に解説していきます。
ナンバーワンとはどんな企業なのか
今回の主役となったナンバーワンは、情報セキュリティ機器の開発や製造、販売を主な事業とする企業です。
上場市場はスタンダード市場で、いわゆる超大型株ではありませんが、ニッチな分野で安定したビジネスを行っている会社として知られていました。
動画内で示されたデータによると、事件発生時点でのナンバーワンの時価総額は約177億円、PERは26.08倍、PBRは4.08倍、配当利回りは1.43%でした。
業績についても、急成長というほどではないものの、売上や利益は緩やかに右肩上がりで推移しており、「安定成長型の中小型株」という評価ができる企業でした。
このような企業がなぜ投資家から熱烈な注目を集めるようになったのか。その最大の理由が、後述する「高額株主優待」にあります。
高額株主優待が株価を押し上げた背景
ナンバーワンが注目を浴びるきっかけとなったのは、2024年10月に発表された株主優待の拡充でした。会社は300株以上を保有する株主に対して、年2回の株主優待を実施すると発表しました。
その内容は、1回につきクオカード1万5000円分、つまり年間で合計3万円分のクオカードを受け取れるという、極めて高額なものでした。
300株という条件を満たすためにはそれなりの投資額が必要ですが、それでも株価水準によっては優待利回りが非常に高くなり、優待投資家にとっては「夢のような条件」となりました。
例えば株価が1000円であれば300株で30万円の投資に対して年間3万円の優待ですから、優待利回りは10%にもなります。これは通常の配当利回りと比べても圧倒的に高い水準です。
この優待発表をきっかけに、ナンバーワンの株価は大きく動き始めました。発表前はおおよそ900円前後で推移していましたが、その後、優待目的の買いが殺到し、株価はみるみるうちに上昇しました。そして最終的には2500円近くまで上昇し、2700円に達すれば株価が約3倍になる「トリプルバガー」が達成される直前まで迫っていたのです。
このように、株価上昇の主な原動力は、企業の業績や成長性というよりも、「優待3万円」というインパクトの強いインセンティブでした。
優待廃止の発表と市場の衝撃
しかし、その夢のような状況は突然終わりを迎えます。
ナンバーワンはこの日、これまで実施してきた株主優待を廃止することを発表しました。代わりに、配当方針を見直し、配当性向50%やDOE6%といった指標を採用し、さらに累進配当を導入することも併せて発表しました。
そして実際に1株当たり42円の増配を行うという、配当投資家にとっては非常に魅力的な内容も提示されました。
しかし、市場はこの変更を好意的には受け止めませんでした。
なぜなら、優待のインパクトがあまりにも大きかったからです。300株を保有していた投資家は、年間で3万円分のクオカードを受け取っていました。これに対して、42円の増配は300株で1万2600円に相当します。つまり、優待で得られていた3万円と比べると、約半分以下の補填にしかならなかったのです。
優待目当てで株を保有していた投資家にとっては、収入が大きく減ることを意味します。
その結果、失望売りが殺到し、夜間取引では株価がストップ安に張り付きました。動画内の時点では、売り注文が約1万5300株も並び、出来高は8800株にとどまっており、売りたい人が圧倒的に多い状態が続いていました。
掲示板にあふれた投資家の悲鳴
この出来事は、個人投資家が多く集まる掲示板でも大きな話題となりました。動画では、掲示板の書き込みがいくつも紹介されています。
例えば「年始にいきなりお年玉どころか落とし玉を食らった」「株価ボードから消したい」「優待のために今月買ったのにひどすぎる」といった、怒りや絶望を表す声が多数見られました。2026年のスタート直後にこのような出来事に遭遇した投資家にとって、その精神的ダメージは相当なものだったことがうかがえます。
一方で、少し冷静な意見もありました。「今期の配当が78円になるなら、株価2000円でも利回りは約4%になる。もっと安くなれば普通に欲しい」という声もあり、優待がなくなったとしても、配当株として見れば一定の魅力があるのではないかという見方も示されていました。
おいしい株主優待銘柄の落とし穴
動画の中では、いわゆる「おいしい株主優待」についての注意点にも触れられています。
一般に、極端に高額な優待を実施する企業は、株価を一時的に引き上げる目的で優待を利用しているケースも少なくありません。
業績や事業内容とは別に、優待だけで株価が支えられている状態になると、その優待がなくなった瞬間に株の価値が大きく揺らぎます。
ナンバーワンも、まさにこの典型的な例の1つでした。
優待がある間は「3万円ももらえる株」として注目されていましたが、優待がなくなった途端、「普通のスタンダード市場の情報セキュリティ企業」に戻ってしまったのです。優待を目的に買われていた株は、優待が消えた瞬間に売られる運命にあり、その結果が今回の急落でした。
ただし、ナンバーワンの場合、業績は安定しており、配当も今回の増配によって実質的に倍近くになっています。株価が大きく下がれば、PERは低下し、配当利回りは上昇します。例えば株価が2000円程度で78円の配当であれば、利回りは約4%となり、高配当株として一定の評価を受ける可能性もあります。
今後の株価はどうなるのか
動画の中での見解として、今回のナンバーワンは「秘宝銘柄」としての絶望度は、過去の事例と比べるとやや低いとされています。
優待廃止は確かに大きなマイナスですが、企業自体の業績が崩れたわけではなく、むしろ配当政策は改善されています。そのため、株価が十分に下がれば、配当狙いの投資家が新たに買いに入る可能性があるという見方です。
一方で、スタンダード市場の中小型株としては依然として割高に見えるという意見もあり、どの水準まで下がれば「割安」と評価されるかは意見が分かれるところです。
トリプルバガー目前から一転して暴落したこの銘柄が、ここから復活するのか、それともさらに下落していくのかは、今後の市場の評価に委ねられることになります。
まとめ
今回のナンバーワンの株主優待廃止は、高額優待を目当てに株を保有していた投資家にとって大きな打撃となりました。2024年10月に発表された年間3万円分のクオカード優待が株価を約900円から2500円まで押し上げ、トリプルバガー目前まで導いた一方で、その優待が廃止された瞬間に、株価は夜間ストップ安に張り付くほどの急落を見せました。
しかし、企業の業績自体は安定しており、42円の増配によって今期の配当は78円に引き上げられています。株価が大きく下がれば、配当利回りは約4%前後となり、配当株としての魅力が再評価される可能性もあります。高額株主優待という強力な武器を失ったナンバーワンが、ここからどのような株価の道を歩むのか。投資家にとっては、優待と企業価値の関係を改めて考えさせられる象徴的な事例となりました。


コメント