本記事は、YouTube動画『【宣戦布告】地政学的リスクが一気に再燃!』の内容を基に構成しています。
2026年の世界経済は、年明けから極めて不穏な空気に包まれています。
米国によるベネズエラへの軍事介入をきっかけに、地政学的リスクが一気に表面化し、それが単なる地域紛争ではなく、米国と中国という世界最大級の経済大国同士の対立へと発展しつつあるからです。しかも今回は戦車やミサイルではなく、石油と通貨という、現代の世界経済の中枢をなす資源が武器として使われています。
この動画では、米国がなぜベネズエラに軍事行動を起こしたのか、その裏で中国がどのように「通貨」を使って反撃しようとしているのかが、データと地政学の視点から詳しく解説されています。初心者の方でも理解できるよう、ここから順を追って整理していきます。
米国のベネズエラ侵攻が意味するもの
まず今回の混乱の出発点は、米国がベネズエラの海域を事実上封鎖し、原油の輸出を止めたことにあります。
ベネズエラ経済において原油は極めて重要で、国家収入の約30%を占めています。その輸出が止まるということは、単なる経済制裁ではなく、国家の血流を止める行為に等しいものです。
しかも米軍の介入によって、実際の物流が物理的に妨害されました。
少なくとも11隻のタンカーが引き返す事態となり、本来であれば世界市場に供給されるはずだった約1200万バレルの原油がベネズエラ国内の貯蔵タンクに滞留しています。
問題は、そのタンクにも容量の限界があることです。貯蔵できなければ生産を止めるしかなく、実際にベネズエラの石油生産量はわずか2週間で約25%も減少しました。年間換算では50万バレル以上の供給減です。
ここで重要なのは、この原油を誰が最も多く買っていたのかという点です。
中国が最大の「被害者」になる構図
ベネズエラ産原油の90%以上は中国の製油所が購入していました。しかも中国は1バレルあたり10ドルから15ドルという大幅な値引きを受けており、極めて安価なエネルギー供給源としてベネズエラを活用していました。
それが米国の海上封鎖によって断ち切られたのです。これはベネズエラへの制裁であると同時に、中国に対するエネルギー戦争でもあります。中国の安価な原油供給が約25%減少したという事実は、中国の製造業コストやインフレ、ひいては経済成長に直接的な打撃を与えます。
つまりトランプ大統領がマドゥーロ大統領を拘束したのは表向きの話で、本当の狙いは中国のエネルギー動脈を締め上げることにあったと動画では指摘されています。
海軍による「物流支配」という新しい戦争
現代の戦争はミサイルの撃ち合いだけではありません。石油や原材料が運ばれる海上ルートを誰が支配しているかが、その国の経済力を決定づけます。
米国は中東、スエズ運河、ホルムズ海峡、そしてラテンアメリカまで、世界中の要所に軍事基地と艦隊を配置しています。
これは中国の原油供給ルートを常に射程に収めるためでもあります。中国の供給源は中東、マレーシア、ラテンアメリカなどに分散していますが、それらはすべて米国の海軍力によって遮断可能な場所にあります。
このため米国は2045年までに373隻規模の艦隊を編成する計画を進めており、そのために1兆ドル以上を投じる予定です。米国が財政赤字に苦しんでいても、軍事費だけは削られない理由がここにあります。覇権国家である以上、世界の物流を物理的に支配し続けなければならないからです。
中国の反撃は「通貨戦争」
しかし中国も黙ってはいません。軍事力で米国に対抗するのは現実的ではないため、中国が選んだ武器が「通貨」です。
米国は中国製品に対して20%の関税を課し、同盟国にも中国製品を買わないよう求める「フォートレス・アメリカ」戦略を進めています。これに対して中国は人民元を意図的に強くすることで反撃しようとしています。
現在の為替レートはおおよそ1ドル=7人民元ですが、これが1ドル=6.5人民元まで上昇する可能性があるとされています。
人民元高になると中国の輸出競争力は一見すると落ちるように見えますが、中国政府は補助金によって生産コストを引き下げています。
例えば100ドルの商品に20%の関税がかかると120ドルになりますが、50ドルで生産できれば関税込みでも60ドルで売れます。さらに人民元高で価格が70ドルや80ドルになっても、米国製品より依然として安いのです。
同時に人民元高は、「中国はダンピングで世界にデフレを輸出している」という米国の主張を論理的に崩す効果もあります。通貨が強い国が不当に安い価格で輸出しているとは言いにくくなるからです。
強い通貨は世界の資本を引き寄せる
もう1つ重要なのは、通貨高が国際資本を引き寄せる力を持つことです。過去20年で米ドルの購買力はほぼ半分になりました。ドルを現金で持ち続けること自体が損になる時代です。だからこそ、投資家は「価値が上がる通貨」を求めます。
2021年から2024年にかけて人民元が下落したとき、中国から資金は大量に流出しました。しかし2025年には状況が一変し、中国株式市場はS&P500を11%以上も上回るパフォーマンスを記録しました。
多くの投資家が米国株に注目する中で、これは見過ごせない事実です。
通貨が強くなれば、その通貨建ての株式や債券も魅力を増します。人民元高は中国市場への信頼を高め、世界中の資本を呼び戻す効果を持つのです。
ゴールドと資源の争奪戦
さらに中国は、強い人民元を使ってゴールドと資源を大量に買い集めています。特に金鉱山の買収は急速に進んでおり、中央アジアからアフリカに至るまで、中国企業が鉱山と油田を次々に手に入れています。
人民元が強ければ、海外資産をより多く買えるため、金や原油を実物資産として国内に取り込むことが可能になります。これはドル準備を減らし、金融制裁への耐性を高める戦略でもあります。
2026年は「米中の正面衝突の年」になるのか
動画の結論は明確です。米国は軍事力、とりわけ海軍力によって世界の物流とエネルギーを支配し続けようとしています。一方で中国は通貨と資本市場を武器に、米国の経済的影響力を削ごうとしています。
この2つが同時に加速する2026年は、地政学と金融が交差する極めて不安定な年になる可能性があります。世界の資本がどちらに流れるのか、それこそが今後の勝敗を決める最大の要因になるでしょう。
まとめ
本記事は、YouTube動画『【宣戦布告】地政学的リスクが一気に再燃!』の内容を基に、米国のベネズエラ侵攻と中国の人民元戦略がいかに連動しているかを整理しました。米国は石油と海軍力によって中国のエネルギー供給を締め上げ、中国は人民元高と資本市場で反撃しています。
2026年に向けて、この「石油」と「通貨」の戦争はさらに激化していく可能性が高く、投資家にとっても世界の構造変化を読み解くことがますます重要になっていきます。


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