今回の関税ショックは前回より深刻か?グリーンランド問題で揺れる市場と「関税ショック2.0」の全体像

本記事は、YouTube動画『今回の関税は前回よりヤバい(1月21日)』の内容を基に構成しています。

目次

導入 なぜ世界の株・暗号資産が同時に崩れ、金だけが急騰したのか

動画では、いわゆる「関税ショック」をきっかけに、欧州株・米国株・暗号資産が大きく下落し、同時にゴールドが大幅上昇した状況が整理されています。特に印象的なのは、株式が下がる局面で「ゴールドが3.7%上昇」「シルバーが6.73%上昇」と、典型的な“リスク回避”の資金移動が強く出た点です。一方でビットコインは3.9%下落、イーサリアムも6.79%下落と、逃避先にならず「株と同じ方向に売られた」と説明されています。

この回は、単に「関税が上がるから株が下がる」という話では終わりません。動画の主題は、関税が“領土問題”と結び付いたことで、前回よりも政治色が濃く、国際関係の衝突リスクを一気に高めた点にあります。

背景説明 「関税」が交渉カードになると何が起きるのか

関税は本来、輸入品に上乗せされるコストです。関税が引き上げられると、輸出側の企業は売上が落ちたり、利益率が下がったりしやすくなります。さらに、企業は生産拠点の見直しや価格転嫁を迫られるため、景気やインフレ、金融政策にも波及します。

ただし動画で強調されているのは、「今回の関税は経済政策の延長というより、政治目的(しかも領土問題)に強く寄っている」という点です。経済の枠を超えた材料が突然入ると、市場は“先の見通し”を作りにくくなります。その結果、株や暗号資産のようなリスク資産は売られやすくなり、金のように“国に依存しにくい資産”へ資金が集まりやすくなります。

動画内容の詳細解説 下落の発端は「欧州同盟国への段階的関税」とグリーンランド問題

動画では、欧州を中心に株価が大きく下落した理由として、グリーンランドを巡る対立が挙げられています。具体的には、「グリーンランドをアメリカが買えないなら関税を引き上げる」という形で、関税が圧力として使われた、という整理です。

さらに、関税の引き上げは段階的で、動画内では「2月1日から10%」「6月1日から25%」へ引き上げる方針が語られています。対象として名前が挙がっているのは、デンマークに加え、ノルウェー、スウェーデン、フランス、ドイツ、イギリス、オランダ、フィンランドなどの同盟国です。ここが市場のショックを大きくしたポイントで、単一国との摩擦ではなく“同盟圏を巻き込む形”に見えたため、欧州株が強く売られた流れとして説明されています。

欧州株の下落と「報復」の可能性

欧州側はこれまで、関税の脅しがあっても「話し合いで落としどころを探す」姿勢が目立っていた一方、今回は領土問題が絡むため反発が強い、と動画では述べられています。対抗措置としては、米国からの輸入への関税だけでなく、デジタル分野への課税強化の可能性にも触れています。欧州で広く使われるデジタルサービスに対して“強い手段”が検討され得る、という見立てです。

この「対抗措置が現実味を帯びる」こと自体が、市場にとっては不確実性の上乗せになります。関税は一方通行で終わるより、掛け合いになった瞬間に“関税戦争”という構図になりやすく、企業業績の見通しがさらに立てにくくなります。

米国株は全面安 NASDAQが象徴的に売られた

米国株も大きく下落したとして、動画では「NASDAQが2.39%下落」「S&P500が2.06%下落」「ダウが1.76%下落」「ラッセルが1.21%下落」といった数字が示されています。加えて、VIXは「20.69まで上昇」とされ、短期的な恐怖感が強まった様子が語られています。

動画の視点では、米国株はもともと「高いバリュエーションで、何かあれば調整が起きてもおかしくない」状態だったところに、今回のショックが重なり“調整のきっかけ”になった、という位置づけです。

金利が上がっているのにドルが下がる 「全部安」という異常な形

この回で特徴的なのが、金利上昇とドル安が同時に進んだ点です。通常は「金利が上がるとドルが買われやすい」というセオリーがあるのに、動画では「金利が2日連続で上がったのに、ドルも2日連続で下がった」と語られています。

この形になると、市場では「株も売り、国債も売り、ドルも売り」という“全部安”が意識されます。動画では、これはアメリカへの信認が揺らいだ結果として説明され、いわゆる教科書的な連動が崩れている点が警戒材料として扱われています。

「チキンアウト」シナリオ 下落が1日で終わる可能性もある

一方で、動画は悲観一辺倒ではありません。今回の関税圧力は強硬だが、金利が上がりすぎると政権側にとって不都合が出る、という論点が出ます。動画では「アフォーダビリティ(生活のしやすさ)」が重要テーマで、金利上昇は「車が買えない、家が買えない」など生活面に響き、中間選挙で不利になる可能性があるため、強硬姿勢を引っ込める(チキンアウトする)可能性がある、という見立てです。

つまり、相場は「ダボス会議で何を言うか」に強く左右される構図で、下落が「1日だけの押し目」で終わる可能性もあれば、強硬姿勢が続けば下落が継続する可能性もある、という二択として提示されています。

追加解説 なぜ“分散”が強調され、金がクッションになるのか

動画の後半は、相場の下落原因だけでなく「どう向き合うか」に重心が移ります。ポイントは大きく2つで、米国一極集中の見直しと、資産の分散です。

米国以外が強い年もある 「米国最強」ではないという視点

動画では、米国を除いた世界株が大きく上がっている、という話が出てきます。さらに日本についても、直近1年間で「37%上がっている」と言及があり、アメリカだけを見ていると“他の国が上がっている”局面に気づきにくい、という問題意識が語られます。

ここで重要なのは、「アメリカがダメ」という断定ではなく、米国市場がプラスで終わる可能性を残しつつも、集中しすぎると相対的に不利になり得る、という現実的なトーンです。

メガテック偏重を避ける選択肢 イコールウェイトという考え方

動画では、NASDAQの下落の中でも大型テックが象徴的に売られたことが示され、機関投資家が大型テックから資金を引き揚げる流れが続いている可能性に触れています。そのうえで、S&P500の「イコールウェイト(RSP)」の話が出てきます。

時価総額加重の指数は、少数の巨大企業の影響を強く受けます。イコールウェイトは“企業の大きさによる偏り”を弱めるため、メガテック偏重を避けたいという発想と相性が良い、という文脈で語られていました。もちろん、どの指数も下がる日は下がりますが、「偏りをどう抑えるか」という視点がここで整理されています。

金の急騰は“逃避先”の再確認 ただし高値掴みには注意が必要

ゴールドは出来高を伴って急騰し、短期指標では買われすぎ水準(RSIが70超)に触れている、と動画では説明されます。ただし「70を超えたから直ちに売り」ではなく、ゴールドは70超が数日続いたり、長く続くこともあるため、単純な逆張りでは判断しにくい、という注意点も語られています。

さらに、株が下がる局面で金が上がることがあるため、ポートフォリオの一部に金を組み込むとクッションになり得る、という考え方が示されます。動画内では「10%」という比率の例も出ており、値動きの性質の違いを利用する“守りの分散”として位置づけられています。

暗号資産は「リスク資産」寄りに動いた 株との連動に注意

ビットコインは「9万ドルを割れて8万9415ドル」、イーサリアムも「3000ドルを割れて2990ドル」と、節目を割ったことが語られています。ここでは「逃避先」というより、NASDAQなど株の下落と同じ方向に売られやすい局面がある、という整理です。ダボス会議の発言次第で反発の可能性はあるものの、少なくとも今回の局面では“株と連動しやすい”リスクが強調されています。

まとめ 今回の本質は「関税」ではなく“領土問題を絡めた政治ショック”にある

動画が伝えている結論を整理すると、今回の下落は単なる関税ニュースではなく、グリーンランドという領土問題を関税カードで揺さぶる構図が市場の不確実性を一気に押し上げた点にあります。その結果、欧州株・米国株・暗号資産が同時に売られ、金と銀が強く買われるという、典型的なリスク回避の値動きが一気に噴き出しました。

一方で、下落が長引くかどうかは「ダボス会議での発言」や、金利上昇を政権側がどこまで許容するかに左右される、というのが動画の重要な視点です。強硬姿勢が続けば下落は継続し得ますが、金利上昇が生活コストを直撃するほど進めば、姿勢を引っ込める(チキンアウトする)可能性もあり、下落が短期で終わるシナリオも残ります。

そして投資の向き合い方としては、米国一極集中に偏りすぎず、地域やセクター、資産クラスを分散する発想が繰り返し語られました。金がクッションになり得る点、メガテック偏重を抑える考え方、そして暗号資産がリスク資産として売られる局面がある点まで含め、「次の一手」は“値動きの理由”と“資産の性質の違い”をセットで理解することが重要だと言えそうです。

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