本記事は、YouTube動画『【転換】世界のプロは円と金を買う』の内容を基に構成しています。
ドル円が急落し、金価格が節目に迫る中で、プロの資金がどこへ向かっているのかが注目されています。
動画では、ドル円が1ドル155円台まで急落した背景にある当局の動き、そして金が買われる複数の理由を整理しつつ、2026年以降の相場観として「国際分散投資の時代」へ移行する可能性が語られています。
ここでは初心者の方でも理解できるように、為替介入の段階やレートチェックの意味、金が上がるメカニズム、株式市場の評価のされ方などを順を追って丁寧に解説していきます。
ドル円が急落し、相場の空気が変わった
動画の冒頭で示されたのは、ドル円相場が約1.8%下落し、1ドル155円71銭まで急落したという事実です。さらにテクニカル面でも50日移動平均線を下回ったとされ、短期の流れが変わり得る局面として取り上げられています。
重要なのは、単に値動きがあったという話ではなく、急落の主因として「日米当局が連携して過度な円安を防ぐ可能性」が意識された点です。
具体的には、米財務省の指示でニューヨーク連銀が、為替介入の前段とみなされるレートチェックを行っていることが明らかになり、それが「円の買い戻し」を誘発した、という流れが説明されています。
レートチェックとは何か。為替介入は段階を踏んで行われる
レートチェックは「介入の合図」として意識されやすい
レートチェックとは、日銀などが銀行や市場参加者に対して、現在の取引水準について問い合わせる行為です。
動画内では、単なる問い合わせではなく、実際の介入と同様の注文を出して現在の売値・買値を提示させ、その後に注文をキャンセルする、といった手順が語られています。
この行為がなぜ重要かというと、市場参加者はレートチェックを「為替介入の全段階」として受け止めやすいからです。相場は期待で動くため、実際に介入が行われる前でも、介入が近いと感じれば先回りの売買が発生します。今回の円高方向への急変も、その心理が強く働いた動きとして説明されています。
いきなり介入しない。口先介入から始まり段階的に強まる
動画では、為替介入がいきなり実施されるのではなく、段階を踏むことが強調されています。
流れとしては、まず弱いメッセージから始まり、必要に応じて強い警告へ移り、最後に準備行動としてレートチェックが入り、それでも止まらなければ実弾の為替介入へ移行する、という考え方です。
初心者の方にとっては、ここが最も実務的なポイントになります。
ニュースで当局者が「急激な変動」「必要なら適切な措置」「あらゆる措置を排除せず」といった言葉を使い始めたら、それは市場に対する段階的な圧力が強まっているサインになり得ます。
そしてレートチェックが出れば、口先介入のフェーズを越えて、より具体的な行動の直前と解釈されやすい、という整理です。
今回の注目点は「日銀ではなくニューヨーク連銀」だった
日米協調介入の可能性が示唆され、インパクトが大きくなる
今回のレートチェックで特に注目すべき点として、動画では「レートチェックをしたのが日銀ではなくニューヨーク連銀だった」と述べています。これは、仮に介入に発展した場合、日本単独ではなく日米の協調介入になる可能性を示す材料になり得る、という見立てです。
ここで初心者向けに噛み砕くと、単独介入は市場が「どれくらい続くのか」「弾切れしないか」を見に行くのに対し、協調介入は市場が「相手が大きすぎて逆らいにくい」と感じやすい、という違いがあります。
単独介入が効きにくい理由。外貨準備には限りがある
動画の論点は明確で、日本の単独介入は、最初の1回か2回は効いても継続しにくい、という点です。
なぜなら、円を買うためにはドルを売る必要があり、手持ちのドル資産が減っていくと、いずれ円を買う余力が弱まるからです。
さらに、ドル資産が減っていくこと自体が市場に「限界」を見せてしまい、かえって円安が加速する原因になりかねない、という見方も示されています。ここは、介入のニュースを見たときに「一度効いたから安心」と判断しないための重要な視点です。
協調介入だと話が変わる。市場心理に与える圧力が異なる
一方で協調介入の場合、動画では「米国は理論上無限にドルを発行できる」ため、当局側の対応余力が極めて大きい、と説明されています。これにより市場参加者は、円売りを続ける気力が削がれやすく、円安トレンドが終わる可能性が高まる、という結論につながっています。
この部分は厳密には制度面の議論が絡みますが、動画の主旨は「市場がそう信じること自体が相場を動かす」という点にあります。協調介入は、実際の実弾よりも「姿勢の誇示」が大きな影響を持ちやすい、という理解が実用的です。
過去事例で理解する:協調介入は円高を一気に進めたことがある
1998年:日米協調介入で円安が止まった
動画では過去の例として1998年が挙げられています。1997年のアジア通貨危機を背景に日本経済への悲観が高まり、ドル円が大きく円安方向へ動いた局面がありました。
そこで日本と米国が協調介入を実施した結果、ドル円が約1年半で30%超下落した、つまり円高が進んだと説明されています。
初心者向けに言うと、こうした歴史は「協調介入が入ると、相場のトレンドがひっくり返ることがある」という実例になります。
もちろん同じ再現が保証されるわけではありませんが、市場がこの記憶を持っている以上、協調介入の匂いが出た段階でポジション調整が起きやすい、という意味があります。
1985年:プラザ合意でドル円が約50%動いた
さらに強い例として、1985年のプラザ合意が紹介されています。日本と米国だけでなく、イギリス、フランス、西ドイツを含むG5で協調介入が実施され、ドル円が1ドル262円台から約3年で120円台まで動き、50%超のドル安・円高になった、という話です。
ここから読み取れるのは、複数国が「方向性を揃える」と、市場はそれを無視しづらいという点です。動画はこの歴史を踏まえて、円安がこのまま続くと安易に考えない方がよい、という注意喚起につなげています。
金が買われている理由:上昇の背景は1つではなく、複数の要因が重なっている
動画では次に金へ話題が移り、金スポット価格が5000ドルの節目に迫っていること、年初来で約15.4%上昇し、S&P500の約1%高を大きく上回っていることが語られます。そして「なぜ金が買われるのか」を5つの理由で説明しています。
理由1:通貨価値の下落への備え。ディベースメントが意識されている
1つ目は、通貨価値の下落に備える買いです。インフレが高止まりする、あるいは財政悪化への懸念が強まると、法定通貨の信認が揺らぎやすくなります。その代替資産として金が注目される、という整理です。
動画では米国の財政悪化や追加関税などにも触れ、ドルへの信認が揺らぐ材料が積み重なっているという主張が展開されます。また、米国だけではなく日本や欧州でも債務負担の膨張や拡張的政策により通貨への信認が弱まっており、それも金の追い風になっている、と述べています。
初心者の方は、金が上がる理由を「危機になったら上がる」だけで理解しがちですが、動画はもう一段踏み込み、「通貨の価値がじわじわ薄まる局面」で金が選ばれることがある、と説明しています。
理由2:金利低下が金に追い風になる。利息が付かない資産の弱点が薄れる
2つ目は金利低下です。金は利息が付かないため、金利が高い局面では相対的に魅力が下がりやすい一方、金利が下がるとその弱点が目立たなくなります。動画では、足元の労働市場の減速などから景気後退の兆しがあり、もし景気後退が進めばFRBの大幅利下げで金投資が増える可能性がある、と説明しています。
加えて、MMFに積み上がった約7兆7000億ドルの資金の一部が金へ回る可能性にも言及しています。ここは数字が大きいため、初心者の方がイメージしやすいポイントです。金価格は「新しく入ってくる資金の流れ」で上がる面があり、その受け皿としてMMF資金が意識される、という流れです。
さらに動画では、米国の個人投資家の金保有比率が約0.17%と低いことを挙げ、これが投資ブームで1%まで上がるだけでも金価格が8000ドルを超える可能性がある、という試算も紹介されています。ここは予測の一例ではありますが、金市場にとって「買い手が増える余地」が大きい、という主張を補強する数字として扱われています。
理由3:中央銀行が金を買っている。価格を気にしない買い手がいる
3つ目は中央銀行の買いです。世界の中央銀行は、制裁や交渉の圧力などを背景に、戦略的にドル資産の比率を下げ、金の比率を増やしていると語られます。
ここが重要なのは、中央銀行は基本的に短期の値動きよりも戦略目的で買うため、価格をあまり気にせず買うことがある、という点です。すると、機関投資家や個人投資家は「価格を気にしない買い手」と同じ市場で買うことになり、結果として金が割高でもさらに割高になる局面が生まれ得る、という説明につながっています。
理由4:株価が割高で、下落リスクが意識されると資金の逃避先として金が選ばれやすい
4つ目は割高な株価です。動画ではS&P500の評価指標としてSラーPRが40.7倍で、過去155年平均の17.3倍を2倍以上上回っている、という数字が提示されています。
初心者の方にとって「株価が割高」と言われてもピンと来ないことがありますが、要するに利益に対して株価が高く買われすぎている状態だと、少しの悪材料で下げやすい、という意味です。
動画はこの文脈で、これまで牽引してきたマグニフィセント7がピークアウトしている可能性や、関連ETFが50日移動平均線を下回っているといった状況も挙げています。そのうえで、AIバブルが崩壊して米国株が急落する場合、金も一時的に売られることはあり得るが、売りが一巡して落ち着けば、以前よりも金へ資金が流れやすくなり、金価格がさらに上昇する可能性がある、と述べています。
ここは大事な視点で、金は万能の安全資産ではなく、ショック時には一緒に売られることがある、という現実を踏まえつつも、最終的な資金の移動先として金が選ばれやすい、という構造を説明しています。
理由5:ドル安局面が続くなら、金の上昇圧力が続きやすい
5つ目はドル安です。動画ではドル指数が約10年弱で上昇と下落を交互に繰り返す傾向があること、そしてドルと金が逆相関になりやすいことが語られます。そのうえでドル指数は2022年に天井を付け下落トレンドに入っているため、2030年頃にかけてドル安が続き、金は上昇し続ける可能性がある、という見立てです。
ただし動画は、今すぐ金を買い向かうタイミングではない、とも述べています。もしAIバブル崩壊などで金も同時に売られる局面が来たら、その時が買い向かうタイミングになり得る、というスタンスです。初心者の方は「上がると言ったなら今買うべき」と受け取りやすいのですが、動画は押し目や市場のパニック局面を待つ姿勢も同時に示している点が重要です。
質問回答に学ぶ、現金比率と投資期間の考え方
動画後半では、コメント欄からの質問に答える形で、現金比率や欧州・新興国投資の考え方が補足されています。ここは初心者が最も悩みやすい「何をどれくらい持つのか」「積み立てでいいのか」というテーマに直結します。
現金比率50%の「現金」とは何か。不動産クラファンなども含めている
現金比率を50%にしているという話に対して、ここで言う現金は純粋な銀行預金だけなのか、という質問が出ています。動画の回答は、結論として不動産クラウドファンディングへの投資なども含めている、というものです。
背景として、日本のインフレ率が約3%だとすると、円の現金をそのまま持っているだけで実質的に年3%目減りする、という考え方が示されています。
だからといって株式や外国債、コモディティ、暗号資産は価格変動や為替変動のリスクがある。日本国債はリターンが小さい。そこで、半年から1年程度で償還するような比較的短期の投資先、不動産クラファンや短期の企業貸付のような形で、インフレ率を上回るリターンを狙っている、という説明です。
初心者向けに整理すると、ここで言う現金比率は「すぐに使える流動性」を重視しつつも、インフレ負けしない工夫を組み合わせている、というイメージになります。完全な現金だけを積むのではなく、期間が短く、相場の影響を受けにくい形で運用する選択肢を混ぜる、という発想です。
欧州株・新興国株は積み立てではなく、期間を区切った投資になりやすい
もう1つの質問は、欧州や新興国ETFを推奨するのは積み立てなのか、という点です。動画の回答は明確で、積み立てではない、というものです。
積み立て投資に向く国は、30年から40年以上の超長期で投資しやすい国であり、それが米国株だ、という整理が置かれています。一方で欧州株や新興国株はドル安局面では有望だが、ドル高局面では米国の機関投資家が為替リスクを警戒して資金を引き上げやすい傾向があるため、投資期間が5年から10年程度の比較的短いものになりやすい。だから積み立てで薄く買うより、最初に大きめの金額を入れていく必要がある、という考え方です。
ただし、投資タイミングを間違えるリスクがあるので、現実的には1年程度かけてポジションを増やしていくのがよい、という補足もあります。つまり一括投資の考え方を持ちつつも、時間分散も取り入れる折衷案として、1年で段階的に増やす、という提案です。
投資トレンドが変わるのは「景気後退の後」に来る景気拡大局面から
動画では、投資のトレンドが大きく変わるのは、米国が景気後退に入り、その後に訪れる景気拡大局面からだ、と述べています。足元で一部の地域が人気化しているとしても、次の局面ではより広い地域、東南アジア、南アジア、東欧、中央アジア、アフリカなどへ資金が向かい、米国株をアウトパフォームする可能性がある、という見立てです。
ここは初心者が見落としがちなポイントで、テーマ投資や国別投資は「永遠に勝ち続けるもの」ではなく、ドル高・ドル安や景気循環に応じて有利不利が変わる、という前提を持つことが大切だと示しています。
相場観の提示:2026年からのシナリオと、守りの姿勢
動画の終盤では、今後の相場観がかなり具体的に語られます。ポイントは、2026年の米国景気後退、追加利下げ、株価下落、そしてその後の国際分散投資へのシフトです。
米国は2026年に景気後退し、FRBは6回から8回の追加利下げ
動画では、労働市場の急激な悪化を背景に2026年に米国が景気後退し、FRBが6回から8回分の追加利下げに踏み切ると予想しています。利下げサイクルが本格化する中で米国株は弱気相場入りし、2027年3月に底打ちする可能性がある。ただしS&P500の天井をまだ確認できていないなら、2027年10月まで連れ込む可能性もある、と幅を持たせています。
この幅を持たせる根拠として、景気後退を伴う下落相場は天井を付けてから平均15カ月後に底打ちする傾向がある、という経験則が語られています。
S&P500の最大下落率は50%。円建てでは60%という警戒
予想として、S&P500の最大下落率は50%、円建てでは60%とされています。円建てがより大きく見えるのは、株価の下落に加えて為替の変動が影響するためです。例えば米国株が下落する局面で円高が同時に進めば、円換算の下落は大きくなりやすい、ということになります。
この前提があるため、個人投資家は将来の株安に備えて現金比率を高めるべきであり、本人は50%まで引き上げている、と述べています。ここは「強気の投資家が突然守りに回っている」ことを示す部分で、動画タイトルの転換という言葉とも整合します。
欧州株・新興国株の底打ちは米国株より早い可能性
欧州株や新興国株も連れ安になるものの、2026年の夏頃に底打ちする可能性がある、という見立ても示されています。理由は、これまで多くの市場参加者が欧州株や新興国株をポートフォリオに組み入れてこなかったため、売り圧力が米国株より弱いからだ、という説明です。
これは初心者にも理解しやすい構造で、みんなが持っている資産は、下げ始めると投げ売りが出やすい。逆に、そもそも持っている人が少ない資産は、投げ売りが相対的に出にくい。そうした需給の違いが底打ちの早さにつながる、という整理です。
ドル安が加速し、金は強い。ビットコインはサイクル上厳しい局面
利下げサイクルが本格化すればドルの投資妙味がなくなり、世界的にドル安が加速する可能性がある、と動画は述べます。反対に金の投資妙味は増し、引き続き強い推移になるという予想です。
一方でビットコインについては、半減期の4年サイクルで最もパフォーマンスが悪くなりやすい、半減期の翌々年に当たるため、高値から最大80%下落し、10月から12月頃に底打ちする可能性がある、という見立てが語られています。
2026年から2040年は米国株の年平均リターンが低下し、国際分散投資の時代へ
対局観として、2026年から2040年頃にかけてS&P500の年平均リターンは1桁台前半の低いパフォーマンスにとどまる一方で、欧州株、新興国株、コモディティ、暗号資産などが比較的高いパフォーマンスになり、次の局面は国際分散投資の時代になる、という結論が提示されています。
ここで言う国際分散投資とは、単に国を増やすというより、資産クラスも広げ、ドル一強の前提を弱めていくという意味合いに近いと読み取れます。円と金が買われるというテーマも、その流れの中に位置づけられています。
まとめ:円高と金高は、単なるトレンドではなく「構造変化」のサインかもしれない
動画『【転換】世界のプロは円と金を買う』は、ドル円の急落がレートチェックという当局の動きに反応したものであり、とりわけニューヨーク連銀が関与した点から日米協調介入の可能性が意識されたことを強調しています。協調介入は過去にも大きな円高をもたらした事例があり、円安が続くと決めつけない姿勢が必要だ、というメッセージが軸になっています。
同時に金については、通貨価値の下落への備え、金利低下、中央銀行の買い、株価の割高感、ドル安といった複数の要因が重なって買われていると整理し、特に投資家の金保有比率が低い現状から、資金流入の余地が大きいという見方が示されました。ただし今すぐ飛びつくのではなく、株式市場の急落局面で金も売られるタイミングが来たら買い向かうという考え方も提示され、相場に対する距離感の取り方が語られています。
そして全体の相場観としては、2026年の米国景気後退と追加利下げ、米国株の弱気相場入りと大きな下落リスクを見据え、現金比率を高める守りの姿勢を強めつつ、次の局面では欧州株や新興国株、コモディティなどへ資金が広がる国際分散投資の時代になる可能性がある、という結論にまとまっています。今後のニュースで口先介入やレートチェック、協調介入の匂いが出てきたときは、円とドルの関係だけでなく、株式や金を含めた資金の流れ全体を意識しておくことが、初心者にとっても大きなヒントになるはずです。


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