本記事は、YouTube動画『【韓国経済】トランプ大統領が韓国に25%関税を警告!対米投資はいつになったらできるのか!』の内容を基に構成しています。
トランプ大統領による突然の25%関税警告
2026年1月26日のニューヨーク時間、トランプ大統領が韓国に対して強い警告を発しました。内容は、韓国が2025年10月に合意した米韓貿易協定を遵守していないとして、韓国からの輸入品に対する相互関税を15%から25%へ引き上げる可能性があるというものです。
この発言を受け、翌1月27日の韓国株式市場では、自動車や電子部品など輸出関連銘柄を中心に売りが広がりました。すでに合意した貿易協定があるにもかかわらず、再び関税引き上げが警告されたことで、「合意したから安心」という考えが通用しない現実が浮き彫りになった形です。
この問題は韓国だけの話ではなく、日本にとっても決して他人事ではない点が重要です。
米韓貿易協議の経緯を振り返る
今回の問題を理解するためには、米韓貿易協議の経緯を振り返る必要があります。
米韓は2025年7月30日に貿易協議で大筋合意に至りましたが、細かな条件調整に時間がかかり、最終的な合意は11月までずれ込みました。その中核となったのが、韓国による総額3500億ドル規模の対米投資です。
この投資は、アメリカが戦略分野と位置づける以下の分野を中心としたものでした。
- 造船
- エネルギー
- 半導体
- 医薬品
- 重要鉱物
- AI
- 量子コンピューティング
しかし、合意までの過程は決して順調ではありませんでした。
韓国世論を冷やした「不法就労」問題
協議が難航した背景の1つとして、アメリカ国内の現代自動車工場で起きた出来事があります。韓国人労働者が不法就労の疑いで大量に拘束された問題です。
当事者の労働者たちは短期滞在ビザを保有していたと主張しましたが、アメリカ当局は問答無用で身柄を拘束し、拘束中に劣悪な扱いを受けたとされています。この件は韓国国内で大きく報じられ、世論は急速にアメリカへの投資に慎重な姿勢へと傾きました。
結果として、韓国国内での政治的・世論的な反発が、貿易協議や対米投資の進展を遅らせる一因になったと見られています。
3500億ドル投資はまだ実行段階に入っていない
米韓政府間では11月に正式な合意が成立しましたが、韓国国内では同年11月26日にようやく国会へ特別法案が提出された段階です。
この法案は2026年1月時点でも審議中で、可決は早くても2月以降になると報じられています。そのため、韓国の企画財政省は1月16日のインタビューで、対米投資の実行は2026年上半期中は難しいとの見解を示しました。
つまり、アメリカ側から見れば「約束した投資が一向に動かない」状況が続いていることになります。
今回の関税警告に込められたアメリカの狙い
このタイミングでトランプ大統領が関税引き上げを警告した背景には、複数の狙いがあると考えられます。
1つは、イ・ジェミョン政権、韓国国会、そして韓国社会全体に対する圧力です。特別法案を早期に可決し、対米投資を本格化させるよう促す意図があると見られます。
さらにもう1つ重要なのが、韓国の外交姿勢です。
中国接近への警戒感も影響か
関税警告の直前、イ・ジェミョン大統領は中国を訪問し、中韓関係の改善に動きました。前政権下では、アメリカや日本との関係を重視する政策が取られていましたが、現政権はより現実路線を取りつつ、中国とも関係修復を図っています。
中国は2016年の韓国によるミサイル防衛システム配備以降、K-POPなど韓国コンテンツへの規制を続けてきましたが、今回の訪中ではこれを緩和する方向で議論が行われたとされています。中国国内でのK-POPコンサート再開への期待も高まっています。
韓国経済は中国への依存度が高く、中国は最大の貿易相手国です。中国側としては、韓国を自国寄りに引き寄せ、日本やアメリカに対する影響力を強めたい思惑があると考えられます。
こうした動きを、アメリカが快く思わないのは自然な流れであり、今回の関税警告に政治的な要因が含まれている可能性は否定できません。
為替市場への影響と韓国ウォンの行方
韓国ウォンは2025年12月に一時1ドル1480ウォン台まで下落しましたが、その後は1441ウォン付近まで持ち直しています。背景には、公的年金による為替ヘッジの実施や、ドル建て投資の抑制、財務長官によるウォン安牽制発言などがあります。
しかし、仮に25%の相互関税が実際に適用されれば、韓国の対米輸出は減少し、ウォン安圧力が再び強まる可能性があります。
一方で、関税回避を目的に対米投資を急げば、ドル資金の需要が増え、これもまたウォン安要因になり得ます。投資資金の多くはドル建てで調達され、ドル建て収益も見込まれますが、本来国内に回るはずだった資金が海外に向かう点は無視できません。
日本との共通点と違い
この話題について「円安の日本も同じではないか」と感じる人もいるでしょう。実際、積極財政を志向する政権という点では共通点があります。
ただし、金融システムの基盤や国際金融市場での位置づけには大きな違いがあります。そのため、同列に語ることはできないものの、通貨安と財政・貿易政策の関係という点では、日本にとっても参考になる側面があります。
韓国経済の厳しい現状
韓国のGDP成長率は2025年第3四半期時点でマイナス0.3%と、すでにマイナス成長に陥っています。この状況で25%の関税が長期化すれば、経済への打撃はさらに大きくなる可能性があります。
特別法案が可決されず、対米投資が進まなければ、関税が維持されるリスクも高まります。今後、イ・ジェミョン政権が中国との関係をどう調整し、アメリカとどう向き合うのかが、韓国経済の行方を左右する重要なポイントになりそうです。
まとめ
トランプ大統領による韓国への25%関税警告は、単なる貿易問題にとどまらず、対米投資の遅れ、国内政治、そして中韓関係といった複数の要因が絡み合った結果と言えます。韓国は、関税回避と通貨安防止という相反する課題を同時に抱え、非常に難しい舵取りを迫られています。
今後、特別法案の行方や、韓国の外交姿勢の変化が、アメリカの対応にどのような影響を与えるのか。韓国経済は引き続き緊張感の高い局面が続くと見られます。


コメント