本記事は、YouTube動画「ついに来る!アドバン、オリラン、富士通」の内容を基に構成しています。
決算シーズンがいよいよ本格化し、日本株市場は重要な山場を迎えています。
特に半導体関連株や大型主力株の決算が集中する今週から来週にかけては、個別銘柄ごとに大きな値動きが想定され、投資家の注目度は一段と高まっています。本記事では、動画内で取り上げられた主要銘柄について、背景や決算内容、今後の注目点を初心者にも分かりやすく整理していきます。
決算シーズン本格化の背景と市場環境
足元の日本株市場は、米国株高や半導体需要回復への期待を背景に、全体としては堅調な地合いが続いてきました。一方で、ここにきて決算発表が集中するタイミングを迎え、個別企業の業績内容によって明暗がはっきり分かれる局面に入っています。
特に半導体関連は、AI需要やデータセンター投資の拡大を追い風に高成長を続けてきた一方で、すでに株価に好材料が織り込まれている銘柄も多く、「決算後に材料出尽くしとなるのか」「さらなる上方修正が出るのか」が大きな焦点となっています。
新越化学工業の決算内容と株価の反応
まず取り上げられているのが、新越化学工業です。同社はこの日に第3クォーター決算を発表しました。売上高は前年同期比で2.1%減少し、最終利益は8.6%減少と、数字だけを見るとやや弱い印象を受けます。ただし、第3クォーター終了時点での進捗率は79.6%と、例年とほぼ同水準であり、決して大きく崩れた決算ではありません。
事業別に見ると、主力のシリコンウェハー事業はほぼ横ばいで推移している一方、生活環境基盤材料事業の利益が35%減少しています。従来は両事業がほぼ同程度の利益構成でしたが、現在はシリコンウェハー事業の比率が52%まで上昇し、生活環境基盤材料事業は29%まで低下しています。
この背景には、中国企業による製品供給増加と価格競争の激化があります。需要自体が伸び悩む中で価格競争が起きており、これは個社努力ではどうにもならないマクロ要因の影響が大きいと考えられます。
株価は決算当日は0.5%上昇して引けたものの、PTSでは約5%下落する場面もあり、市場はやや慎重な反応を示しています。さらに、株式売り出しの発表も重なり、仮に10%程度のディスカウントで実施される可能性がある点は短期的な重しとなりそうです。ただし、同時に約1000億円規模の自社株買いを実施する方針も示しており、需給面では一定のバランスを取ろうとする姿勢が見て取れます。
江崎グリコに浮上した非公開化観測
次に取り上げられているのが江崎グリコです。同社は決算発表ではないものの、大きな材料が出たことで株価が8.7%上昇しました。日足・週足チャートともに、それまでじわじわと上昇していた流れから一気に上放れる形となっています。
材料となったのは、米国の投資ファンドであるダルトン・インベストメンツによる非公開化提案の報道です。ダルトンは2025年8月時点で約10.27%の株式を保有しており、これで3年連続の株主提案となります。アクティビストファンドとして知られるダルトンが動いたことで、市場は一気に思惑買いが入った形です。
今後の決算スケジュールが示す注目ポイント
動画内で特に強調されているのが、今後の決算スケジュールの密度です。1月28日にはアドバンテストの決算が予定されており、同日にはオランダの半導体装置大手ASMLの決算も日本時間15時に発表されます。
ASMLはEUV露光装置で世界的な独占的地位を持つ企業であり、日本のレーザーテックとも事業構造が似ているため、ASMLの決算内容はレーザーテック株の先行指標としても注目されています。
1月29日にはヒューリックの本決算、さらに富士通、NEC、日立といった日本を代表する大型IT・電機株の決算が同日に集中します。これほど注目度の高い銘柄が同日に決算を迎えるのは珍しく、市場全体のボラティリティも高まりやすい局面といえます。
アドバンテスト決算への市場の期待と懸念
アドバンテストは、今回の決算シーズンの中でも「圧倒的主役」と位置付けられています。直近でも株価は5.85%上昇しており、PERは65.9倍と、一般的には割高に見える水準です。それでもなお買われ続けている背景には、圧倒的な業績成長があります。
前回の第2クォーター決算では、売上高が21%増、営業利益が63%増、最終利益が70%増と、日本企業の中でも異例ともいえる高成長を記録しました。利益率も41%と非常に高く、業績内容に対する評価は極めて高い状況です。
進捗率も第2クォーター終了時点で62%と、例年の40%台前半を大きく上回っています。過去数年にわたって何度も上方修正を重ねてきた実績があり、今回も追加の上方修正が出るかどうかが最大の注目点となっています。
一方で、市場ではすでに「良い決算が出るのは分かっている」という認識も広がっており、決算後に材料出尽くしで売られるリスクも意識されています。決算をまたぐかどうかについては投資家ごとに判断が分かれるところですが、動画内では、仮に売られた場合でもトレンドに沿って買い向かうというスタンスが示されています。
富士通とオリエンタルランドの明暗
富士通は直近で7%下落する場面がありましたが、これはUBS証券による投資判断の引き下げが主な要因です。
DRAM価格の高止まりが利益を圧迫するとの見方から、目標株価が4550円から4500円に引き下げられました。ただし、同様の影響は他の半導体関連企業にも当てはまるため、市場ではやや過剰反応との見方もあります。株価水準としては、NECや日立と比較すると割安感が意識されやすい位置にあります。
一方、オリエンタルランドは下落基調が続いており、2025年4月につけた安値に迫る水準まで下がってきています。ここを明確に割り込むと、次の下値目標として2020年のコロナショック時につけた2500円近辺が意識される可能性があります。
同社は10月から12月期が最も稼ぎ時となる企業であり、第3クォーター決算で前年同期を上回れるかどうかが極めて重要です。
もしこの期間で利益が伸び悩むようであれば、「成長のピークアウト」が意識され、評価の見直しにつながる可能性も否定できません。
決算ラッシュをどう乗り切るか
今週から来週にかけては、日本株・米国株ともに超大型企業の決算が相次ぎます。米国ではMicrosoft、Meta、Tesla、Lam Research、Appleなども控えており、これらの結果が世界の株式市場全体に与える影響も小さくありません。
こうした局面では、短期的な値動きに振り回されるのではなく、各企業の業績トレンドや市場環境を冷静に見極める姿勢が重要になります。決算を「イベント」として捉えつつも、その後のトレンドがどこに向かうのかを意識した判断が求められます。
まとめ
今回の動画で示されている通り、今週はまさに決算シーズンの山場といえるタイミングです。アドバンテストを筆頭に、半導体関連株は引き続き高い注目を集める一方、オリエンタルランドや富士通といった主力株では評価の見直しが進む可能性もあります。
重要なのは、決算の数字そのものだけでなく、市場がその内容をどう受け止めるかです。好決算でも売られることがあり、逆に悪材料が出尽くして買われることもあります。決算ラッシュという荒波の中で、自分なりの視点とルールを持ち、冷静に相場と向き合うことが、長期的な投資成果につながるといえるでしょう。


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