本記事は、YouTube動画『1億溶かして破産しました。最後にライブトレードで勝負します』の内容を基に構成しています。
「1億溶かして破産」はどのように起きたのか
動画は、投稿者が「1億円を溶かして破産した」と告白するところから始まります。
冒頭から胸の痛み、不安、吐き気、動悸、体調不良といった強いストレス反応が語られ、精神的にも生活面でも追い込まれている様子が前面に出ています。
同時にこの動画は、単なる感情的な告白で終わらせず、証拠として口座画面、ランキングサービス、取引履歴、残高などを提示しながら、いつ何を取引してどう崩れたのかを説明する構成になっています。
最後には残金約58万円で海外口座のライブトレードを行うと宣言し、視聴者には「真似しないでください」と繰り返します。
この一連の流れは、勝者の成功談ではなく、勝っていた人が短期間で一気に転落する典型的な崩壊の物語として見ることができます。
3000万円スタートから9800万円へ、そして58万円へ
投稿者は、2025年8月に国内口座で3000万円からトレードを再開し、ランキング機能のあるサービスにも登録していたと話します。
途中経過として、2025年10月はプラス2100万円で18位、2025年12月はプラス2600万から2700万円で8位、2026年1月は月途中までプラス1900万円ほどで、口座評価が約9800万円に到達したと説明します。
しかし、2026年1月下旬に大きく崩れ、1月26日に約7000万円規模の損失で評価額が約2600万円へ急減し、その後1月29日から30日にかけてさらに約2600万円を失って残金が約58万8000円になったといいます。
動画内では、税金の未払いが発生する見込みにも触れています。
前年に稼いだ分の税金が約2000万円から3000万円規模で発生する可能性があるのに、家賃も払えない、生活費や健康保険料、猫の治療費など固定支出がある、と具体的に語られます。
つまり「トレードの損失」だけでなく、「生活の資金繰り」と「税金」という現実が同時にのしかかり、精神面の不安定さを加速させている構図です。
証拠提示と、崩壊までのプロセス
証拠として示されたもの ランキング、取引履歴、銀行残高
投稿者は「嘘と思われるのが嫌だから証拠を見せる」という姿勢で、国内口座の画面やランキング、取引履歴の一部、銀行残高などを映し出します。
ランキングについては、過去に上位へ入っていたが、アカウントの扱いを変更したことで表示が消えた部分がある、損失の大きい月のランキングにはさらに巨額の損失を出した参加者もいる、などの説明が加わります。
取引履歴では、1月下旬にユーロ円、銀、天然ガスなどが並び、損益が急速に悪化していく様子が語られます。
また、銀行口座の残高として法人側が約5万1061円、個人側が約100万円程度と説明し、ここから海外口座へ入金して勝負に出る意向を述べます。現金や電子マネー残高も含めても資金に余裕がない状態であることが強調されます。
「常にトレードしていた」生活と、追い詰められた心理
投稿者は、ランキング上位を狙っていたため、歩きながらノートパソコンで取引した、ジムでも取引した、外食中でも取引した、と語ります。ここで重要なのは、努力の量ではなく、取引が生活全体を侵食していく危険な状態が見えている点です。
さらに「復活できるチャンスが何度もあったのに、恐怖で入れなかった」とも話します。
大損の直後は、損失回復のために無理な勝負をしがちです。一方で恐怖で動けなくなることもあり、判断が極端に振れます。この揺れが、次の誤判断の土台になります。
崩壊の第1段 2026年1月26日の銀取引で約7000万円規模の損失
動画後半では、具体的にどのように崩れたかをチャートで説明します。第1段は銀の取引です。
投稿者は、過去の銀相場で「窓開け後に急落する」ような値動きを経験しており、それと似た動きが再現されると考えたと語ります。
前日高値付近で終わり、窓開けで始まり、一定時間上げた後に急落するというイメージを前提に、序盤で買い、途中で売りへ転じるなど、期待するシナリオに合わせてポジションを組み立てたといいます。
しかし実際には、予想と反対に強く上昇し、含み損が膨らみ、精神的に崩れた状態でさらに大きくポジションを持つような行動を取ってしまったと示唆されます。結果として1月26日に大きな損失を確定し、評価額が約2600万円まで落ちた、と説明されます。
ここで注目すべきは「過去のパターンを再現しようとした」という点です。相場は似た形には見えても、同じ結果になる保証はありません。特にレバレッジ取引では、似ていると思った瞬間に大きく張る行動が、最も危険なトリガーになります。
崩壊の第2段 残り約2600万円からの再勝負、銀の続行と最終的な強制ロスカット
1月26日の大損後、投稿者は2日ほど寝込んだと語ります。それでも「税金を払うために稼がないといけない」「早く取り返したい」という焦りが強く、残った資金で再び勝負を選びます。
この時点で、別の選択肢として「残金で生活を立て直し、ライブトレードや事業で小さく積み上げる」「父親へ相談する」といった道も口にしますが、最終的に「銀で最後の勝負」に進んだと述べます。
そして、押し目買いのチャンスを逃した後に急落に巻き込まれ、損切りが続き、恐怖で震えが止まらない状態になったと話します。結果として銀で強制ロスカットが発生し、残金が約500万円規模まで減ったと説明されます。
最後のとどめ 天然ガス取引で一時回復するが、乗り換えと反転で58万円へ
銀で資金が約500万円まで減った後、投稿者は天然ガスで勝負に出ます。天然ガスは値動きが大きく、少ない資金でも大きな変動を受けやすいと本人も語り、ギャンブル性の高さを自覚した上での勝負だったことが示されます。
動画では、一時的にうまくいって資金が増え、1500万円程度まで回復した局面があったと説明されます。ところが睡眠薬の影響も示唆され、短時間で目が覚めてチャートを見てしまい、銀の節目を意識して乗り換え、そこで連続売買を繰り返し、朝起きたら残金が約58万円になっていた、という流れが語られます。
この部分は、相場の勝ち負け以前に、体調と判断力が崩れているときに取引を続ける危険性が最も濃く出ています。本人も「普通ならチャンス待ちなのに、もう関係なく入っていた」と認めています。
この動画が示す「破産の典型パターン」と注意点
1億円を溶かすのは「才能の欠如」ではなく「構造の崩壊」で起きる
動画の中心にあるのは、負け方の派手さではなく、負ける構造が完成していく過程です。
勝っていた時期があるほど、人は「次も当てられる」「この形は前も取れた」と感じやすくなります。そこへ、税金や家賃などの期限付きの支払いが重なると、トレードは投資や検証ではなく、資金繰りの手段に変質します。資金繰りになった瞬間、焦りが優先され、ルールは守れなくなり、ロットは上がりやすくなります。
この動画は、その変質が起きた瞬間からの崩壊を、本人の言葉で具体的に追っている点に価値があります。
「ライブトレードで最後に勝負」は、視聴者にも投稿者にも危うい
本人は「真似しないでください」と繰り返しますが、残金58万円で一発勝負を宣言する構図自体が、視聴者の射幸心を刺激します。さらに投稿者本人にとっても、注目や期待がプレッシャーになり、冷静な判断を遠ざける可能性があります。
本来、資金が尽きかけている局面で必要なのは、取り返す勝負ではなく、損失の連鎖を止める仕組みです。取引回数を減らす、ロットを固定する、損失上限を設ける、体調不良時は取引しない、といった当たり前の安全装置が機能しないと、資金が小さくなった後ほど破滅の速度は上がります。
税金の問題は「勝った後」ほど重い
動画では税金2000万円から3000万円の見込みが語られます。国内FXやCFD、海外口座、役員報酬など、収入源が複数あると、納税額の把握が遅れやすく、資金を残さず再投下してしまう事故が起きます。
本人も途中で「事情があれば分割などの相談ができると後で知った」と話しますが、税金は相場のように待ってくれません。勝った年ほど、翌年の支払いに備えるキャッシュ管理が不可欠です。
まとめ 勝っていた人が崩れるとき、何が起きていたのか
動画『1億溶かして破産しました。最後にライブトレードで勝負します』は、巨額損失の告白で注目を集める一方で、実際には「勝っていた人が短期間で崩壊する典型的なプロセス」を具体的に映し出しています。
3000万円から約9800万円まで増えた後、2026年1月26日の銀取引で約7000万円規模の損失が発生し、残った約2600万円で再勝負を続け、銀での強制ロスカットを経て、最後は天然ガスでの連続売買と判断崩壊により約58万円まで落ちた、という流れが本人の説明として提示されました。
この話の核心は、相場の予想が外れたことではありません。焦り、体調不良、生活費と税金の圧力、過去パターンへの固執、ロットの肥大化、そして「取り返すための勝負」によって、安全装置が外れていった点にあります。
動画の最後に本人はライブトレードを予告し、視聴者に通知登録を促します。しかし視聴者側は、エンタメとして消費するだけでなく、同じ構造に自分が入り込んでいないかを点検する材料として受け取るべき内容です。特に「勝っている時期があった人ほど崩れる速度が速くなる」という現実を、この動画は強く示しています。


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