雇用悪化が示す米国景気の転換点|マグニフィセント7に広がる異変とAIバブル変調の兆し

本記事は、YouTube動画『【雇用悪化】マグセブンに異変が起きてる AIバブルに変調』の内容を基に構成しています。


目次

史上最高値の裏で進む米国経済の異変

ダウ平均が史上初めて5万ドルを突破し、米国株式市場は一見すると好調を維持しているように見えます。しかし、その裏側では米国経済の土台とも言える労働市場に明確な変調が表れ始めています。


今回の動画では、雇用統計や企業の人員削減データを基に、景気後退の前兆と考えられる現象がどのように進行しているのか、そしてそれがマグニフィセント7を中心としたAI関連株にどのような影響を与えているのかが詳しく解説されています。

歴史的水準に達した人員削減数

米調査会社チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスによると、2026年1月の人員削減数は約10万8000人に達し、前年同月比で118%増加しました。

この水準は、リーマンショック直後の2009年1月に記録した約24万2000人以来、17年ぶりの高水準です。


通常、1月から3月は企業が人員整理を行いやすい時期ですが、それを考慮しても今回の削減数は突出しています。

特に注目すべき点は、これらの削減計画が2025年時点で策定されていたという事実です。これは、企業経営者が2026年以降の景気見通しに対して、かなり慎重、あるいは悲観的な見方をしていることを示唆しています。

業種別に見る雇用悪化の実態

運輸・テクノロジー分野で顕著な人員削減

1月の人員削減数が最も多かった業種は運輸で、約3万1000人に達しました。これは、物流最大手UPSがAmazonとの取引関係解消に伴い、約3万人の削減を発表したことが主因です。


次に多かったのがテクノロジー分野で、約2万2000人の削減が発表されました。そのうち約1万6000人はAmazonによる管理職削減です。

このAmazonの人員削減は、表面的にはAIによる業務効率化が理由と受け取られがちですが、実際にはコロナ禍以降の過剰採用の反動と見るのが妥当とされています。

膨張していた人員を適正水準に戻す動きであるものの、それでも雇用が失われた事実は変わりません。

雇用悪化が消費と企業業績に与える影響

人員削減が進むということは、収入を失う人が増えることを意味します。

そうした人々の消費が鈍化すれば、企業の売上や利益にも悪影響が及び、結果として景気全体を冷やす要因となります。


このように、雇用悪化は単なる一時的な調整ではなく、連鎖的に経済へ影響を与えるリスクをはらんでいます。

AIと雇用の関係が示す構造変化

1月の人員削減のうち、AIを理由としたものは約8000人で、全体の7.4%を占めました。これは2025年通年の4.5%を大きく上回る水準です。


この数字は、AIが本格的に労働市場へ影響を及ぼし始めていることを示しています。

特に専門サービスや金融・保険といった分野で求人件数が大きく減少しており、企業が人を雇う代わりにAIの活用を選択している様子が浮かび上がります。

求人件数の減少と「奇妙なバランス」の崩壊

求人件数が示す景気後退のサイン

米労働省が発表した2025年12月のJOLTS求人件数は654万2000件と、市場予想の720万件を大きく下回りました。この水準は2020年9月以来、およそ5年ぶりの低さです。


さらに、過去20か月間続いていた700万件から800万件のレンジを明確に下抜けた点は、非常に重要な意味を持ちます。

労働市場の「奇妙なバランス」とは何か

これまで労働市場では、求人件数が減少しても労働参加率も同時に低下したため、失業率は大きく上昇せず横ばいで推移してきました。これがFRB議長が指摘していた「奇妙なバランス」です。


しかし、求人件数の減少が加速すれば、労働参加率が同じペースで下がらない限り、失業率は上昇に転じます。実際、失業者1人当たりの求人件数は0.9と、2か月連続で1を下回っており、失業率が上がり始める条件は整いつつあります。

マグニフィセント7とAI投資への懸念

Amazon決算が示した市場の変化

Amazonの株価は決算発表後に5.6%急落しました。

EPSは予想1.96ドルに対して1.95ドルとわずかに下回った一方、売上高は2133億9000万ドルと予想を上回り、AWSの売上高成長率も24%と加速していました。


それにもかかわらず株価が下落した最大の理由は、2026年通年の設備投資計画が約2000億ドルと報じられ、AIへの過剰投資が懸念されたためです。

巨額投資と収益化の不透明感

Microsoft、メタ、アルファベットを含めた主要ビッグテック4社の設備投資計画は合計で6300億ドルから6700億ドル、約100兆円規模に達します。

しかし、AIの明確な収益化モデルはいまだ確立されていません。
もしAI投資が期待した利益を生まなければ、これらの巨額投資は将来の損失となり、企業利益を圧迫する可能性があります。

株価動向が示す警戒感

直近1週間で、Microsoftは6.8%安、アルファベットは4.6%安、Amazonは12.1%安、メタは7.7%安と軒並み下落しました。


一時的な反発は見られるものの、マグニフィセント7関連ETFが50日移動平均線を大きく下回っている現状を見ると、本格的な強気転換と判断するのは時期尚早と考えられます。

まとめ:雇用悪化が示す次の相場局面への備え

今回の動画が示しているのは、米国経済が転換点に差し掛かっている可能性です。雇用の悪化、求人件数の減少、AI投資への過剰期待と不透明感が重なり、これまで市場を牽引してきたマグニフィセント7にも明確な変調が表れ始めています。


労働市場は一度悪化すると急速に悪化する傾向があり、今後は景気後退を前提とした慎重な資産運用が求められる局面に入る可能性があります。


株式市場の表面的な強さだけに目を奪われず、雇用や投資動向といったファンダメンタルズの変化を冷静に見極めることが、これからの投資判断において重要になると言えるでしょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次