任天堂〈7974〉決算分析|Switch2は“薄利多売”か?妥当株価と買い目安を業績モデルで徹底検証

本記事は、YouTube動画『【7974 任天堂】Switch2は”薄利多売”?業績予想モデルで妥当な株価水準を、ここまで下がれば買い向かっても納得か!?』の内容を基に構成しています。

目次

決算シーズンの中で異彩を放つ任天堂の株価下落

2026年3月期第3四半期決算がピークを迎える中、多くの銘柄が市場予想を上回る好決算を発表しています。その一方で、任天堂〈7974〉は決算発表後に株価が下落基調となり、市場の評価が揺らいでいます。

株価は一時1万4000円台まで上昇した後、決算発表を経て8500円前後まで下落しました。この水準ではPERは約25倍、PBRは約3.3倍です。決して「割安」と言い切れる水準ではありません。

売上高は8000億円超と過去最高を記録しましたが、営業利益は1552億円で市場予想を約12%下回りました。特に注目されたのは営業利益率の低下です。

前年同期の営業利益率26%に対し、今回は19.2%まで低下しました。売上は伸びているにもかかわらず、利益の伸びが鈍化している点が株価下落の主因と考えられます。

営業利益率低下の3つの要因

今回の利益率悪化には主に3つの要因があります。

1.製品ミックスの悪化

Nintendo Switch2は好調に売れていますが、売上の約8割以上をハードが占めています。本来、ゲーム会社はハードよりもソフトの方が利益率が高い構造です。

従来のハード発売時には、ソフトも同時購入されるケースが多くありました。しかしSwitch2は旧Switchソフトが使用可能であるため、新作ソフトの同時購入が想定より少なかったと見られます。これが利益率低下に直結しています。

2.地域構成の変化

円安環境下では海外売上が増えるほど利益押し上げ効果が期待されます。しかし販売地域の構成次第では想定通りに利益が伸びない場合もあります。

3.メモリ価格の高騰

最も懸念されているのがメモリ価格の上昇です。2027年3月期には500億円から800億円規模のマイナス要因になる可能性が示唆されています。

任天堂は長期契約で対策を講じていると説明していますが、500億円規模の影響は無視できません。

業績推移とEPSの変化

直近数年間の業績を見ると、2025年3月期は減益となり、1株当たり利益(EPS)は約400円台から250円台へ落ち込みました。

ROEも20%超から10%強へ低下しましたが、一般的にROE8%以上が優良水準とされるため、致命的な悪化ではありません。

問題は今後の成長率です。

過去5年間平均ではマイナス9.4%という数字が出ますが、これは一時的減益の影響が大きいため参考値としては適切ではありません。

業績予想モデルによる株価シミュレーション

動画では簡易的な業績モデルを用いて株価の妥当水準を算出しています。

シナリオ1:強気ケース

・今期EPS600円
・年平均成長率8.4%を5年間維持

この場合、理論株価は約1万700円となります。

実際に株価が1万4000円を付けた場面では、年率14%以上の成長期待が織り込まれていた計算になります。これはかなり高い期待水準です。

シナリオ2:現実的ケース

第3四半期決算を踏まえると、EPS600円はハードルが高く、EPSは約430円前後が現実的と考えられます。

この前提で、

・EPS430円
・年成長率12%

と仮定すると、理論株価は約8850円になります。

現在の8500円前後という株価水準は、すでに12%成長が織り込まれている可能性があります。

シナリオ3:慎重ケース

成長率を8%程度に引き下げると、理論株価は約7500円になります。

これはメモリ価格上昇や製品ミックス悪化を考慮した保守的な前提です。

どこまで下がれば買いか

動画では、7500円前後が一つの目安になると示唆しています。

もちろん株価の底値を正確に捉えることは困難です。しかし理論モデル上、

・8500円=やや強気前提込み
・7500円=慎重シナリオ反映水準

という整理ができます。

任天堂を中長期で保有したい投資家にとっては、7500円前後は検討余地のある水準といえるでしょう。

追加考察:Switch2は本当に“薄利多売”か

今回の状況は「薄利多売」というよりも「ハード先行型」です。

ハード普及が進めば、後からソフト販売が加速する可能性があります。歴史的にも任天堂はハード初期に利益率が低下し、その後ソフトで収益を伸ばす構造を繰り返してきました。

ただし今回はメモリ価格高騰という外部要因が重なっているため、従来より利益回復に時間がかかる可能性もあります。

まとめ

今回の任天堂決算では、売上過去最高にもかかわらず営業利益率低下が市場の失望を招きました。

業績モデルによる試算では、

・強気前提で1万700円
・現実的前提で8850円
・慎重前提で7500円

という水準が算出されます。

現在の株価8500円前後は、やや強気な成長期待を織り込んだ水準といえます。

今後のポイントは、

・ソフト販売の回復
・メモリ価格の動向
・利益率改善のタイミング

これらが確認できれば評価は再び変わる可能性があります。

任天堂を中長期で保有したい投資家にとっては、業績と成長率を冷静に見極めながら、7500円前後を一つの目安として検討する戦略が考えられるでしょう。

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