本記事は、YouTube動画『【絶好のチャンス到来?】FANG+もS&P500も伸び悩みの今、新NISAで米国株を仕込むべき人・待つべき人の判断基準を徹底解説します!』の内容を基に構成しています。
米国株が以前ほどスルスル上がらない。FANG+は直近で下がっている。S&P500も節目を超えられず、なんとなく停滞感がある。こうした局面に入ると、新NISAで米国株インデックスを積み立てている人ほど「このまま積み立てでいいのか」「追加でスポット投資するべきか」「日本株の方が強いなら乗り換えるべきか」と迷いが出やすくなります。
今回の動画は、その迷いに対して、今週発表された経済指標を材料に「なぜ伸び悩むのか」を整理し、さらに「仕込むべき人」と「待つべき人」を分ける具体的な判断基準を提示しています。ポイントは、ニュースでよく聞く雇用統計やCPIを、投資家目線でどう読み替えるか、そして最終的に自分の投資行動をどう決めるかです。
米国株が伸び悩む今、何を基準に判断すべきか
動画の結論は、今の局面が「全員にとって今すぐ買い増しのチャンス」という単純な話ではない、という点にあります。米国株は長期的に強い傾向がある一方、短期的には調整が続く可能性もあり、どちらの行動が正解になるかは人によって変わります。
そこで必要になるのが、相場の雰囲気やSNSの意見ではなく、自分の投資目的と時間軸、そしてリスクへの耐性に基づいた判断基準です。
動画では、まず足元の経済指標が示す状況を押さえた上で、判断基準を3つに整理して提示しています。
雇用統計とCPIが新NISA投資に関係する理由
米国株投資をしていると、毎月のように「雇用統計」や「CPI」のニュースが流れます。しかし、インデックス投資をしている人ほど「結局、自分の投資とどう関係があるのか」が曖昧なままになりがちです。動画はまずここを丁寧に説明しています。
雇用統計は、アメリカの景気の強さを測る最重要指標の1つです。毎月第1金曜日に発表され、非農業部門雇用者数がどれだけ増えたか、失業率が何%か、平均時給がどうなったかが注目されます。
CPIは消費者物価指数で、インフレの状況を測る指標です。物価が上がり続けると生活コストが増え、企業のコストも増えます。逆にインフレが落ち着けば、経済全体の過熱が和らぐ形になります。
そして、この2つがなぜ株価に関係するかというと、FRBの利下げ判断に直結するからです。FRBが利下げをすれば、企業は資金を借りやすくなり、住宅ローン金利も下がりやすくなります。そうすると消費が活発になりやすく、景気の下支えになります。その結果、企業業績が伸びる期待が高まり、株価が上がりやすくなる、という流れです。
逆に金利が高止まりすると、企業の借入コストが増え、消費者もローンを組みにくくなり、景気の上振れが抑えられやすくなります。特に成長期待が強いハイテック株ほど、金利の影響を受けやすいという前提があります。
このように、雇用とインフレは「FRBが利下げできる環境かどうか」を決める材料であり、それが米国株の空気感に影響します。新NISAでS&P500やオルカン、FANG+に投資している人ほど、間接的にこの影響を受けやすい、というのが動画の出発点です。
今週の雇用統計とCPIをどう読むか
雇用統計は強いが、見落としやすい「過方修正」があった
まず、2月11日に発表された1月の雇用統計は、表面上は強い結果でした。非農業部門雇用者数は13万人増で、市場予想の7万人増を大幅に上回りました。失業率も4.3%と前月の4.4%から改善しています。医療分野が8万2000人増、建設業も3万3000人増といった内訳も示され、数字だけ見ると雇用は堅調という印象になります。
しかし動画が強調しているのは、ここでヘッドラインだけを見て終わらないことです。今回の雇用統計には「年次改定による大幅な過方修正」が含まれていました。
具体的には、2025年通年の雇用者数が、当初発表の58万4000人増から18万1000人増へと修正された、という点です。つまり、去年1年で雇用が大きく増えたと思われていたが、実際にはその約3分の1程度しか増えていなかった、という見方になります。動画では、これは2009年以来最大規模の過方修正だとして、エコノミストの間でも2025年の労働市場は思っていたより弱かったという認識が広がっている、と説明しています。
この部分は、初心者ほど見落としやすいポイントです。ニュースで「雇用は強かった」と言われると安心材料に見えますが、実際には過去の評価が書き換わっている可能性があるため、単純な強弱判断が難しくなる、ということです。
CPIは予想を下回り、インフレ鈍化が確認された
次に、2月13日に発表された1月のCPIは、予想を下回る結果でした。総合CPIは前年比プラス2.4%で、市場予想のプラス2.5%を下回りました。前月の12月はプラス2.7%だったため、インフレが着実に落ち着いていると確認できた、という整理です。
コアCPIは前年比プラス2.5%で予想通りでしたが、前月のプラス2.6%からは低下しています。さらに注目点として、前月比の伸びが総合CPIプラス0.2%と、7月以来の低い伸びにとどまった点が挙げられています。
ここで動画は、季節性の話も補足しています。企業は年始に価格を引き上げる傾向があるため、例年1月のCPIは強めの数字が出やすい。しかし今回は伸びが低く、インフレ鈍化がより意識されやすい状況になった、という説明です。
雇用が強くインフレが落ち着くと、FRBは「急がないが利下げできる」状態になる
雇用統計が強いと、FRBは急いで利下げする必要がない、という解釈になります。景気が悪く雇用が減るなら利下げで支える必要がありますが、雇用が強いなら「今すぐ下げなくても耐えられる」という判断になりやすいからです。
一方でCPIが予想を下回り、インフレが落ち着いているなら、利下げしてもインフレが再燃するリスクが低い、という見方につながります。
この2つを合わせると、FRBとしては「急がないが、利下げはできる」状態になる、という整理が動画のポイントです。実際、CPI発表を受けて市場では年内3回の利下げ予想が強まり、年内に1%の利下げを予想する見方もある、と説明されています。さらに、FRB議長がウォ氏に交代する6月のFOMC以降が、本格的な利下げ再開の焦点になりやすい、という見方も示されています。
この段階で、初心者が混乱しやすいのは「じゃあ良い材料が揃っているのに、なぜ株価が上がらないのか」という点です。動画は次にそこを解説します。
なぜS&P500とFANG+は伸び悩むのか
S&P500は「均等加重だと強い」のに「時価総額加重だと重い」
動画では、S&P500が1月9日に6966ポイントをつけた後、1カ月以上7000ポイントという心理的節目を突破できていないと説明しています。ここだけ見ると指数全体が弱いように見えます。
しかし面白いデータとして、S&P500を時価総額加重平均で計算したものと、均等加重で計算したものを比較すると、均等加重の方は4営業日連続で最高値を更新している、という点が紹介されています。
これは何を意味するかというと、大型ハイテック株が指数全体の足を引っ張っている、ということです。時価総額加重のS&P500は、Apple、Microsoft、Amazonのような巨大企業の株価に強く影響されます。これらが下がると指数全体が重くなります。一方で均等加重は500社を平等に扱うため、大型株の影響が薄まり、中小型株や景気敏感株の強さが反映されやすい形になります。
つまり、指数が停滞して見える背景には「米国株全体がダメ」というより「ビッグテックが重い」という構造がある、というのが動画の説明です。
FANG+が直近3カ月でマイナス12%の背景はAI設備投資への懸念
FANG+については、直近3カ月でマイナス12%と大きく下落しているとされています。その主因として挙げられているのが、AI設備投資への懸念です。
MicrosoftとAmazonは決算自体は好調でした。Microsoftは売上がプラス17%、営業利益がプラス21%と強い数字だったにもかかわらず、決算発表後に株価がマイナス6.5%。Amazonも売上がプラス13%と好調だったにもかかわらず株価がマイナス11%と急落しました。
高決算なのに株価が下がる理由として、両社のAI関連の設備投資額が巨額すぎて、これだけ投資して本当にリターンが出るのかという不安が投資家の間で広がった、と説明されています。
具体的には、Amazonは2026年の設備投資額が2000億ドルになる見通しを発表し、Microsoftも前年比65%増の設備投資を計画しているとされています。さらにアルファベットも設備投資を倍増させる計画を示しています。AIの将来性を信じて投資を拡大している一方で、短期的には利益を圧迫するのではないか、という視点が株価の重しになっている、という整理です。
一方で動画内では、GoogleのCEOが以前語った「過小投資のリスクは過大投資のリスクより大きい」という趣旨の言葉が印象に残っているとして、AI競争で遅れを取ることの方が長期的ダメージが大きいのではないか、という見方も示されています。ここは「短期の株価」と「長期の競争戦略」がぶつかっている典型例として理解しやすい部分です。
ソフトウェア株にはAIによる破壊懸念が出ている
FANG+構成銘柄の中で特に売られている領域として、ソフトウェア関連株が挙げられています。背景はAIディスラプション、つまりAIが既存のソフトウェアビジネスを破壊するのではないかという懸念です。
AIによって人間がやっていた作業が自動化されると、従来型ソフトウェアの需要が減る可能性がある、という不安が広がっている、という説明です。
一方で、半導体などのハードウェア関連は比較的強いとされます。AI時代のデータセンター建設には半導体が必要であり、需要の筋が見えやすいからです。
2026年特有のリスクとして「中間選挙年のアノマリー」も意識される
さらに、2026年特有のリスク要因として、中間選挙の年のアノマリーが挙げられています。歴史的に見ると、中間選挙の年は年の前半が軟調で、秋以降に回復しやすい傾向があるという話です。1958年以降のデータでも確認できるとされています。
加えて、トランプ政権の関税政策や、メキシコ・カナダとのUSMCA脱退検討といった不確実性が、市場のボラティリティを高める要因になり得る、という見方も示されています。
ここまでをまとめると、S&P500やFANG+が伸び悩む理由として、ビッグテックのAI設備投資への懸念、利下げ時期の不透明感、中間選挙年のアノマリーといった複数要因が絡んでいる、というのが動画の整理です。ただし企業業績は概ね堅調で、インフレも落ち着きつつあるため、長期投資家にとって致命的に悪い環境ではない、というスタンスも明確に示されています。
仕込むべき人・待つべき人を分ける3つの判断基準
ここからが動画の本題で、視聴者が一番知りたい「じゃあ自分はどうすればいいのか」の部分です。動画では答えを3つの判断基準に分解しています。
判断基準1 投資期間が5年以上かどうか
結論として、5年以上の長期投資が前提の人は「仕込んでもいい」に該当しやすい、とされています。
理由はシンプルで、過去のデータ上、米国株式はどんな大きな暴落が起きても、4年から5年で回復してきた傾向があるからです。リーマンショック、コロナショック、2022年の下落など、時間はかかったが回復し、その後さらに上昇してきた、という説明です。
一方で、1年から2年の短期で結果を求める人は、一旦様子見が無難とされています。中間選挙年は年の前半が軟調になりやすい傾向がある上に、今後さらに10%から15%程度の調整が来る可能性もあるため、短期目線の人は精神的に耐えにくい、という考え方です。
ここで重要なのが、投資目的と時間軸を明確にすることです。例えば、老後資金のために30年運用するなら、短期の下落は気にする必要がなく、むしろ安く買えるチャンスになり得ます。一方で、5年後に子どもの教育資金として使うなら、下落局面での追加投資はリスクが高い、という整理です。
判断基準2 リスク許容度として「含み損に耐えられるか」
2つ目はリスク強度、つまり含み損に精神的に耐えられるか、という判断です。
例として、FANG+の過去の値動きが紹介されています。2022年にはマイナス33%の大幅下落があった一方で、2023年はプラス115%、2024年はプラス70%と大きく上昇した年もある。つまり、上がる時も下がる時も振れ幅が大きい商品だということです。
ここで動画は非常に分かりやすい問いを提示しています。今100万円をFANG+に投資して、もし50万円の含み損になっても耐えられるか、という問いです。
もし耐えられない、夜も眠れなくなりそうだ、と思うなら、ハイリスク商品よりS&P500やオルカンのような分散型の方が合う可能性が高く、今は追加投資を控えて様子を見る選択が現実的です。
逆に、含み損になっても長期で回復すると信じて待てるなら、下落をチャンスと捉えて仕込む選択肢が出てきます。
補足として、一般的な目安の考え方として「100−年齢%」という資産配分ルールも紹介されています。例えば30歳なら100−30で70%をリスク資産に回す目安、という形です。もちろん絶対の正解ではありませんが、リスク量を決める参考になる、という位置づけです。
判断基準3 追加投資余力があるかどうか
3つ目は、今すぐ投資に回せる余裕資金があるかどうかです。
余裕資金がある人は、下落局面で段階的に仕込むことを検討できる。一方、毎月の積み立てで精一杯の人は、無理に追加投資する必要はなく、積み立てを淡々と継続することが最重要だ、と強調されています。追加投資はあくまでオプション、という位置づけです。
ここで動画が勧めているのが段階的投資です。例えば追加資金が100万円ある場合、1回で全額投資するのではなく、現在水準から10%下落したら25万円、さらに10%下落したら追加で25万円、というように段階的に投入していく方法です。
この方法なら、さらに下落した場合はより安い価格で買い増しができますし、逆にここから上昇に転じても、最初の投資分で利益を得られる可能性があります。
そして最重要ポイントとして、マイルールを事前に設定することが挙げられます。例えば、現在からマイナス15%で10万円追加、マイナス25%でさらに20万円追加、というように具体的な数字でルールを決めておく。これによって、下落時に感情に流されず機械的に行動できる、という考え方です。暴落局面では焦りが出やすく、冷静な判断が難しくなるからこそ、事前ルールが武器になるという説明は、多くの初心者にとって刺さりやすい部分です。
動画内で語られた「ラプトル氏の投資戦略」と考え方
動画後半では、話をより具体化するために、発信者自身の投資戦略も紹介されています。ここは視聴者にとって「どういう運用をしている人が、今の相場をどう見ているのか」をイメージしやすいパートです。
ラプトル氏の場合、新NISAの積み立て投資枠ではS&P500とオルカンに毎月10万円を投資し、相場がどうであれ淡々と続けているとしています。積み立て枠は長期で複利効果を最大化する目的であり、短期の値動きは気にしない、というスタンスです。
一方、成長投資枠では、暴落や調整局面が来た時に米国の成長株にスポット投資する戦略を取っています。今回のようにハイテック株が決算をきっかけに大きく下落している状況は、スポット投資のチャンスをうかがう局面だという認識が示されています。
考え方としては、インデックス投資を土台にしつつ、個別株やハイリスク商品で資産形成のスピードを加速させる、というものです。積み立て枠のインデックスは守り、成長投資枠のスポットは攻め、というイメージです。ただし、これはあくまで発信者のスタイルであり、視聴者は自分に合う方法を選ぶべきだ、という前置きもあります。
そして繰り返し強調されるのが、暴落や調整が来た時にどうするかを今のうちに決めておくことです。初心者の頃は焦って判断して後悔した経験があるが、ルールを決めておくことで感情に流されずに行動できるようになった、という話が入ります。
この文脈で出てくるのが「投資はマインドが9割」という考え方です。精神衛生上の安心を確保することが、長く投資を続ける上で重要であり、不安にならない範囲で投資することが大切だ、というメッセージにつながっています。
また、50代60代で運用期間が短く、積み立てだけでは老後資金に間に合わないかもしれないという焦りを抱える人にも触れています。その上で、長期投資だけでなく短期運用を組み合わせて資産形成を加速させる選択肢がある、という話に展開し、発信者が行っている短期取引の紹介につながっていきます。ここは動画内ではサービス案内も含むパートですが、文脈としては「投資期間が短い人ほど焦りが出やすいので、無理な一括投資でなく、別の選択肢も含めて考える必要がある」という問題提起として読めます。
まとめ 今は買い時かどうかではなく「自分の基準があるか」が全て
本動画の要点は、米国株が伸び悩む今の局面を、単なる悲観や楽観で判断しないことにあります。
今週の経済指標は、雇用統計が表面上強かった一方で、2025年の雇用が大幅に過方修正されていたことが分かり、ヘッドラインだけでは本質を見誤る可能性がある点が示されました。CPIは予想を下回り、インフレ鈍化が確認されたことで利下げ期待が高まっている状況です。
それでもS&P500やFANG+が伸び悩む背景には、ビッグテックのAI設備投資への懸念、利下げ時期の不透明感、中間選挙年のアノマリーといった複合要因があります。ただし企業業績は堅調で、インフレも落ち着きつつあるため、長期投資家にとって環境が致命的に悪いわけではない、という見方も示されました。
そして、仕込むべきか待つべきかの判断基準として提示されたのが、投資期間、リスク許容度、追加投資余力の3つです。5年以上の長期投資で、下落に耐えられる精神的余裕があり、余裕資金がある人は段階的に仕込む選択肢がある。一方で、短期で結果を求めていたり、含み損が精神的に厳しかったり、余裕資金がない場合は無理に追加投資せず、積み立てを淡々と継続することが合理的だ、という整理でした。
結局のところ、今が買い時かどうかよりも大切なのは、自分の目的と時間軸、そしてマイルールを決めて守れるかどうかです。市場が荒れた時ほど情報に振り回されやすくなりますが、事前に基準がある人ほど、感情ではなくルールで行動できます。米国株が伸び悩む局面を不安で終わらせるのではなく、自分の投資スタイルを固める機会として捉えることが、長期の資産形成では大きな差になります。


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