自民圧勝でも円高はなぜ起きたのか?ドル円はゲームチェンジかを徹底解説

本記事は、YouTube動画『自民圧勝なのになぜ円高?【井口喜雄のディーラーズアイ】』の内容を基に構成しています。

目次

自民圧勝=円安のはずが、なぜ円高に?

衆議院選挙で自民党が圧勝しました。市場では事前に「高市トレード加速」「積極財政による円安進行」との見方が広がっていました。実際、選挙前にはドル円は157円50銭付近まで上昇し、円安を織り込む動きが見られていました。

しかし結果は逆でした。選挙後、ドル円は大きく円高方向へ振れました。

なぜ市場の想定と逆の動きが起きたのでしょうか。本記事では、その背景と今後のドル円の展望について、動画の解説をもとに整理していきます。

市場は何を織り込んでいたのか

まず、選挙前の市場の前提を整理します。

自民党圧勝 → 積極財政 → 国債増発 → 円安

というロジックが広く共有されていました。特に高市氏を軸とした積極財政路線が強まれば、財政拡張による円安圧力が強まるとの見方です。

実際、ドル円は157円台まで上昇し、さらに159円付近には日米協調のレートチェック水準が控えていました。市場は「円安トレンド継続」を前提にポジションを積み上げていた状況でした。

しかし、この157円50銭から159円までの上昇余地は約1円50銭程度しかありません。リスクに対するリターンが小さい局面でした。

動画内容の詳細解説

1.最大の要因は「為替介入警戒」とポジション巻き戻し

動画で最も強調されていたのは、為替介入への警戒感です。

選挙直後、片山財務大臣から為替介入に関する強い発言が出ました。しかも日米協調のレートチェックが159円付近で行われていることを踏まえると、159円台に突入する局面では実需・当局の動きが入る可能性が高いと市場は判断します。

その結果どうなったか。

・157円台まで積み上がっていた円売りポジションが利益確定
・リスクを取り続ける妙味が薄れた
・短期筋が一斉に巻き戻し

これが円高加速の主因と整理されています。

結論として、今回の円高は「構造変化」ではなく「ポジションの巻き戻し」が中心だったという見方です。

2.圧勝が逆に円高要因になった可能性

一見矛盾しますが、自民党が圧勝したこと自体が円高要因になった可能性も指摘されています。

もし中途半端な勝利であれば、野党のより強い減税案や無理な財政政策を取り入れざるを得なかったかもしれません。しかし圧勝したことで、財政規律を守りやすい環境が整ったとも解釈できます。

さらに、高市氏が食料品消費税0%に関して「新規国債発行を行わない」と発言したことも、海外投資家にとっては「無秩序な財政拡張ではない」という安心材料になりました。

つまり、

圧勝 → 政策安定 → 財政規律維持 → 円高

という解釈も成り立つのです。

ゲームチェンジなのか?円安時代は終わったのか

市場では「円安時代の終わり」「ゲームチェンジ」といった表現も増えています。

しかし動画では、現時点でゲームチェンジと判断するのは早いとしています。

本当に構造転換が起きるなら、ドル円は130円台や120円台へ向かう必要があります。そのためには日銀の本格的な利上げが不可欠です。

日銀は積極的に利上げするのか?

現状はそう簡単ではありません。

・ドル円はすでに152円〜153円台まで円高進行
・160円台のような強いインフレ圧力は後退
・GDPは予想を大きく下回る結果
・消費者物価指数はインフレ鈍化予想
・3月利上げ確率は20%未満に低下

これらを総合すると、日銀が積極的に利上げを加速する環境ではありません。

したがって、「金融政策が劇的に転換した」とまでは言えず、現時点ではゲームチェンジとは判断しにくいというのが動画のスタンスです。

テクニカル視点:注目すべき価格帯

チャート上で重要なポイントも整理されています。

・下値目安:152円10銭
・ここを割れるとロスカットを巻き込み下落加速の可能性
・上値目安:155円付近
・材料次第では反発余地も十分

つまり152円〜155円のレンジを意識した攻防が想定されます。

今は明確な方向感よりも、「材料待ち」の状態であり、短期的な値動きに機動的に対応する局面と言えます。

追加解説:今週の重要イベント

今後の焦点は再び「日米金融政策」に移ります。

注目イベントは以下の通りです。

・日本全国消費者物価指数
・米国PMI速報値
・米国PCEデフレーター
・豪州雇用統計

特に日本のCPIは日銀の政策判断に直結するため、ドル円の方向性を左右する可能性があります。

また、IMM通貨先物ポジションは現在ほぼスクエア(中立)であり、極端な偏りはありません。大規模なポジション調整主導のトレンド発生も起きにくい環境です。

まとめ:今回の円高は構造転換ではない可能性が高い

自民圧勝にもかかわらず円高になった理由は、以下のように整理できます。

・為替介入警戒
・円安ポジションの巻き戻し
・財政規律維持への安心感
・日銀利上げ観測の後退

現時点では「円安時代終了」と断定する材料は揃っていません。真のゲームチェンジには日銀の本格的な利上げサイクルが必要です。

ドル円は152円割れで下落加速、155円方向への反発も視野に入るレンジ局面にあります。

短期的なフロー主導の相場から、再び日米金融政策に焦点が移る局面です。今後のCPIやPCEデータを丁寧に確認しながら、冷静に相場を見ていく必要があります。

円安トレンドが終わったのか、それとも一時的な調整なのか。答えはこれからの政策とデータが示すことになります。

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