本記事は、YouTube動画「PER上昇で株価下落はバブル崩壊ではない!ここが米国株を買う最適なタイミングです!」の内容を基に構成しています。
なぜ今、米国株が「パッとしない」のか
2026年2月時点で、米国株市場は力強さを欠いています。FANG+は直近で約10%下落、S&P500もマイナス圏、ビットコインは直近1ヶ月で約26%下落、さらに直近高値からは約50%下落する局面もありました。
一方でゴールドは直近1ヶ月で約6%上昇しています。しかし、全世界株式や先進国債券はほぼ横ばいです。市場全体が停滞しているように見える状況の中で、「いったい何が起きているのか」「これはバブル崩壊の前兆なのか」と不安を感じている投資家も多いのではないでしょうか。
本動画では、この下落の正体を「PER」と「金利」という2つの視点から整理しています。そして結論として示されるのは、今回の下落は本質的な崩壊ではないということです。
株価は「EPS×PER」で決まる
株価は次の式で表されます。
株価=EPS(1株あたり利益)×PER(株価収益率)
この基本式を理解することが、今回の相場を読み解くカギになります。
FANG+はなぜ3倍になったのか
FANG+指数は2023年から2026年にかけて約3倍に上昇しました。2023年に1000万円投資していれば、2026年時点で3000万円になっていた計算です。
しかし、企業の利益(EPS)が3倍になったわけではありません。実際には利益の伸びは約1.5倍から2倍程度でした。
では、なぜ株価が3倍になったのか。
答えは明確です。EPSが伸びたことに加え、PERが上昇したからです。つまり「期待値」が上乗せされたのです。
今回の下落は、この逆が起きているということになります。
PER低下がもたらす株価調整
利益は崩れていない
直近1ヶ月でFANG+が約10%下落しました。しかし、テクノロジー企業の利益構造が崩れたわけではありません。マグニフィセント7をはじめとする企業群の業績は依然として堅調です。
つまり、EPSは大きく崩れていません。
下落の原因はPER、すなわち市場の期待値の低下です。
PER40倍とはどういう意味か
仮に株価4000円、EPSが100円であれば、PERは40倍です。
これはどういう意味でしょうか。
毎年100円の利益を得る企業を4000円で買うということは、理論上、元本回収に40年かかるということです。利回り換算では約2.5%です。
一方、アメリカの銀行預金では年3%から4%の利息が得られる状況です。
リスクを取って2.5%を狙うのか、ほぼ確実に3%から4%を取るのか。こうした比較が起き、株式から現金へ資金がシフトしたと考えられます。
なぜ「現金シフト」と言えるのか
もし株式から債券やゴールドへ資金が移動しているなら、それらの価格は大きく上昇するはずです。
しかし実際には、債券価格はほぼ横ばい、ゴールドは上昇しているものの、株式下落分すべてを吸収しているわけではありません。
つまり、多くの資金は現金として待機している可能性が高いということです。
これはバブル崩壊なのか?
PERが下がると「バブル崩壊」という言葉が出てきます。しかし、過去の本格的な暴落と比較すると、今回の状況は質が異なります。
日本のバブル崩壊
日本のバブル崩壊では、金利引き上げや貸し剥がしによって、利益を生み出す構造そのものが破壊されました。EPSとPERの両方が崩れました。
ITバブル崩壊
ITバブル時、NASDAQ100のPERは200倍近くまで上昇していました。200倍が20倍に下がれば、株価は理論上10分の1になります。現在の40倍とは次元が違います。
リーマンショック
不動産価格が上がり続けるという前提が崩壊し、EPSとPERが同時に崩れました。
コロナショック
PERは急落しましたが、その後オンライン化の進展によりEPSが急上昇し、株価は急回復しました。
結論として、長期的な大暴落は「EPSとPERが同時に崩れたとき」に起こります。今回はPERのみの調整であり、利益構造は維持されています。
ゴールドは本当に安全資産か
ゴールドは安全資産と呼ばれますが、実際の値動きは激しいものです。
2011年から2015年にかけて約45%下落、2008年には約30%下落、2020年にも約12%下落しました。一方で、直近1年間で約50%上昇しています。
価格変動の大きさを見ると、必ずしも「安定的」とは言えません。
さらに重要なのは、ゴールドは何も生み出さないという点です。利息も利益もありません。一方、企業は価値を創造し、EPSを積み上げます。10年前のGoogleと現在のGoogleでは事業規模も収益力も大きく異なります。
株式は本質的に成長する資産です。
2026年の展望:中間選挙とボラティリティ
2026年はアメリカの中間選挙の年です。歴史的に中間選挙の年はボラティリティが高まりやすい傾向があります。
年間を通じて不安定な値動きが続くことが多いものの、最終的には年末に向けて上昇するケースも多いとされています。
もちろん絶対ではありませんが、EPSが崩れていない現状では、短期的なPER調整を過度に恐れる必要はないと考えられます。
まとめ:本質を理解する者が勝つ
現在の米国株下落は、利益構造の崩壊ではなく、金利と期待値の調整によるPER低下が主因です。
PERは変動します。しかし、EPSが伸び続ける限り、株価の土台は崩れません。
難しい年とされる2026年ですが、長期投資の本質は変わりません。最終的に成長する資産に投資し、市場に居続けることが初心者にとって最も再現性の高い戦略です。
ニュースに振り回されるのではなく、「株価=EPS×PER」という基本式に立ち返ること。
今は恐怖に流されて売るタイミングではなく、本質を理解した上で冷静に構えるタイミングだと言えるでしょう。
PER調整はバブル崩壊ではありません。むしろ、長期投資家にとっては、将来の成長をより適正な価格で仕込める機会になり得ます。
2026年は振り回されやすい1年です。しかし、EPSが崩れていないという事実を見極められる投資家こそが、最終的な勝者になる可能性が高いのです。


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