本記事は、YouTube動画『電力・光ファイバ・自動運転…電線銘柄はどこまで伸びる?フジクラ・住友電工・古河電工・SWCCを徹底解説!』の内容を基に構成しています。
電線関連株が再び脚光を浴びる理由
2026年2月11日時点で、電線関連大手4社の第3四半期決算が出そろいました。住友電工、フジクラ、古河電工はいずれも業績予想の上方修正を発表し、足元の業績は極めて好調です。
その背景としてよく語られるのが「AIデータセンター需要」です。しかし、電線企業の事業は光ファイバーだけではありません。自動車用ワイヤーハーネス、送電ケーブル、海底ケーブルなど、多様な製品群が存在します。
本記事では、電線の種類と各社の利益構造を整理しながら、今後の成長性と株価バリュエーションを長期投資目線で検証します。
電線は「光ファイバー」だけではない
電線と一言で言っても、大きく分けると以下のような分野があります。
情報通信向け電線(光ファイバー)
音声・画像・データを高速で伝送する通信インフラです。AIの普及によりデータセンター間通信が急増し、最も注目されている分野です。
輸送用電線(自動車向け)
ワイヤーハーネスなど、自動車内部の電気配線です。電動化や自動運転の進展により、車1台あたりの配線量は増加傾向にあります。
電力用電線(送電・配電)
発電所から変電所、工場、家庭、データセンターまで電力を届けるケーブルです。AIデータセンターの電力消費拡大に伴い、再整備需要が高まっています。
つまり、AIブームの恩恵は通信ケーブルだけでなく、電力インフラや自動車電装にも波及しています。
動画内容の詳細解説
株価とバリュエーションの現状
2026年2月時点の各社指標は以下の通りです。
フジクラ
株価約23000円
PER42倍
PBR12.5倍
営業利益は約10%上方修正
住友電工
株価約9000円
PER21倍
PBR2.7倍
営業利益約10%上方修正
古河電工
PER28倍
PBR4倍
営業利益約5%強上方修正
2月10日にストップ高
SWCC
PER25.6倍
PBR4.5倍
今回は上方修正なし
株価は24年以降急騰しており、特にフジクラはAI関連期待を背景に評価が大きく切り上がっています。
営業利益構成の違いが株価差を生む
各社の利益構成を整理すると、成長ドライバーが明確に異なります。
フジクラは情報通信事業の比率が圧倒的に高く、AIデータセンター需要の直撃銘柄です。
住友電工は自動車向けと電力インフラを含む全方位型。通信だけに依存していません。
古河電工は通信・自動車・電力をバランスよく展開。
SWCCは電力系の比率が大きい企業です。
この違いがPERの差に表れています。通信特化型ほど高評価、総合型はやや割安という構図です。
フジクラの成長を支える「スパイダーウェブリボン」
フジクラの成長を牽引しているのが「スパイダーウェブリボン」と呼ばれる高付加価値光ファイバーです。
特徴は
・軽量
・細径
・曲げやすい
従来ケーブルよりも配管内に多く敷設でき、既存インフラを活用しやすいという強みがあります。
AIデータセンターでは通信量が急増するため、配線増設コスト削減は大きな価値になります。多少高価でも売れる製品構造が利益率を押し上げています。
住友電工の強みは「総合力」
住友電工は
・光ファイバー
・コネクター
・光システム製品
・ワイヤーハーネス
・電力インフラ
を一体供給できる体制を持ちます。
AIデータセンターでは高速通信、低遅延、消費電力最適化が求められます。住友電工はケーブルだけでなく周辺機器まで含めて提供可能です。
さらに
・再生可能エネルギー向け海底ケーブル
・高圧直流ケーブル
・電力網再整備案件
にも関与しており、電力消費拡大というメガトレンドの恩恵も受けています。
古河電工とSWCCのポジション
古河電工もデータセンター向け光ファイバーを展開しつつ、自動車・電力分野にも強みがあります。近年はV字回復基調です。
SWCCは電力系が主力で、AIによる電力需要増大の中で再評価されています。
電線市場の成長率はどの程度か
世界の電線ケーブル市場は2034年まで年率約6%台半ばで成長すると予測されています。
その中でも光ファイバーは年率10%超の成長見通しです。
AIの社会実装が進むほど通信トラフィックは増加し、データセンター投資が続けば需要は拡大します。
一方で、AI投資が過熱しすぎているとの見方もあり、設備投資の減速リスクも無視できません。
ここが今後の最大の論点です。
バリュエーションは割安か割高か
PERと成長率の関係を見る際に参考になるのがPEGレシオです。
仮に成長率が10%程度にとどまるなら
フジクラPER42倍はやや割高
住友電工PER21倍は比較的妥当
という見方もできます。
しかし、日本企業が高付加価値製品で市場シェアを拡大し、成長率がさらに上振れするなら、現在の水準でも長期投資対象になり得ます。
投資判断は
AI投資がどこまで続くか
電力インフラ再整備がどの程度加速するか
この2点の見通し次第です。
まとめ 電線銘柄は「AI×電力×自動車」の複合テーマ
電線関連銘柄は単なるAIテーマ株ではありません。
・光ファイバー需要拡大
・電動車・自動運転の進展
・再エネと電力網再整備
・データセンターの電力消費増大
という複数の成長軸を持っています。
フジクラは通信特化型の高成長銘柄。
住友電工は全方位型の安定成長銘柄。
古河電工とSWCCはバランス型。
現在の株価水準はすでに期待を織り込んでいますが、長期視点では引き続き注目セクターと言えるでしょう。
今後はAI設備投資の持続性と市場成長率を見極めながら、バリュエーションとのバランスで判断することが重要です。
電線銘柄はどこまで伸びるのか。答えは、AIと電力インフラの未来にかかっています。


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