本記事は、YouTube動画『【衝撃】メタプラネット950億円赤字の裏に隠された営業利益629億円17倍増の真実』の内容を基に構成しています。
950億円赤字という衝撃の見出し
2026年2月16日に発表されたメタプラネットの決算は、多くの投資家に強い衝撃を与えました。親会社株主に帰属する当期純損失は950億円という巨額赤字です。見出しだけを見れば「経営危機」「破綻寸前」と判断しても不思議ではありません。
しかし、決算書を詳細に読み解くと、そこには全く異なる景色が広がっています。実は同時に営業利益は629億円と前年の35億円から約17倍に拡大しているのです。増加率は1695%に達します。
この一見矛盾する数字の裏側には、従来の企業とは全く異なる財務戦略と、ビットコインを軸にした新しい資本モデルが存在しています。本記事では、その構造を初心者にも分かるよう丁寧に解説していきます。
なぜ950億円の赤字が発生したのか
ビットコイン評価損という会計上の仕組み
950億円の赤字の大部分は、ビットコインの評価損です。
日本の会計基準では、企業が保有する暗号資産は期末時点の時価で再評価する必要があります。2025年末はビットコイン価格が調整局面にあったため、帳簿上の損失が膨らみました。
重要なのは、これはあくまで「会計上の損失」であり、実際に現金が流出したわけではないという点です。保有するビットコインの枚数は減っておらず、預金も減っていません。つまり、企業の実質的な資産は消えていないのです。
実質的なビットコイン純資産価値の減少は約828億円にとどまり、会計上の950億円よりも小さい水準でした。
営業利益629億円、17倍増の本当の意味
2024年の営業利益は35億円でしたが、2025年は629億円に急増しました。売上高も前年比738%増の891億円です。
この急成長の原動力は、ホテル事業ではありません。完全にビットコインを軸とした金融モデルへと変貌したことが背景にあります。
ビットコインインカム事業とは何か
メタプラネットは、単にビットコインを保有するだけではありません。保有ビットコインを担保にプットオプションを売却し、オプションプレミアム収入を得ています。
仕組みは次の通りです。
・特定価格でビットコインを買い取る権利を第三者に売る
・その対価としてプレミアム収入を受け取る
価格が上昇すればプレミアムはそのまま利益になります。価格が下落しても、安値でビットコインを追加取得できます。
2026年度予想では、売上高160億円のうち156億円、つまり98%がこのビットコインインカム事業によるものと計画されています。営業利益は114億円を見込んでいます。
3万512枚のビットコインは、単なる保有資産ではなく、年間150億円以上のキャッシュを生む資産へと変貌しています。
BTCイールドという革命的指標
従来のPERやPBRでは、メタプラネットの価値は測れません。同社が最重要指標として掲げるのがBTCイールドです。
これは「1株当たりのビットコイン保有量がどれだけ増えたか」を示す指標です。
2025年度のBTCイールドは568%。発行済株式は約31倍に増加しましたが、それ以上のスピードでビットコインを取得しました。
1株当たり保有量は、
・2024年末:0.004BTC
・2025年末:0.024BTC
約7倍に増加しています。
希薄化しているように見えて、1株の裏付け資産はむしろ増えているのです。
デジタルクレジット戦略の核心
メタプラネットはA種優先株「マーズ」とB種優先株「マキュリー」を発行しました。
マーズは永久型・転換権なしの優先株です。普通株主を希薄化させません。配当率は年1%〜8%で調整されます。
マキュリーは年5%固定配当、転換価格は1000円。発行時株価400〜500円と比べ、安値での希薄化を防ぐ設計です。
低金利の日本円を調達し、発行上限2100万枚のビットコインに変換する。この構造は、通貨発行を利用して希少資産を蓄積する中央銀行的モデルとも言えます。
MNAVという株価の物差し
MNAVとは、企業価値を保有ビットコイン純資産価値で割った指標です。
・1.0倍超 → 増資でビットコイン取得
・1.0倍未満 → 自社株買い
2025年10月、MNAVが0.88倍に低下した際は、5億ドルの自社株買い枠を設定しました。
2026年2月現在、MNAVは約1.03倍。ほぼビットコインそのものに近い評価水準です。
2026年税制改正という追い風
2026年度税制改正では、暗号資産は申告分離課税20%となり、3年間の損失繰越控除が導入予定です。
現在計上されている102億円の評価損は、将来の利益に対する税務シールドとして機能する可能性があります。950億円赤字は、将来の巨大な非課税枠とも解釈できるのです。
ADR上場とグローバル資金流入
2025年12月19日、米国店頭市場でADR(MPJY)が開始されました。
米国投資家が直接投資可能となり、マイクロストラテジーとの裁定取引も可能になります。アンソンファンズなど米系ヘッジファンドも出資しています。
追加解説:3つの株価シナリオ
動画では2027年を想定した3シナリオが提示されています。
強気シナリオ(確率30%)
ビットコイン5000万円到達、株価1万〜1万5000円。
基本シナリオ(確率50%)
ビットコイン2500万円、株価3000〜5000円。
弱気シナリオ(確率20%)
ビットコイン1000万円停滞、株価800〜1200円。
いずれもビットコイン価格が最大の変数です。
投資戦略の考え方
メタプラネットは実質的にビットコインへのレバレッジ投資です。
一般的な目安としては、ポートフォリオ全体の5%〜10%程度に抑えるのが現実的と動画では示唆されています。
エントリーはMNAVが1.0倍付近かそれ以下が目安。保有期間は少なくとも2〜3年の中長期が推奨されています。
まとめ
表面的な950億円赤字の裏には、
・営業利益629億円
・17倍成長
・BTCイールド568%
・MNAVによる機械的資本配分
・税制改正による将来の税務メリット
という、全く異なる財務戦略が存在しています。
メタプラネットは単なる赤字企業ではなく、ビットコインを軸とした新しい資本モデルを構築する企業へと変貌しました。
ビットコインが長期的に価値を持つと考えるなら、この企業モデルは極めて論理的です。一方で、ビットコイン価格への依存度が高いという明確なリスクも抱えています。
現在進行中なのは、1企業の決算劇ではなく、日本資本市場がデジタル資産を取り込む歴史的転換点なのかもしれません。


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