本記事は、YouTube動画『【ゴルカン誕生】Tracers全世界株ゴールドプラスが非常に有望である3つの理由』の内容を基に構成しています。
近年、日本の個人投資家の間では「オルカン(全世界株式)」や「S&P500」といったインデックスファンドが国民的投資商品として人気を集めています。特に新NISAの開始以降、長期積立投資の中心としてこれらのファンドを選ぶ人が増えています。
その中で、今新たに注目を集め始めているのが「ゴールドプラスシリーズ」です。株式と金(ゴールド)を組み合わせた投資戦略であり、これまでに「ゴルプラ(S&P500+金)」や「ゴルナス(NASDAQ100+金)」などが登場していました。
そして2026年3月、新たに登場するのが「Tracers 全世界株式ゴールドプラス」、通称「ゴルカン」です。本記事では、この新しい投資信託の仕組みや特徴、期待される理由、そしてどのような投資家に向いているのかについて詳しく解説していきます。
ゴルカン(Tracers全世界株ゴールドプラス)の基本情報
まずは、この新しいファンドの基本的な仕組みを確認しておきましょう。
ゴルカンの概要
ゴルカンは、以下の2つの資産に投資するレバレッジ型投資信託です。
- 全世界株式(オルカン):100%
- 金(ゴールド):100%
つまり合計200%のポジションを持つ「レバレッジ2倍」の運用を行う商品となっています。
主な特徴は以下の通りです。
- 運用開始日:2026年3月6日
- 投資対象:全世界株式+金
- レバレッジ:2倍
- 信託報酬:約0.2519%
- 運用会社:日興アセットマネジメント
- 取扱証券会社:SBI証券、楽天証券、マネックス証券
ただし、このようなレバレッジ型ファンドは先物などの金融商品を利用してポジションを拡大するため、表面上の信託報酬とは別に「隠れコスト」が発生します。実際の運用では年数%程度のコストがかかる可能性もあるため、その点は理解しておく必要があります。
また、レバレッジ型投資信託であるため、新NISAの非課税枠では購入できない点も注意が必要です。
株式と金の組み合わせはどれくらい強いのか
ゴルカンの最大の特徴は「株式」と「金」という2つの資産を組み合わせている点です。
それでは、この2つの資産は過去どのようなパフォーマンスを示してきたのでしょうか。
過去25年間の平均リターンを見ると、
- 全世界株式:年率約8.0%
- 金先物:年率約8.1%
という結果になっています。
一般的に、金は配当や利益を生み出す資産ではないため、長期的には株式よりリターンが劣ると考えられがちです。しかし実際のデータでは、株式とほぼ同じリターンを記録していることが分かります。
この2つの資産を組み合わせ、さらにレバレッジをかけた場合のバックテストでは、
- ゴルカンの平均リターン:約16.8%
という非常に高い数値になっています。
これは単純に考えれば、年8%程度の資産にレバレッジ2倍をかけた結果とも言えるでしょう。
投資効率(シャープレシオ)も改善している
さらに興味深いのは、ゴルカンは単にリターンが高いだけでなく「投資効率」も改善している点です。
投資効率を測る指標として「シャープレシオ」があります。これはリターンをリスクで割った数値であり、数値が高いほど効率の良い投資とされます。
過去データでは次のようになっています。
- 全世界株式:0.45
- 金:0.50
- ゴルカン:0.73
つまり、レバレッジをかけているにもかかわらず、投資効率はむしろ改善しているのです。
また最大ドローダウン(最大下落率)を見ると、
- 全世界株式:−60.8%
- ゴルカン:−59.6%
という結果になっています。
レバレッジ2倍の商品でありながら、株式単体よりも最大下落率がわずかに改善している点は非常に興味深い結果と言えるでしょう。
過去25年の資産成長率は驚異の57倍
バックテストの結果では、25年間の資産成長率は次のようになっています。
- 全世界株式:約7.4倍
- 金:約7.5倍
- ゴルカン:約57倍
数字だけを見ると桁を疑いたくなるほどの差ですが、これは株式と金が同時に上昇した期間が長かったこと、そしてレバレッジの効果が複利で効いたことが大きく影響しています。
特に直近10年は株式と金が同時に上昇する相場であり、この環境ではレバレッジ型商品が大きな成果を出しやすいと言えます。
ゴルカンが有望と考えられる3つの理由
それでは、今後もゴルカンが有望だと考えられる理由について整理していきます。
長期的理由:通貨価値の下落(ディベースメント)
近年、金融市場で急速に注目されている概念が「ディベースメント(通貨価値の下落)」です。
これは政府の財政赤字拡大や金融緩和によって通貨価値が下がり、それに伴って実物資産の価格が上昇する現象を指します。
歴史を振り返ると、
- ローマ帝国
- イギリス王室
- 現代の中央銀行
など多くの政府が財政問題を解決するため通貨価値を徐々に下げてきました。
特に1971年の「ニクソンショック」により、金とドルの交換が停止され、世界は完全な不換紙幣制度へ移行しました。
それ以降、
- 金価格は上昇
- 株式市場も上昇
- 通貨価値は低下
という構図が続いています。
この流れが続く限り、株式と金の両方を持つ戦略は合理的と考えられます。
中期的理由:非米国資産への投資シフト
近年、投資資金の流れにも変化が見られます。
これまで長く続いていた「アメリカ株一強」の時代から、世界株への分散投資へと流れが変わりつつあります。
実際に、
- 欧州株
- 新興国株
- 金
- コモディティ
などのパフォーマンスが、S&P500を上回る局面も増えてきました。
さらに各国の中央銀行も外貨準備として
- 米国債
- ゴールド
の比率を見直しており、2025年にはゴールド保有量が米国債を上回るというデータも報告されています。
このような環境では「全世界株式+金」という構成は非常に合理的と言えるでしょう。
短期的理由:景気後退なき金融緩和
現在の金融市場では、景気が大きく悪化していないにもかかわらず金融緩和が進む可能性があります。
例えば市場では、
- 2026年中に3回の利下げ
- 政策金利は3%以下
といった予測が出ています。
金融緩和が続く環境では、
- 株式
- 金
- 不動産
などの資産価格が上昇しやすくなります。
そのため株式と金を同時に保有するゴルカンは、短期的にも恩恵を受けやすい構造となっています。
ゴルカンが向いている投資家
とはいえ、この商品がすべての投資家に向いているわけではありません。
特に向いているのは次のような人です。
・NISA枠をすでに埋めている人
・レバレッジ投資を理解している人
・米国株だけに集中したくない人
・すでにフル投資に近いポートフォリオを持つ人
・資産インフレが続くと考えている人
一方で、投資初心者や価格変動に弱い人には向かない可能性があります。
同時期に登場する「FANG+ゴールドETF」
さらに同じタイミングで、もう1つ興味深い商品が登場します。
それが
FANG+ゴールドETF
です。
このETFは
- FANG+指数:100%
- 金:100%
という構成で、同じく200%のポジションを持つレバレッジ商品です。
信託報酬は約0.825%とやや高めですが、ETFとして上場するため証券会社を問わず購入できる点が特徴です。
まとめ
Tracers全世界株式ゴールドプラス、通称「ゴルカン」は、
- 全世界株式
- 金
という2つの主要資産を組み合わせたレバレッジ型投資信託です。
過去のデータでは、
- 平均リターン約16%
- シャープレシオ改善
- 25年で57倍の成長
という非常に強力なパフォーマンスが示されています。
さらに、
- 通貨価値の下落
- 非米国資産への投資シフト
- 金融緩和環境
といった要因を考えると、株式と金の組み合わせは今後も有効な投資戦略となる可能性があります。
ただしレバレッジ型商品である以上、リスクも大きくなります。自分の資産状況や投資目的を冷静に考えたうえで、ポートフォリオの一部として検討するのが重要と言えるでしょう。


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