本記事は、YouTube動画『S&P500はオワコン 下落相場始まった 現金は王様』の内容を基に構成しています。
米国株市場は長年にわたり世界の投資資金を引きつけてきました。しかし近年、市場環境が大きく変化しつつあり、「長期的な下落相場が始まったのではないか」という見方も出ています。
今回の動画では、個人投資家向けの投資情報を発信するバフェット太郎氏が、S&P500の今後の見通しや金融市場のリスクについて詳しく解説しています。特に重要なポイントは、これから景気後退を伴う本格的な下落相場に入る可能性があるという点です。
この記事では、その主張の背景や市場環境を初心者にも分かるように整理しながら解説していきます。
米国株は景気後退を伴う下落相場に入る可能性
まず動画の冒頭で示されるのは、米国株の長期サイクルに関するデータです。
過去の景気後退局面を振り返ると、S&P500は天井をつけてから底を打つまで平均で約15か月かかり、最大下落率は平均32%でした。
この平均値を単純に当てはめると、今回の下落相場は2027年4月頃に底打ちする可能性があるとされています。
さらに市場の季節性も考慮すると、相場の転換点になりやすいのは3月や10月であるため、2027年3月頃に底を打つ可能性もあると予測されています。
しかし、今回の下落は単なる平均的な下げでは済まない可能性があるとも指摘されています。その理由は、近年の米国株が歴史的なバブル状態にあったからです。
AIバブルと歴史的バリュエーション
米国株は2009年の金融危機以降、およそ17年間にわたって大きな上昇相場が続きました。
この間、特にテクノロジー株が市場を牽引してきました。AIブームの影響もあり、株価のバリュエーションは極めて高い水準に達しています。
代表的な指標であるシラーPERは一時40倍に達しました。これは歴史的にも非常に高い水準です。
そのため、今回の下落では平均を上回る下げが起きる可能性があるとされています。
具体的には次のような予測が示されています。
・S&P500の最大下落率は約50%
・円ベースでは約60%の下落
・ターゲットはS&P500で3500付近
つまり、長期の強気相場の反動として、大きな調整が起きる可能性があるという見方です。
ナスダックのテクニカル悪化と機関投資家の売り
次に指摘されているのが、テクニカル面での変化です。
ハイテク株が多いナスダック総合指数は、2025年10月に天井を付けて以降、上昇の勢いを失っています。
特に注目されているのが以下の動きです。
・機関投資家による大口売り
・50日移動平均線がレジスタンスに転換
・200日移動平均線を下回る場面
これらは、一般的に上昇相場から下落相場への転換を示唆するシグナルとされています。
S&P500はまだ200日移動平均線をわずかに上回っていますが、今後50日線がレジスタンスとして機能すれば、さらに下落が拡大する可能性があります。
また、巨大テック企業7社で構成されるETF「マグニフィセント7」はすでに200日線を大きく下回り、調整局面に入っています。
AIブームの中心だった銘柄群がモメンタムを失っていることから、「AIバブルはすでに終わった可能性がある」という見方も出ています。
原油高と信用不安という危険な組み合わせ
今回の市場で特に危険視されているのが、「原油高」と「信用不安」が同時に起きている点です。
金融市場では、この2つが同時に発生すると危機につながりやすいとされています。
例えば、原油価格が上昇すると企業のコストが増えます。企業の利益が圧迫されると、借金の返済能力に疑問が生まれます。
一方で信用不安が高まると、金融機関は貸し出しを減らします。
この結果、以下のような悪循環が生まれます。
・企業収益の悪化
・信用収縮
・投資の減少
・景気後退
さらに中央銀行にとっても非常に難しい状況になります。
信用不安だけなら金融緩和で対応できます。しかし原油高によってインフレが再燃している場合、金融緩和をするとインフレをさらに悪化させてしまいます。
つまり中央銀行は景気とインフレの板挟みになってしまうのです。
リーマンショック前と似ていると言われる理由
この構図は、2007年から2008年の金融危機前にも見られました。
当時の状況を振り返ると、
・原油価格が1年で70ドルから147ドルへ上昇
・サブプライムローン問題が拡大
・金融システムに信用不安が広がる
という状況でした。
しかし多くの投資家は「まだ大丈夫」と楽観していました。
その結果、2008年9月にリーマンブラザーズが破綻し、世界的な金融危機が起きました。
今回も同じように、
・イラン戦争による原油高
・プライベートクレジット市場の信用不安
という問題が同時進行しています。
プライベートクレジットとは銀行ではなくファンドなどが企業に融資する市場のことですが、この市場ではすでに資金の引き上げが始まっていると言われています。
「FRBが助けてくれる」という幻想
近年の投資家の多くは、「最後はFRBが株価を支える」という前提で投資をしています。
実際に過去を振り返ると、
・金融危機では金融緩和
・企業破綻では政府救済
・市場下落では政策対応
が行われてきました。
しかし、インフレが高止まりしている状況では、FRBは簡単に金融緩和をすることができません。
もしインフレが再燃すれば、FRBは景気よりも物価安定を優先する可能性が高いと考えられています。
その場合、景気後退を容認する政策が取られる可能性があります。
ビットコインの今後の見通し
動画では暗号資産についても言及されています。
ビットコインは半減期の翌年に天井を付け、その後1年ほどかけて約80%下落する傾向があります。
過去の例を見ると
・2017年高値 → 2018年に84%下落
・2021年高値 → 2022年に78%下落
というパターンでした。
この法則が今回も当てはまると仮定すると、
・ターゲット価格は約25000ドル
・底打ちは2026年10月頃
になる可能性があるとされています。
新興国株はどうなるのか
米国株が下落した場合、新興国株も基本的には下落すると予想されています。
理由は、世界の投資資金の流れが一斉に逆回転するからです。
市場が崩れると、投資家はレバレッジの解消や追証への対応のために現金を確保する必要があります。
その際、流動性が低く為替リスクのある新興国株が真っ先に売られやすくなります。
結果として
・ドル高
・新興国通貨安
・株安
というダブルパンチが起きやすくなります。
景気後退局面では配当再投資が有効
一方で、下落相場でも有効とされる投資戦略も紹介されています。
それが高配当株の再投資戦略です。
米国株の多くは四半期ごとに配当が支払われます。この配当を使って株を買い増すことで、株数を増やしていく投資法です。
特に下落相場では株価が下がるため、同じ配当金でより多くの株を買うことができます。
その結果、次の景気拡大局面では資産が大きく増える可能性があります。
ただし、この戦略には長い忍耐が必要です。
今後の金融市場の見通し
動画の最後では、今後の市場見通しが次のようにまとめられています。
・S&P500は最大50%下落の可能性
・底打ちは2027年3月頃
・新興国株や欧州株は2026年10月頃に底打ち
・ビットコインは25000ドル付近まで下落
・FRBは景気悪化により後半に利下げ
また長期的には、米国株のパフォーマンスは2040年頃まで年率1桁前半にとどまる可能性があるとも予想されています。
一方で、欧州株、新興国株、コモディティ、暗号資産などは比較的高い成長率になる可能性があり、次の時代は国際分散投資の時代になると考えられています。
まとめ
今回の動画では、米国株が景気後退を伴う長期下落相場に入る可能性があるという強い警告が示されました。
特に重要なポイントは次の3つです。
・米国株は歴史的バリュエーションの反動で大きく下落する可能性
・原油高と信用不安が同時に起きている
・FRBが必ず市場を救うとは限らない
もちろん、未来を正確に予測することは誰にもできません。しかし金融市場の歴史を振り返ると、「今回は大丈夫」という楽観論が広がったときこそ、注意が必要になるケースが多いのも事実です。
そのため投資家にとっては、リスクを理解したうえでポートフォリオを見直し、現金比率を高めるなど慎重な姿勢を取ることが重要な局面と言えるでしょう。


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