【米国イラン戦争で株価はどう動く?】「遠くの戦争は買い」は通用しない理由とスタグフレーションの現実

本記事は、YouTube動画『遠くの戦争は買い 今回は通用しない』の内容を基に構成しています。

目次

導入

米国とイランの対立激化により、中東情勢が緊迫する中、投資家の間では「遠くの戦争は買い」という格言が再び注目されています。

しかし本動画では、この格言が今回は通用しない可能性が高いと指摘されています。その背景には、単なる戦争ではなく「エネルギー市場への直接的な影響」という、これまでとは質の異なるリスクが存在しているためです。

本記事では、この主張の根拠と今後の株式市場の見通しについて、初心者にも分かりやすく丁寧に解説していきます。

「遠くの戦争は買い」とは何か

まず理解しておきたいのが「遠くの戦争は買い」という相場格言です。

これは、歴史的に見ると戦争や軍事衝突が起きた場合でも、株式市場は比較的早く回復し、むしろ上昇するケースが多かったという経験則に基づいています。

実際、第二次世界大戦後に発生した約50回の地政学イベントを振り返ると、

・約100日後には株価が回復
・1年後には上昇しているケースが多数

という傾向が確認されています。

例えば2003年のイラク戦争では、短期決戦で終結したことにより市場の不確実性が後退し、結果としてS&P500はその年に26.4%上昇しました。

このように、戦争そのものは悲劇である一方で、マーケットは「不確実性の解消」を好むため、結果的に株価上昇につながることが多かったのです。

なぜ今回は通用しないのか

ホルムズ海峡封鎖と「第3次オイルショック」の可能性

今回の最大の違いは、イランがエネルギー供給の要所を直接攻撃している点です。

特に重要なのがホルムズ海峡です。この海峡は世界の石油輸送の約20%が通過する極めて重要なルートであり、ここが封鎖されると世界経済に甚大な影響が及びます。

実際に今回の衝突では、

・タンカーへの攻撃
・湾岸諸国のエネルギー施設への攻撃
・ホルムズ海峡の封鎖リスク

が現実のものとなっています。

これにより、単なる地政学リスクではなく「供給ショック」が発生しているのです。

株式市場が本当に恐れているもの

動画で強調されている重要なポイントは、「市場が恐れているのは戦争そのものではない」という点です。

本当に問題なのは、

・原油高による企業コスト増加
・インフレの再燃
・個人消費の冷え込み
・雇用悪化

といった「実体経済への影響」です。

例えば原油価格が高騰すると、

企業 → コスト増で利益減少
消費者 → ガソリン・食品価格上昇で支出減少

という流れが発生します。

さらに企業はコスト削減のために雇用を減らし、それがさらに消費を冷え込ませるという負のスパイラルに陥る可能性があります。

スタグフレーションという最悪シナリオ

今回特に警戒されているのが「スタグフレーション」です。

これは、

・景気停滞(スタグネーション)
・高インフレ

が同時に発生する状態を指します。

通常であれば、景気が悪化すれば中央銀行は利下げを行い景気を刺激します。

しかし今回はインフレが高止まりしているため、

「利下げしたいが、インフレが加速してしまう」

というジレンマに陥ります。

つまり、金融政策が機能しにくい環境になっているのです。

ガソリン価格上昇と消費への影響

実際に米国ではガソリン価格が急上昇しており、

・前月平均:2.93ドル
・3月16日時点:3.72ドル
・約27%上昇

という状況です。

車社会であるアメリカにおいて、これは家計に直接的な打撃となります。

結果として、

・旅行やレジャーの減少
・耐久消費財の購入減少

などが起こり、経済全体にブレーキがかかります。

金利上昇と株価下落の関係

インフレが高止まりすると、長期金利も上昇しやすくなります。

例えば長期金利が4%で安定している場合、投資家はリスクを取らずに4%のリターンを得られるため、

「わざわざ株に投資する必要がない」

という状況になります。

これにより株式市場では、

・PERの縮小(マルチプルコントラクション)
・株価下落圧力

が強まります。

食料インフレへの波及

さらに今回見落とされがちな重要ポイントが「肥料」です。

ホルムズ海峡は、

・肥料原料(窒素など)
・天然ガス
・関連資源

の輸送にも重要なルートです。

これが滞ると、

肥料不足 → 作物収穫量減少 → 飼料不足 → 食品価格上昇

という流れが発生します。

つまり、原油ショックだけでなく、

「時間差で食料インフレが発生する」

可能性があるのです。

今後の市場シナリオと投資戦略

株価の下落シナリオ

動画内ではかなり厳しい見通しが示されています。

・S&P500最大下落率:50%
・円ベース:約60%下落
・底打ち時期:2027年3月頃

これは過去の景気後退局面の平均データ(下落率約32%、期間約15ヶ月)をベースに、より厳しいケースを想定したものです。

債券(TLT)の動き

米国長期債ETF(TLT)については、

・短期:インフレ懸念で弱含み
・中期:景気後退で上昇

というシナリオが示されています。

ただし、円キャリートレードの巻き戻しにより、

「金利は思ったほど下がらない可能性」

も指摘されています。

為替とダブルパンチ

今後は、

・ドル安円高
・株安

が同時に起こる可能性があり、日本人投資家にとっては「ダブルパンチ」となるリスクがあります。

長期投資の視点

さらに長期的には、

・S&P500:年平均1桁前半の低成長
・欧州株・新興国・コモディティ:2桁成長

という「国際分散投資の時代」が到来する可能性も示唆されています。

まとめ

今回の動画の結論は非常に明確です。

これまで通用してきた「遠くの戦争は買い」という格言は、今回のようなエネルギー供給を直撃する戦争では通用しない可能性が高いということです。

その理由は、

・原油高による企業業績悪化
・インフレ再燃
・金融政策の制約
・食料インフレへの波及
・スタグフレーションリスク

といった複合的な要因にあります。

今後の市場を見る上で重要なのは、

「戦争がいつ終わるか」ではなく
「原油価格がどう動くか」

です。

投資家は楽観的な過去の経験則に頼るのではなく、現在の構造的なリスクを冷静に分析し、慎重な判断を求められる局面に入っていると言えるでしょう。

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