本記事は、YouTube動画『この1年、売らずに生き残れ!【S&P500, NASDAQ100】』の内容を基に構成しています。
米国株市場では、ここ最近も落ち着かない値動きが続いています。S&P500やNASDAQ100に連動する投資信託やETFに積み立てをしている人の中には、含み益が大きく減ったり、資産評価額が短期間で何十万円、何百万円も減ったりして、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
今回の動画では、そうした不安定な相場環境の中で、なぜ「売らずに生き残ること」が重要なのか、そして個人投資家は今どのような姿勢で相場と向き合うべきなのかが丁寧に語られていました。
特に印象的だったのは、「いま起きている下落は、長期投資の歴史から見ればまだ大暴落ではない」という視点と、「相場に振り回されず、淡々と買い続けることこそが個人投資家の強みだ」という考え方です。
本記事では、動画の内容をできるだけ削らずに整理しながら、初心者にもわかりやすいよう背景や補足も加えて詳しく解説していきます。
今週の米国株は軟調推移 それでもまだ「大暴落」ではない
動画の冒頭では、投稿者自身のポートフォリオ状況が紹介されていました。
3月初時点では、1557、1655、その他の全米系商品で約78%を占め、さらに現金比率が20%強ある構成だったとのことです。そのうえで、今週の株価下落と為替変動を合わせて考えると、評価額は大きく減少したと説明されています。
こうした数字だけを見ると非常に深刻に感じられます。しかし、投稿者は「株をやっている以上、お金が減る局面は当たり前」と強調しています。
目的はもちろん資産を増やすことですが、株式投資には必ず不確実性があり、その過程で資産評価額が下がる場面は避けられません。大切なのは、下落そのものをなくすことではなく、下落に耐えられる設計と覚悟を持てているかどうかだというわけです。
実際、S&P100の今週の下落率は1.89%マイナスにとどまっており、年初来ベースでも約5%のドローダウンにすぎないと説明されていました。
ここで重要なのは、「体感」と「数字」はしばしば違うという点です。ニュースやSNSを見ていると、まるで大暴落のような空気が広がることがありますが、年平均で14%程度のドローダウンがあるとされる米国株の歴史を踏まえれば、5%程度の下落はまだ珍しいものではありません。
つまり、今の相場は確かに不安定ではあるものの、歴史的に見れば異常事態というほどではない、というのが動画全体を通じた重要なメッセージの1つでした。
相場下落の背景にあるのはイラン情勢と金利上昇懸念
今回の米国株の軟調さの背景として、動画ではイランを巡る戦争リスクが挙げられていました。戦争懸念が高まると、まず意識されるのが原油価格です。中東情勢の緊張が高まれば、原油供給の要所であるホルムズ海峡への懸念が強まり、原油価格が上昇しやすくなります。
原油高が進めば、次に市場が警戒するのはインフレです。エネルギー価格は物流費や製造コストに波及しやすいため、物価全体を押し上げる要因になりやすいからです。そしてインフレ懸念が強まると、今度は中央銀行が利下げではなく、金利を高く維持する、あるいは利上げするのではないかという見方が強くなります。
動画では、まさにこの連鎖が今の市場を動かしていると解説されていました。戦争そのものよりも、原油高を経由してインフレが再燃し、それが金利上昇圧力となって株式や債券、さらには金にまで影響を与えている、という構図です。
これは初心者にとって非常に重要な視点です。相場は単純に「戦争だから株安」ではなく、「戦争→原油高→インフレ懸念→金利上昇→資産価格下落」という複数段階のメカニズムで動いていることが多いからです。
為替は円高に振れても戻す展開 ドル高基調はなお継続
日本の投資家にとって見逃せないのが為替です。動画では、ドル円は週の後半に一気に円高へ振れる場面がありながらも、その後戻し、最終的には週間で0.31%程度の円高、レートは159.23円付近だったと説明されていました。
ここでも背景にあるのは米国金利です。金利が上昇すると、相対的に利回りの高いドルが買われやすくなります。そのため、米国で利上げ観測が強まると、ドル高円安方向に圧力がかかりやすくなります。イラン情勢を起点とした原油高とインフレ懸念が、結果的にドル高も支えているという見方です。
日本の個人投資家は、米国株そのものの値動きに加えて、この為替変動でも評価額が大きく動きます。そのため、株価が横ばいでも円高が進めば円建て評価額は下がりますし、逆に株価が少し下がっても円安が進めば下落が和らぐこともあります。
動画の後半では、円建て評価額の変化は「株価の変化率」と「為替の変化率」を掛け合わせる形で決まることも復習されていました。厳密には掛け算ですが、変化率が小さい範囲なら、ざっくり足し算で考えても大きくはずれないとの説明です。外国株投資では、この為替込みで投資していることを理解するのが大切だと改めて語られていました。
市場の本当の主役は「戦争」よりも「金利」
動画の中で特に強調されていたのが、「いま市場を動かしている主役は米国金利である」という点です。
米国の短期金利である2年債利回りが政策金利を上回る場面が出てきており、市場では利上げの可能性が以前よりも意識され始めています。次回FOMCは4月29日に予定されていますが、その時点で「何もしない」がなお優勢ではあるものの、「0.25%の利上げがあるかもしれない」と見る参加者も一定数いる状況だと解説されていました。
さらに、少し先のFOMC日程まで含めて見ても、利下げ見通しはかなり後退しており、むしろ利上げ方向の織り込みが強まっているとのことです。これは株にとっても、債券にとっても、そして金のような利息を生まない資産にとっても逆風です。
金利が上がるとなぜ株・債券・金が下がるのか
ここは初心者がつまずきやすいポイントですが、動画では比較的わかりやすく説明されていました。
まず債券は、金利が上がると既存債券の価格が下がります。これは金融の基本です。次に株式は、将来の利益やキャッシュフローを現在価値に割り引いて評価するため、割引率として使われる金利が高くなると、理論上の株価は下がりやすくなります。
そして金は利息を生まない資産です。現金や預金の金利が高くなると、「利息のつかない金を持つより現金のほうが有利ではないか」という考えが広がりやすくなります。その結果、金価格も下がりやすくなります。
実際、動画では債券だけでなくビットコインやゴールドETFも下落しており、特にゴールドは1週間で10%超の大幅安になっていると紹介されていました。これは「安全資産だから金が上がる」という単純な話ではなく、金利上昇という別の大きな力が市場を動かしているからです。
日本株も不安定だが、米国株よりボラティリティが高いだけともいえる
動画では日本市場についても触れられており、日経平均は週間ではほぼ横ばいに近い一方、値動きの荒さ、つまりボラティリティは米国株よりも大きいと指摘されていました。さらに日本市場が閉まった後の時間外では3.87%安となっており、週明けは5万1000円台に下がる可能性があるとも語られています。
少し前まで6万円到達が意識されていたことを思えば、日本株の値動きの激しさがよくわかります。ここでも、「株式というのは、これぐらい大きく動くものだと理解しておくべきだ」というメッセージが込められていました。
米国株と比較すると、日本株のほうが値動きが荒く、資源や為替、地政学リスクの影響も受けやすい場面があります。その意味では、S&P500やNASDAQ100のような米国大型株指数は、今回のような局面でも相対的に底堅い側面があることが改めて示されたといえます。
今年の下落はまだ軽い 2022年と比べれば深刻さは小さい
相場が下がると、すぐに「2022年の再来だ」という声が出てきます。実際、動画のコメント欄でもそうした意見が見られたようです。ただ、投稿者は数字を使って冷静に比較していました。
2022年は、年間リターンがマイナス19%、最大ドローダウンは25%程度に達した年でした。しかも一度戻りそうに見えて再び下がる、いわゆる「戻りを見せては失速する」展開が続き、投資家心理にとってもかなり厳しい1年でした。
一方、今年は現時点でドローダウンが約5.85%程度であり、2022年に比べるとまだはるかに小さい水準です。もちろん今後さらに下がる可能性はありますが、少なくとも現段階では「2022年級の全面安」と決めつけるには早いというのが動画の主張です。
さらに重要なのは、2022年のような厳しい相場でも、そこで積み立てを続けた人のポジションはその後大きなプラスになっているという事実です。動画では、2022年の1年間だけ積み立ててその後放置した場合でも、現在ではプラス106%に達していると紹介されていました。
この数字は、下落相場の最中には信じがたいものかもしれません。しかし、長期投資とはまさにそういうものです。下がっている最中は成果が見えにくくても、後から振り返ると「仕込み場」になっていることが多いのです。
一括投資か分割投資か 今の差はわずか0.3%しかない
動画では、一括投資と分割投資の比較についても丁寧に触れられていました。今年の成績だけを見ると、ここ最近は分割投資のほうがややリードしているそうですが、その差はわずか0.3%程度にすぎないと説明されています。
この話は、初心者が特に惑わされやすいテーマです。相場が下がると「やっぱり一括投資は危険だった」「分割が正解だった」と極端な論調が出てきがちです。しかし、長期で見ればその差はきわめて小さいことが多く、短期の結果だけで優劣を断じるのは危険です。
投稿者は、こうした極端な発言は長期視点が欠けていると指摘していました。1年程度の差、それも0.3%前後の違いで投資方針の優劣を決めるのは、あまりにも短絡的だということです。
これは投資全般に通じる話です。短期的に良さそうに見える手法や意見は多数ありますが、実際に長期間続けられるか、自分の性格や資金計画に合っているかのほうがはるかに重要です。
いま注目されるPPIとFOMC インフレ再燃が最大の警戒材料
今週の重要指標として、動画では生産者物価指数、いわゆるPPIが取り上げられていました。結果は市場予想を上回る内容で、総合PPIも上昇傾向を示しています。
PPIは企業の仕入れ価格に近い指標であり、一般的には消費者物価指数、CPIに先行しやすいとされています。つまり、PPIが上がっていると、その後CPIも押し上げられる可能性があるわけです。しかも今回は、戦争本格化前の時点で既にPPIが強かったとされており、今後原油高が加わればさらに物価圧力が強まる懸念があります。
FOMCではパウエル議長が金利を据え置きつつも、「インフレの進展がなければ利下げしない」と明言したと動画では紹介されていました。つまり、政治的な圧力があっても、FRBは物価の沈静化を確認できない限り簡単には緩和に動かない姿勢です。
この点は株式市場にとって重しになります。2023年から2024年にかけては「いずれ利下げが来る」という期待が相場を支えた面がありましたが、2026年の現時点では、その期待がかなり後退しているためです。
原油価格とS&P500は逆相関 ホルムズ海峡が今後の鍵を握る
動画の中では、S&P500と原油先物が非常に高い逆相関を示しているデータも紹介されていました。原油価格を上下反転させると、S&P500の動きと驚くほど重なるという内容で、相関係数はマイナス0.9近い水準だと説明されています。
このことは、いまの市場がどれだけ原油価格に左右されているかをよく示しています。原油が上がればインフレ懸念が強まり、金利上昇圧力を通じて株式市場を押し下げる。逆に原油が落ち着けば、市場の緊張も和らぎやすくなります。
その意味で、ホルムズ海峡を巡る緊張が和らぐかどうかが重要だというのが動画の見立てでした。株が反発するにも、金が戻るにも、この地域の緊張が落ち着くことが1つの条件になるという考え方です。
地政学リスクがあっても、米国株は意外と強い
地政学リスクが起きると、「もう株は危ない」「投資をやめるべきではないか」と考える人が増えます。しかし、動画では過去データをもとに、地政学イベント後のS&P500は中長期的には上昇することが多いと説明されていました。
1950年以降の代表的な地政学イベントを分析すると、発生直後は下がることが多いものの、その後は比較的早く戻り、1年後にはプラスになっているケースが多いとのことです。別のデータでも、1年後にマイナスだったのは9.11同時多発テロとウクライナ侵攻のケースくらいで、それ以外はおおむね上昇しており、平均すると1年後リターンは14.2%のプラスだったと紹介されていました。
もちろん、過去がそうだから未来も必ずそうなるとは限りません。しかし、少なくとも「戦争や地政学リスクが起きたから即座に投資をやめるべき」という単純な結論にはならないことがわかります。
なぜ米国株は相対的に強いのか
今回のイラン情勢でも、意外なことに米国株の下げ幅は他国より小さいと動画では解説されていました。日本株や新興国株のほうが下げが大きく、米国が当事者でありながら相対的に底堅いというのは一見不思議に思えるかもしれません。
その理由として挙げられていたのが、米国は自国である程度原油を産出できるため、ホルムズ海峡への依存度が他国より低いという点です。つまり、中東リスクの影響は米国以外の地域のほうが相対的に大きく出やすいのです。
この視点は、S&P500がなぜグローバル分散の中でも中心的な指数として選ばれやすいかを考えるうえでも参考になります。
プットコールレシオと機関投資家の売り増加は「逆張り材料」にもなる
動画では、プットコールレシオにも注目していました。これはオプション市場で売り需要と買い需要のバランスを見る指標で、プットが増えるほど弱気が強まっていると解釈されやすいものです。
トランプ第2次政権以降のS&P500の値動きを分析すると、プットコールレシオが0.9を超えた後、1か月後までに株価が上がっているケースが多く、約9割近くが上昇していたと紹介されていました。例外は昨年3月の関税発表時など一部の局面だけで、それ以外は比較的高い確率で反発していたそうです。
また、機関投資家の売りポジションが加速している一方で、過去データを見ると、その後1年でプラス11.8%、上昇確率87.5%という分析も紹介されていました。つまり、機関投資家が売っているという事実だけで悲観しすぎる必要はないということです。
ここで投稿者が強調していたのは、底を正確に当てようとするのではなく、下がっている局面でも市場に居続けることの重要性でした。底打ち確認を待っていると、多くの場合は不安や疑念が先に立って動けず、結局買えないまま反発を見送ってしまうからです。
今は「Just Keep Buying」の局面 個人投資家の武器は時間にある
動画全体を貫くキーワードが「Just Keep Buying」でした。相場が荒れようが、ニュースが騒がしくなろうが、個人投資家がやるべきことは変わらない。つまり、淡々と積み立てを継続することです。
投稿者自身は、収入に対して一定額が低額になるように、毎月200万円を基準に投資を続けていると説明していました。これは一般的な家庭にそのまま当てはまる金額ではありませんが、考え方としては非常に参考になります。大事なのは、相場観で金額を増減させるのではなく、自分のキャッシュフローに基づいて機械的に続けることです。
なぜこれが強いのか。理由は、個人投資家は「時間」を味方につけられるからです。プロの運用者は短期的な成績や資金流出入を気にしなければならず、長い時間を武器として自由に使いにくい面があります。しかし個人投資家は、自分のお金を自分のルールで長く市場に置き続けることができます。
この「時間」という武器を最大限生かすには、下落相場で市場から離れないことが欠かせません。売ってしまえば、その後の回復も取り逃します。だからこそ、「売らずに生き残る」ことが何より重要だというわけです。
2022年から毎日投資していれば、今も十分なリターンが出ている
動画では、2022年初から毎日投資を続けた場合のシミュレーションも示されていました。S&P100、オールカントリー、レバレッジ型NASDAQ100など、いずれも最近やや下がってはいるものの、なお十分なリターンが残っていると説明されています。
ここからわかるのは、戦争や下落局面を含んでいても、投資を継続していれば資産形成は十分可能だということです。しかも2022年から数えてもまだ4年程度であり、それほど長い時間ではありません。それでも結果が積み上がっているのは、株式市場の成長力と、積み立てを続ける効果の大きさを示しています。
動画では、「こんなに楽して儲けていいのかというぐらいの投資手法だ」という表現もありました。もちろん心理的には簡単ではありません。しかし、売買タイミングを読んで大きなリターンを狙うより、規律を守って続けるほうが、結果的に再現性の高い方法になりやすいということです。
投資家心理はすでにかなり悪化 だからこそ平常心が問われる
VIX指数は26.78まで上昇し、Fear & Greed Indexもエクストリーム・フィアまで低下していると動画では紹介されていました。つまり、市場参加者の心理はかなり悪化しています。
こういう局面では、多くの人が「まだ下がるのではないか」「今回は違うのではないか」と考えがちです。しかし、過去を振り返ると、そうした恐怖が大きい時期こそ仕込み場になっていたことが少なくありません。
もっとも、投稿者自身は「自分は感覚が麻痺しているかもしれない」と前置きしつつも、現状はまだ極端な悲壮感というほどではないとも話していました。つまり、恐怖指標は上がっているものの、本当のパニックというほどではない可能性もあるわけです。
ここで大切なのは、感情的にならないことです。バフェットの有名な言葉として紹介されていたように、投資の世界では恐怖と貪欲が周期的に現れます。年初には強気や欲が感染し、今は恐怖が感染しているだけであり、自分もその大衆の一部だと自覚することが、相場に振り回されない第一歩になります。
割高感はかなり解消 今は「逃げる場面」ではなく「仕込む場面」
米国株のバリュエーションについても、動画では前向きな見方が示されていました。フォワードPERは最近下がってきており、これまでなかなか割れなかった22倍を下回り、21倍も割ってきたとのことです。水準としては昨年6月頃まで割高感が後退していると説明されていました。
さらに、モーニングスターのフェアバリューとの比較では、現在のS&P500は10.5%程度アンダーバリュー、つまり理論価値より割安と評価されているとのことです。動画の時点ではS&P500が6500~6600ポイント程度に対し、フェアバリューは7100前後が意識されるというイメージでした。
もちろん、割安だからすぐ上がるとは限りません。しかし少なくとも、バブルの真っ只中で飛びつく場面とは違い、今は価格面の過熱感がかなり剥がれてきているということです。だからこそ、ここで逃げるのではなく、淡々と種をまく場面だと投稿者は強調していました。
「燃えている場所に種をまく」という発想
動画の中では、相場下落を農業の焼畑になぞらえる表現も出てきました。市場が燃えている、つまり株価が下がっているときにこそ種をまく。もちろん、その後さらに燃えて種が焼けることもあるかもしれない。しかし、それでもまた種をまく。これが長期投資の本質だという考え方です。
初心者ほど、上がっているときに安心して買い、下がっているときに怖くて買えなくなります。しかし実際には、将来のリターンの源泉になりやすいのは、悲観の中で買った口数です。この点は、積立投資の本質を非常によく表している考え方だといえます。
投稿者自身の投資行動とNISAの実績から見えること
動画では、自身の3月の購入履歴も公開されていました。定期積立で18.8万円、さらに家族口座で分配金再投資を含め、合計21.1万円分を買い進めたとのことです。相場が悪いから止めるのではなく、ルール通りに続ける姿勢が一貫しています。
一方で、車の購入代金として398万円を売却するとも話していました。これは相場が怖いから売るのではなく、生活上の必要資金としてルールに基づいて取り崩すという意味です。ここにも「入口も出口も一貫してルールで決める」という考え方が表れています。
NISA口座の状況についても、つみたて枠ではプラス58.7万円、成長投資枠も含めた合計ではプラス187.5万円とのことでした。少し前はプラス200万円超だったそうですが、今でも十分に好成績であり、相場が少し悪化したからといって悲観する必要はないと語られていました。
また、新NISAが始まってまだ2年あまりであり、投資開始から5年くらいまでは含み損になる瞬間があっても全くおかしくないという見解も示されていました。これは初心者にとって非常に大切な視点です。始めて数年でずっと右肩上がりを期待するのではなく、むしろマイナスになる可能性も含めて受け止めることが、長続きする投資につながります。
投資信託ランキングから見える個人投資家の関心の変化
動画の後半では、楽天証券やSBI証券の投資信託ランキングにも触れられていました。楽天の4.3倍ブルや、日本株高配当系ファンド、TOPIX連動ファンドなどが目立っており、日本株人気が徐々に高まっている様子も見て取れると解説されています。
また、FANG+連動ファンドの組み入れ銘柄変更も話題として紹介されていました。クラウドストライクが外れ、マイクロン・テクノロジーが新たに採用されるとのことです。マイクロンは過去1年で352%上昇しており、その勢いから高値掴み懸念とさらなる成長期待の両方が語られていると説明されていました。
こうしたランキングや話題の変化は、市場参加者の関心がどこに向かっているかを知るうえでは面白い材料です。ただし、動画全体のトーンとしては、こうした人気の移り変わりに振り回されるより、自分の積立方針を守ることのほうがはるかに大切だという姿勢が一貫していました。
追加解説 初心者が今の相場で特に意識したい3つのこと
ここまで動画内容を詳しく見てきましたが、初心者向けに要点を整理すると、特に意識したいことは3つあります。
1つ目は、「下落は異常ではない」と数字で理解することです
資産評価額が減ると、どうしても感情的になります。しかし、S&P500やNASDAQ100のような指数でも、年に10%超の下落は珍しくありません。今回のような5%前後のドローダウンで大きく不安になるなら、そもそものリスク許容度を見直す必要があります。
2つ目は、「ニュースでなくルールで動く」ことです
戦争、原油、金利、インフレ、為替など、今は毎日のように新しい材料が出てきます。そのたびに売買判断をしていると、ほとんどの個人投資家は疲れ果ててしまいます。だからこそ、積立額、買付日、取り崩し条件などを先に決めておき、ニュースに関係なく実行するほうが合理的です。
3つ目は、「良い時期だけを想定しない」ことです
投資を始めた直後に相場が上がり続けると、それが当たり前だと錯覚しやすくなります。しかし実際には、含み損や長い停滞期間を経験することも普通です。そこを通過して初めて、長期投資の果実にたどり着けます。最初からその現実を理解しておくことが大切です。
まとめ
今回の動画『この1年、売らずに生き残れ!【S&P500, NASDAQ100】』では、不安定な市場環境の中でも、長期投資家が取るべき行動は変わらないということが一貫して語られていました。
今の相場は、イラン情勢を起点とする原油高、インフレ懸念、金利上昇圧力が複雑に絡み合い、株・債券・金が同時に売られる難しい局面です。しかし、数字で見ればS&P500やS&P100の下落はまだ限定的であり、歴史的な平均ドローダウンと比べても特別に深いわけではありません。
また、過去の地政学リスクや2022年のような厳しい相場を振り返っても、積み立てを続けた人は最終的に大きな恩恵を受けてきました。一括投資か分割投資か、機関投資家が売っているかどうか、Fear & Greed Indexがどこまで下がったかといった材料は確かに気になりますが、長期投資の本質はそこにはありません。
本当に重要なのは、恐怖や貪欲に振り回されず、自分のルールに従って市場に居続けることです。売らずに生き残ること。焦らず、慌てず、そして淡々と買い続けること。その姿勢こそが、この1年を乗り切るうえで最も大切な投資行動だといえるでしょう。


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