戦争開始で投資家は何をするべきか 過去データから読み解く株価下落と回復の法則

本記事は、YouTube動画『【戦争開始でこれをやれ!】過去の全データを徹底分析してわかった事。【プロの機関投資家が今やっている事!】』の内容を基に構成しています。

戦争や軍事衝突のニュースが流れると、多くの投資家は強い不安に襲われます。

株は売るべきなのか、それとも下落局面を買い場と考えるべきなのか。とくに近年は、中東情勢や大国間の対立、資源価格の上昇、インフレ懸念などが複雑に絡み合い、相場の見通しが一段と難しくなっています。

今回の動画では、こうした「戦争と株価」の関係について、過去の膨大な歴史データを基に分析しながら、投資家が実際にどう行動すべきかを解説しています。

単なる不安の共有ではなく、戦争や地政学リスクが発生した時に市場がどのように反応してきたのか、その後どれほどの期間で回復してきたのか、さらにリセッションの有無で結果がどう変わるのかまで踏み込んで整理されているのが特徴です。

結論を先に言えば、戦争そのものは短期的に株価を揺らすことが多い一方で、長期的には市場が回復してきたケースが多く見られます。

ただし、そこにインフレや景気後退が重なると話は別です。つまり、本当に見るべきなのは「戦争が起きたかどうか」だけではなく、「その結果としてリセッションが起こるかどうか」だというのが、この動画全体を貫く重要な視点です。

目次

戦争が起きた時に投資家が最初に直面する問題

戦争や軍事侵攻のニュースが出ると、多くの人はまず「株価は暴落するのではないか」と考えます。たしかに歴史を振り返ると、地政学的ショックが起きた直後には市場が急落したり、ボラティリティが急上昇したりすることが珍しくありません。

動画では、現在の世界情勢を踏まえながら、戦争の影響はその瞬間だけではなく、数か月から1年程度の時間差をもって経済全体に広がる可能性があると説明しています。

たとえば、ホルムズ海峡の封鎖懸念のようにエネルギー供給へ影響が及ぶ事態が起きれば、原油価格の上昇を通じて物流費や生産コストが上がり、その後に物価上昇が表面化します。

これは投資家にとって非常に重要なポイントです。なぜなら、戦争のニュースが出たその日に慌てて判断するのではなく、その後にインフレや消費低迷、企業業績悪化が連鎖するかどうかを見極める必要があるからです。

動画では、すでに一部の国では食品の買いだめやガソリン価格高騰への備えが始まっているとし、こうした動きが将来的なインフレ加速や景気後退につながる可能性に注意を促しています。

単に「怖いから売る」という発想ではなく、何が市場の本質的なリスクなのかを整理することが重要だというわけです。

歴史を振り返ると戦争のたびに市場はどう動いたのか

動画では、人類の歴史そのものが争いの連続であり、とくに米国は長年にわたって戦争や軍事介入を繰り返してきたと述べています。第1次世界大戦や第2次世界大戦以降も、朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、アフガニスタン戦争、イラク戦争、さらには近年のロシアによるウクライナ侵攻や中東の軍事衝突など、世界経済と株式市場はたびたび戦争と向き合ってきました。

ここで示されているのは、戦争が始まると市場は短期的には売られやすいものの、その後は意外なほど回復が早いケースが多いという点です。たとえば、2022年のロシアによるウクライナ侵攻の際も、市場は数日間は不安定になりましたが、その後1か月ほどで回復し、やがて高値更新に向かいました。2023年10月に始まったイスラエルとパレスチナの衝突でも、相場は一時的に弱含んだものの、その後は比較的早く持ち直しています。

もちろん、こうした個別事例だけでは偶然かもしれません。そこで動画では、過去80年ほどの主要な地政学イベントを一覧化し、S&P500指数がどの程度下落し、その1年後にどうなったかを比較しています。

その中で特に印象的なのは、1941年の真珠湾攻撃です。当時、米国市場は約20%近い下落を記録しました。これは歴史的に見てもかなり大きな下げでしたが、それでも1年後には市場が11%上昇していました。また、1990年のイラクによるクウェート侵攻では、最高値から最安値まで約17%近く下落したものの、1年後には14%上昇していたと説明されています。

つまり、戦争開始直後に市場が大きく下がることはあっても、1年という時間軸で見ると回復しているケースが多いのです。

例外として語られる1970年代の大暴落とは何だったのか

一方で、すべての戦争後に株価が順調に上昇したわけではありません。動画では、1973年のキッパー戦争後に市場が1年後に41%も下落したケースが紹介されています。これだけを見ると、戦争はやはり長期的な大暴落を引き起こすと思いたくなります。

しかし、ここで動画は重要な補足を入れています。

1970年代は単なる戦争だけで説明できない特殊な時代でした。当時の米国は金本位制からの離脱という大きな通貨制度の転換を経験しており、それに加えてオイルショックが重なったことで、原油市場、債券市場、金融市場に巨大なショックが走りました。その結果、世界的なインフレ、場合によってはハイパーインフレに近い状況まで起きていたのです。

つまり、この時代の大暴落を「戦争があったから」と単純に結びつけるのは正確ではありません。背景には金融制度の変化、エネルギー価格の急騰、インフレ加速といった複数の要因があり、それらが株価下落をより深刻なものにしたと考えるべきだということです。

これは現代の投資家にとっても大きな示唆があります。戦争そのものだけでなく、その戦争が原油や物価、金利、景気にどう波及するのかを見る必要があるからです。

地政学リスクで市場が回復するまで平均何日かかるのか

今回の動画の中でも特に実践的なのが、「地政学イベント発生後、市場が元の水準に戻るまでどれくらいかかるのか」という分析です。

動画では、真珠湾攻撃、北朝鮮による韓国侵攻、その他の主要イベントについて、S&P500が底を打つまでの日数と、そこから元の価格を回復するまでの日数が整理されています。その結果、真珠湾攻撃では回復まで307日、イラクのクウェート侵攻では189日かかった一方、それ以外の多くのケースでは数日から数十日で回復していたとされています。

全体の平均では、主要な地政学イベントが発生してから市場が完全に回復するまでの平均日数は41日でした。ただし、これは極端な事例に引っ張られた平均値であり、実際の感覚に近い中央値で見ると、さらに短くなると動画では説明しています。

つまり、歴史的には戦争や軍事衝突による下落は、永遠に続くものではなく、比較的短期間で修復されることが多かったのです。底をつけるまでの期間はさらに短く、平均で20日前後だとされており、恐怖が最大化した局面が、結果的には投資チャンスになるケースも多かったことがうかがえます。

1か月後、3か月後、6か月後、1年後の市場成績

動画ではさらに、戦争や地政学イベント発生後に市場がどの程度のパフォーマンスを示してきたのかを、1か月後、3か月後、6か月後、1年後という時間軸で整理しています。

まず、1か月後の平均パフォーマンスはマイナス1.3%でした。これは数字だけ見ると下落ですが、大暴落というほどではありません。動画でも、地政学イベント発生直後は大きく売られたとしても、市場が回復するまで通常30日から40日ほどかかることを考えれば、実質的には横ばいに近い数字だと説明しています。

3か月後になると平均でほぼ横ばい、6か月後には平均で2.5%上昇、1年後には平均で2.1%上昇という結果が紹介されています。つまり、短期的な衝撃はあっても、中長期では市場が徐々に正常化してきたことが読み取れます。

ただし、ここでも重要なのは、これはあくまで全イベントを一括りにした平均値だということです。戦争の種類、経済環境、金融政策、インフレ状況によって結果は大きくぶれます。したがって、「戦争が起きたら必ず買い」という単純な話ではなく、その時の経済全体の地合いを合わせて見る必要があります。

本当に重要なのはリセッションが起きるかどうか

この動画の核心はここにあります。戦争や地政学ショックが市場に与える影響を考えるうえで、最も重要なのは「その後にリセッションが起きるかどうか」だという点です。

動画では、地政学イベント後の市場成績を、リセッションが起きなかったケースと、リセッションが起きたケースに分けて比較しています。すると結果は明確に分かれました。

まず、リセッションが起きなかった場合です。このケースでは3か月後に市場は3.1%上昇し、6か月後には6%上昇、1年後には9%上昇していました。つまり、戦争によるショックがあっても、景気後退に陥らなければ株式市場は比較的順調に持ち直し、その後も上昇していく傾向があるということです。

一方で、リセッションが起きた場合はかなり厳しい結果になります。3か月後には6%下落し、6か月後でもなお6%下落したまま、1年後には11〜12%下落していたと紹介されています。

この差は非常に大きいです。投資家が本当に警戒すべきなのは、戦争の見出しそのものではなく、その戦争がインフレや需要減退、企業収益悪化、失業率上昇を通じて景気後退を引き起こすかどうかだということがよく分かります。

過去の主要戦争中でも米国株は意外と強かった

さらに動画では、第2次世界大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、イラク戦争といった主要戦争の期間中に、米国株式市場がどのようなリターンを残したのかも紹介しています。

ここで示されているのは、これらの主要戦争の間であっても、米国株式市場の年間リターンは平均してマイナスではなく、プラスだったという事実です。最も弱かったとされるベトナム戦争やイラク戦争の期間でさえ、平均で6%を超えるリターンがあったとされています。市場全体の平均リターンが10%超であることを考えると、戦争中だから極端に成績が悪化するとは限らないことが分かります。

これは直感に反するかもしれません。しかし、歴史的に見れば株式市場は戦争、紛争、危機、政治混乱を何度も乗り越えて成長してきました。経済活動そのものが止まらない限り、企業は利益を生み続け、イノベーションも進み、やがて市場はそれを織り込んでいきます。

ただし、動画でも指摘しているように、これはあくまで長い時間軸での話です。短期では当然大きく下がる場面もありましたし、1929年の世界恐慌後のように高値回復まで30年かかった時代もありました。2000年のITバブル崩壊後のように、10年間ほとんど上昇しない時期もありました。

このため、若い世代で40年以上投資を続ける人と、50代や60代で資産保全も重視する人とでは、同じ「長期投資」という言葉でも意味合いが変わってきます。

年齢や立場によって取るべき投資行動は変わる

動画では、20代や30代でこれから何十年も投資を続けていく人であれば、相場の急変があっても時間を味方につけて保有を継続しやすいとしています。たとえば、S&P500やVTIのような広く分散された指数にコツコツ投資を続け、下落局面ではむしろ安く買い増していく考え方は合理的です。

一方で、40代以降、特に50代や60代になると事情は変わります。資産形成だけでなく、資産防衛や取り崩しも視野に入るため、「ひたすらガチホしていればよい」とは言い切れません。これから10年、20年かけて回復を待てる若い投資家と、近い将来に資金を使う可能性がある投資家では、リスク許容度が異なるからです。

そのため、年齢が上がるほど、今何が起きているのか、インフレや景気後退の兆候があるのか、雇用環境や金利がどう変化しているのかをより丁寧に見ていく必要があると動画では説いています。

この考え方は非常に現実的です。投資の教科書では「長期で持てば大丈夫」と言われがちですが、現実には人生のステージによって最適な行動は異なります。動画はその点をかなり率直に指摘しています。

現在の市場で警戒されているリセッション要因

では、今の相場環境はどうなのでしょうか。動画では、現在の米国経済にはリセッションにつながりかねない要素が複数存在していると説明しています。

その1つが逆イールドの解消です。一般に、長短金利が逆転する逆イールドは景気後退の前兆として知られていますが、実際に相場が大きく崩れるのは、その逆イールドが解消される局面だと語られています。多くの投資家はこのパターンを知っているため、そのタイミングで先回りして売りが出やすくなるというのです。

また、失業率の上昇も重要なシグナルとして挙げられています。2000年のITバブル崩壊前も、2008年のリーマンショック前も、株価急落の前段階で失業率は上昇し始めていました。雇用環境の悪化は消費の鈍化、企業業績の悪化、景気後退へとつながりやすく、市場にとって無視できない警戒材料です。

さらに、動画ではAIバブルによってシラーPERが高騰している点にも触れています。期待先行で株価が押し上げられている局面では、少しでも悪材料が出ると調整が大きくなりやすい傾向があります。現在の相場は、地政学リスクだけでなく、バリュエーションの高さという別の弱さも抱えているというわけです。

それでも市場は不安の壁を乗り越えようとしている

一方で、悲観一色というわけでもありません。動画では、市場には「多くの悪材料はすでに織り込まれている」という見方もあると説明しています。

地政学リスク、リセッション懸念、金利高止まり、AIバブル懸念など、投資家が心配している材料は確かに多いものの、それらが広く認識されているからこそ、株価はすでに一定程度調整している可能性があります。もし最悪のシナリオが現実にならなければ、弱気ポジションの巻き戻しによって株価が急騰する展開もあり得ます。

これは相場でよくある現象です。みんなが不安になっている時ほど、実際には悪材料がかなり織り込まれていて、現実が想定より少しでも良ければ大きく反発することがあります。動画でも、市場の一部では空売り残高が過去最高水準に達しており、そのこと自体が危険なサインだと述べています。つまり、下がると思って積み上がった売りが、逆に急騰の燃料になる可能性もあるのです。

このように、今の市場は強気と弱気が拮抗しており、どちらにも大きく振れやすい不安定な環境だといえます。

では投資家は今何をすべきなのか

動画の結論は、投資スタイルによって取るべき行動が異なるというものです。

短期トレーダーであれば、現在のようにボラティリティが高い局面はむしろ利益機会になり得ます。価格変動が大きいほど、うまく方向感を捉えられれば短期間で利益を出しやすくなるからです。動画でも、短期売買をする人にとっては、調整局面や急反発局面を積極的に利用する考え方が示されています。

一方で、長期投資家であれば、5年、10年、15年、20年先まで持ち続けられるポートフォリオを淡々と買い進めることが重要だとしています。具体例としては、S&P500指数やVTIのような広範囲に分散された商品が挙げられています。戦争や地政学リスクが発生しても、長期で見れば市場は回復してきたという歴史データを踏まえれば、優良なインデックスを下落時に拾うという発想は理にかなっています。

ただし、その際にもインフレやリセッションの兆候を無視してよいわけではありません。相場を完全に当てることはできなくても、景気後退リスクが高まっているのか、それとも単なる一時的ショックなのかを見極めようとする姿勢が大切です。

投資以外の収入源を持つ重要性

動画の終盤では、相場がどう転んでも耐えられるように、投資とは別の収入の柱を持つことの重要性にも触れています。これは一見すると投資の話から離れているように見えますが、実は非常に本質的です。

投資家が相場急落に耐えられなくなる最大の理由の1つは、生活資金や将来不安を株式市場だけに依存してしまうことです。もし本業収入に加えて副収入があれば、相場が不安定な時でも無理に資産を売らずに済みます。心理的な余裕が生まれるため、暴落時にも冷静な判断をしやすくなります。

この動画では副業の例として動画編集が紹介されていますが、重要なのは具体的な職種そのものよりも、「収入源を複数持つことで、投資判断を安定させる」という考え方です。投資で勝つためには銘柄選びだけでなく、生活基盤そのものを強くしておくことが大切だという視点は、多くの人にとって参考になるはずです。

今回の動画から学べる本質的なポイント

今回の動画を通じて一貫しているのは、「戦争が起きた」という表面的な事実に振り回されず、その後の経済の連鎖を見るべきだという視点です。

歴史的には、戦争や軍事侵攻が起きると市場は短期的に急落しやすいものの、多くの場合は1か月前後で回復し、1年後には持ち直しているケースが少なくありませんでした。ところが、そこにリセッションが重なると事情は一変し、株価の戻りは鈍くなり、1年後でも大きくマイナスになるケースが増えます。

したがって、投資家が本当に見るべきなのは、戦争のニュースそのものではなく、エネルギー価格、物価、雇用、金利、景気後退の可能性です。そして、自分が短期売買をする人なのか、長期保有を前提とする人なのか、あるいは資産形成期なのか資産防衛期なのかによって、行動を変える必要があります。

まとめ

今回の動画は、戦争や地政学リスクが起きた時に投資家がどう行動すべきかを、歴史データを使って分かりやすく整理した内容でした。過去の事例を見れば、戦争そのものは短期的に株価を揺さぶる要因にはなっても、それだけで長期の暴落が決まるわけではありません。多くの場合、市場は一定期間の後に回復しています。

ただし、そこにインフレやリセッションが重なると話は別です。戦争をきっかけに原油高や物価上昇が進み、企業業績や消費が悪化し、景気後退へつながる場合には、市場の下落はより深く、より長くなる可能性があります。つまり、戦争に対する投資判断は、ニュースの見出しだけでなく、その後の経済指標や景気サイクルまで含めて考える必要があります。

長期投資家にとっては、歴史的には恐怖の局面が買い場になってきたことも事実です。一方で、年齢や資産状況によっては、無条件に保有し続けるだけではなく、相場環境を見ながら慎重に行動する必要もあります。さらに、投資だけに人生を預けるのではなく、別の収入源を持つことで精神的にも資金的にも余裕を持つことが、結果としてより良い投資判断につながるという視点も印象的でした。

不安が大きい時ほど、人は極端な判断をしがちです。しかし、今回の動画が示しているのは、過去のデータを冷静に読み解けば、恐怖の中でも行動の指針は見えてくるということです。戦争が起きたからすぐに売る、あるいは無条件で買うのではなく、歴史、景気、インフレ、リセッション、この4つをセットで考えることが、これからの投資ではますます重要になりそうです。

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