総資産2億円から急減でも方針は不変 イラン戦争と株安の中で個人投資家が続ける「ステイ・ザ・コース」戦略

本記事は、YouTube動画『総資産2億円到達後に急減した資産推移と、それでも投資方針を変えない理由を語る動画』の内容を基に構成しています。

3月に入ってから米国株を中心に相場環境が悪化し、投資家の間に不安が広がっています。動画では、イラン戦争の勃発をきっかけに株式だけでなくゴールドも下落し、資産が大きく目減りした現状が率直に共有されました。発信者自身も、これまで積み上げてきた資産が単月で大幅に減少し、しかも同時期に高額な自動車購入が重なったことで、家計にも資産運用にも強い逆風を受けています。

それでも動画の主張は一貫しています。相場が崩れたからといって投資方針を変える必要はなく、むしろ長期投資家にとっては、こうした局面こそ「どう振る舞うか」が問われるというものです。本稿では、動画で語られたポートフォリオの実態、資産推移、家計への影響、法人運営で見えた盲点、そして長期投資家としての考え方を、初心者にもわかりやすいよう丁寧に整理していきます。

目次

今回の動画が伝えたかったこと

今回の動画は、単なる「資産が減りました」という報告にとどまりません。むしろ中心にあるのは、資産が減った局面で長期投資家がどう行動すべきかという、非常に本質的なテーマです。

発信者は4人家族で、2024年夏に退職し、いわゆるサイドFIREに近い生活に入っています。さらにマイクロ法人も経営しており、個人資産だけでなく法人資産も含めて全体を管理しています。つまり、会社員として安定収入を得ながら投資している時期とは違い、今は資産の増減が精神面にも生活設計にも直結しやすい立場です。

そのような状況で、3月の相場下落と高額支出が重なり、総資産は大きく減少しました。普通であれば、このようなタイミングで不安になり、投資額を減らしたり、現金比率を高めたり、方針を変えたくなるものです。しかし動画では、そこで感情的に判断を変えることこそ避けるべきだと繰り返し語られていました。

この姿勢は、長期投資において非常に重要です。上昇局面では強気になり、下落局面では弱気になるのは自然な感情ですが、感情に合わせて売買を繰り返すと、長期的には成績が悪化しやすいからです。動画は、実際の資産減少を隠さず公開したうえで、それでも「やることは変わらない」と示すことで、長期投資の現実と向き合う内容になっていました。

3月の相場下落とイラン戦争の影響

動画の冒頭では、3月に入ってからS&P500連動ETFのチャートが右肩下がりになっている状況が示されました。そのきっかけとして挙げられたのが、イラン戦争の勃発です。戦争や地政学リスクが市場に与える影響は大きく、株式市場だけでなく、通常は安全資産とみなされやすいゴールドまで下落し、資産全体がドローダウンしやすい環境になったと説明されていました。

ここで重要なのは、下落の原因を1つに決め打ちしすぎないことです。動画ではイラン戦争がきっかけとされていましたが、実際の相場は常に複数の要因で動きます。原油高、インフレ懸念、景気減速懸念、金融政策、投資家心理などが複雑に絡み合います。ただ、今回の動画では、特に原油価格の上昇が株価下落の直接要因の1つとして強く意識されていました。

原油価格が上がると、企業のコスト増加や家計の負担増を通じて景気に逆風となりやすく、株式市場にはマイナス材料として働きやすくなります。特に米国株は世界経済の先行き期待を織り込む性質が強いため、地政学リスクが高まり、エネルギー価格が上昇すると、投資家心理が急速に悪化することがあります。

動画では、こうした下落局面が一見すると異常事態に見えても、長い投資の歴史の中では珍しいものではないとも語られていました。つまり、今起きていることを「今回だけは特別」と捉えすぎず、過去にも似た局面が何度もあったと冷静に見ることが大切だということです。

現在のポートフォリオはほぼフルインベスト

動画内で公開された最新ポートフォリオは、かなり強気な資産配分でした。1557、1655、その他の全米系ファンドで約80%、さらにNISA系ファンドなどで残り20%程度を保有しており、現金比率はわずか1.3%と説明されていました。まさにフルインベストに近い状態です。

この数字だけを見ると、初心者の中には「現金が少なすぎて危ないのではないか」と感じる人もいるかもしれません。しかし動画では、現金比率は割合よりも絶対額で見るべきだと語られていました。つまり、生活に必要な現金が十分確保されているなら、総資産に対する現金比率が低くても必ずしも問題ではない、という考え方です。

これは長期投資家らしい発想です。資産が大きくなると、生活費数か月分や1年分の現金を確保していても、全体資産に占める割合は小さくなりやすいからです。たとえば総資産が1億円や2億円規模になれば、500万円や1000万円の現金を持っていても比率としては数%にしかなりません。割合だけ見て「危険」と判断するのは早計だというわけです。

また、発信者は一時2億円まで到達していた資産が大きくドローダウンした後も、投資方針を変えていません。相場環境が悪くなったから守りに入るのではなく、あらかじめ決めていた方針を維持する。この「方針を変えない」という態度が、動画全体を通じた最も大きなメッセージの1つでした。

単月で1350万円減少 それでも見方を間違えないことが重要

動画で最もインパクトがあったのは、総資産の減少額です。最新の資産推移では、総資産は1億8289万円となり、前月比で1350万円の減少でした。さらに含み益は9540万円まで減り、こちらは前月比で1094万円のマイナスになったと報告されています。

単月で1000万円を超える下落というのは、金額だけ見れば非常に大きく感じられます。多くの人にとっては年収に匹敵する、あるいはそれ以上の額です。初心者がこの数字を見れば、「こんなに減るなら投資は怖い」と感じても無理はありません。

ただし動画では、金額の大きさに引っ張られて判断を誤らないようにすべきだと強調されていました。総資産が増えれば増えるほど、同じ%の下落でも金額は大きく見えます。たとえば100万円の資産が10%下がれば10万円のマイナスですが、2億円の資産が10%下がれば2000万円のマイナスです。つまり、資産規模が大きくなるほど、金額のインパクトは拡大して見えるのです。

さらに今回は、減少した1350万円のうち約400万円は車の購入費という高額支出が含まれているため、純粋な資産運用の悪化をみるなら、むしろ含み益の減少幅の方が実態に近いと説明されていました。このあたりは、資産推移を見る際の大事な視点です。単純に総資産の増減だけを見るのではなく、支出による減少と市場変動による減少を分けて考える必要があります。

ドローダウンは金額より%で見るべき理由

動画では、今回初めて作成したというドローダウンのグラフも紹介されていました。ここで示されたのは、赤線が総資産の%ベースのドローダウン、青線が金額ベースのドローダウンです。

この比較で非常にわかりやすかったのは、金額ベースでは下落がどんどん大きく見える一方、%ベースではそこまで極端な悪化には見えないという点でした。資産が増えるほど、同じ下落率でも金額インパクトは拡大します。したがって、ポートフォリオの実力を測るには、金額ではなく%のドローダウンを見るべきだというのが動画の結論でした。

今回のポートフォリオのドローダウンは8%強とされていましたが、そのうち約2%分は車購入によるものなので、実質的な投資成績としては6%から7%程度の下落が、今のポートフォリオの実力だろうと整理されていました。

これは初心者にとって非常に大切な考え方です。投資を始めたばかりの頃は、どうしても金額の増減に心が動きます。しかし、本当に見るべきなのは、自分の資産配分がどれだけの変動を許容するものなのかという割合の感覚です。金額が増えたから優秀、減ったから失敗、という単純な見方ではなく、自分が取っているリスクに対してどの程度の値動きなのかを把握することが大切です。

原油高と戦争後の株価はどう動いてきたのか

動画では、今の株価下落の背景として原油価格の上昇があることにも触れられていました。そして、過去の戦争と原油高局面のデータをもとに、S&P500が戦争発生後にどう推移したかという分析も紹介されていました。

内容としては、戦争勃発直後には株価が下落しやすいものの、その後しばらくして戻る傾向が見られるというものでした。ただし、すぐに急反発するとは限らず、1年強ほど時間をかけて回復するケースもあるというニュアンスで語られていました。

この見方は、初心者にとっては安心材料にも警戒材料にもなります。安心材料というのは、戦争や原油高で株式市場が下落しても、それが永久に続くわけではないという点です。一方で警戒材料というのは、回復には思った以上に時間がかかる可能性があるという点です。

つまり、今の下落を見て「もう終わりだ」と考える必要はないものの、「すぐ戻るはず」と決めつけるのも危険だということです。長期投資においては、短期間での回復を期待して焦るのではなく、数か月から数年単位で投資を続けられる体制を整えておくことが大切です。

動画では、こうした下落局面を「被害」と見るか「仕込み時」と見るかで、投資家の心理が大きく変わるとも語られていました。特に投資歴が短い人ほど、安い価格で買える期間があることは将来的に有利に働く可能性があります。すでに大きな資産を持つ人にとっては金額的なダメージが大きく感じられますが、これから積み立てる人にとってはむしろ好機になり得るわけです。

退職後に収入0でも資産はどうなったのか

動画で興味深かったのは、「もし退職後に収入が0だったらどうなっていたか」という仮定で資産推移を試算していた点です。発信者は2025年夏に退職していますが、そこから収入0で計算しても、最新時点で退職時点よりなお1000万円以上プラスになっていると説明されていました。

この話が示しているのは、短期的な下落があっても、退職後すぐに生活が破綻するような状況ではないということです。生活費を差し引いたうえでも資産が増えているのであれば、現時点の下落だけを見て過度に悲観する必要はありません。

サイドFIREやFIREに興味がある人にとって、これはかなり参考になる視点です。FIRE後は給料という大きなキャッシュフローがなくなるため、資産の下落に対する不安が強くなりがちです。しかし、実際には生活費、支出水準、資産規模、取り崩し率などを総合的に見て判断する必要があります。単月の含み損だけ見て「もうダメだ」と考えるのは早すぎるのです。

もちろん動画でも、収入0なら心理的には今より不安が大きくなるかもしれないと率直に語られていました。このように、数字上は問題なくても、感情面の負担は別に存在するという点も現実的でした。

下落後の米国株はどうなりやすいのか

動画では、S&P500が前年に15%以上下落し、その後10%以上上昇したケースをもとに、翌年のパフォーマンスを調べたデータも紹介されていました。過去の該当事例では、翌年の平均リターンが19%、上昇確率は100%だったという説明です。

もちろん、この手の過去データはサンプル数が少ないことも多く、未来を保証するものではありません。ただ、投資家心理として、強い下落局面の後には悲観が極端になりやすく、その反動として強い回復が起こることも珍しくない、という理解にはつながります。

動画の発信者は、こうしたデータをもとに「だから絶対上がる」と主張しているわけではありませんでした。むしろ、「不安はあるが、市場に残り続けた方が長期的には有利ではないか」という従来の考えを補強する材料として紹介していました。

この姿勢は大切です。過去データを使うときは、それを未来の断定材料にするのではなく、過度な悲観を抑えるための参考情報として扱う方が健全です。

新NISAの運用状況と「今はまだ全部プラス」という現実

新NISAについても、動画内で具体的な状況が紹介されていました。積み立て投資枠は月10万円で設定しており、成長投資枠はまだ60.8万円残っているとのことでした。また、自身の枠だけでなく、妻の成長投資枠も活用したいという考えも語られていました。

NISA口座内の保有銘柄は、先月に比べると含み益が減っているものの、まだすべてプラス圏にあると説明されていました。さらに、積み立て投資枠はプラス46.2万円、成長投資枠はプラス約100万円、合計でプラス148万円の含み益があるとのことです。

ここで印象的だったのは、短期的に下がっても、売るのは何十年も先であり、今の値動きを気にしても生産性がないという考え方でした。NISA口座で保有している資産は、通常は最後まで残す優先順位の高い資産です。特定口座の資産を先に売り、非課税メリットの大きいNISA資産は後回しにするのが一般的です。その意味で、今の値動きに一喜一憂する必要は薄いというわけです。

新NISAを始めたばかりの人にとっては、こうした姿勢が参考になります。NISAは短期売買で利益を狙う制度ではなく、長期・積立・分散を前提に非課税メリットを活かす制度です。下落したときほど制度の本来の使い方を思い出すことが大切です。

投資歴を振り返ると「何もしない戦略」にたどり着くまでに失敗があった

動画では、自身の資産形成の歴史にも触れられていました。2010年に就職し、2013年から投資を始め、2025年初めに2億円に到達したという流れです。一方で仕事は2010年に製造業に就職し、2024年夏に退職したと説明されていました。

この振り返りで大事なのは、今はインデックスファンドを持って何もしないという単純戦略に落ち着いていても、そこに至るまでには多くの失敗があったという点です。動画では、視聴者には自分と同じ失敗をしてほしくないという思いも語られていました。

初心者はどうしても、成功している人の現在の姿だけを見て、「最初からうまくやっていたのだろう」と思いがちです。しかし現実には、多くの投資家が試行錯誤を経て、自分に合った方法を見つけています。今シンプルな投資方針を持っている人ほど、そこに至るまでに複雑な迷いや失敗を経験しているものです。

2022年以降の積み立て実績が示す「続けること」の強さ

動画の後半では、2022年初めから毎日積み立て投資をしていたらどうなったかという試算も紹介されていました。S&P500、TOPIX、NASDAQ100のいずれを見ても、下落局面を経ながら最終的には良好なリターンが得られているという内容でした。

ここから導かれる結論はシンプルです。続けていれば好調な時期も不調な時期も必ずあるが、投資をやめなければ、そのどちらも取り込めるということです。逆に、下落局面だけを見て積み立てをやめてしまうと、後の回復局面を取り逃しやすくなります。

動画では「今回は違う」という言説に流されないようにとも語られていました。SNSでは相場が荒れるたびに「今回は本当に危険だ」「もう昔とは違う」といった悲観論が目立ちます。しかし株式市場は毎回違う顔をしながらも、長期で見ると回復と成長を繰り返してきました。だからこそ、主観的な恐怖に支配されず、あらかじめ決めたルールに従うことが重要なのです。

市場は自分より賢いという考え方

動画の中で繰り返し強調されていたのが、「市場はあなたより賢い」という考え方でした。これはケネス・フレンチの言葉として紹介されており、効率的市場仮説にも通じる考え方です。

要するに、個人投資家が後から手にする情報の多くは、すでに市場価格に織り込まれているということです。経済指標、企業決算、ニュース、地政学リスクなどは、プロの投資家や機関投資家が先に反応し、それが価格に反映された後で、一般投資家の目に触れることが多いのです。

この現実を受け入れると、「自分の予想で市場を出し抜こう」とするより、市場全体を保有して平均点を取りにいく方が合理的だ、という結論になりやすくなります。動画の発信者がS&P500などの広範なインデックスに資金を投入し続けているのも、この発想が背景にあります。

初心者にとっても、この考え方は非常に役立ちます。投資を始めると、どうしても「今は買うべきか」「売るべきか」「どの銘柄が正解か」と考えがちです。しかし、その答えを毎回正確に当てるのは非常に難しいものです。だからこそ、自分の予想の正しさに賭けるのではなく、世界や市場全体の成長に乗るという発想が長期投資では有効になります。

家計収支は大きな支出があっても今のところ安定

動画では今月の家計収支も公開されていました。収入面では分配金と副業収益があり、支出面では生活費は想定より抑えられていた一方、自動車購入費用という大きな出費がありました。さらに確定申告後の税金支払いも重なり、非常に出入りの大きい月だったことがわかります。

それでも家計全体としては、今のところ大きな問題はなさそうだと整理されていました。これは、資産が減ったからといって即座に生活が苦しくなるわけではない、という意味でもあります。長期投資では資産運用だけでなく、家計の筋肉質さ、つまり固定費の管理や支出コントロールも非常に重要です。

動画でも「筋肉質な家計を保ちながら、できるだけ入金していく」という姿勢が語られていました。これは長期投資の王道です。相場が不安定なときほど、派手なテクニックより、家計管理と継続投資の方が強いということです。

分配金12.2万円が示すETFの魅力

3月の分配金についても、かなり具体的に紹介されていました。1655や1557などから、子ども口座、本人口座、妻口座を合わせて合計12.2万円の分配金が入ったとのことです。

動画では、分配金の仕組みを理解していれば「もらわなくてもいい」と理屈ではわかっていても、実際に振り込まれるとやはり嬉しいと語られていました。これは多くの投資家に共通する感覚でしょう。インデックス投資というと値上がり益だけに注目が集まりがちですが、ETFであればインカムの楽しみも得られます。

また、インデックスファンドと配当投資は別物ではないという指摘も重要でした。S&P500のような指数に連動するETFも、結局は企業の集合体なので配当原資を持っています。実際、配当込みで計算したS&P500ETFの長期チャートは、配当なしと比べて大きな差がつくという説明もありました。

初心者の中には、「配当が欲しいから高配当株」「値上がり益が欲しいからインデックス」と単純に分けて考える人もいますが、実際にはインデックスETFでも十分に配当の恩恵を受けられます。この点は誤解しやすいので、動画の説明は参考になる部分でした。

3月も136.7万円を淡々と投資 相場で投資額を変えない

3月の購入履歴としては、積み立て投資に加え、余剰資金のスポット買い、妻口座での投資、小規模企業共済、iDeCo、子ども口座の再投資などを合計して136.7万円を投資したと説明されていました。

ここで大事なのは、相場下落を理由に購入の手を緩めたり、逆に焦って極端に増やしたりはしていないことです。金額の大小にかかわらず、基本的にはいつものペースで継続しているという姿勢が強調されていました。

これは長期投資家にとって非常に大切な態度です。相場が下がると「もっと待てば安く買えるかもしれない」と思い、上がると「今のうちに買わないと乗り遅れる」と思ってしまうものです。しかしその感情に合わせて売買していると、結局はルールが崩れます。動画の発信者は、それを避けるために、機械的に続けられる仕組みを意識しているようでした。

副業収益が家計を支えるもう1本の柱になっている

動画では、副業としてブログとYouTubeを運営していることも詳しく語られていました。副業を始めたのは2019年ですが、しばらくはほとんど収益が出ず、今のチャンネルを始めてからようやく月収が伸び始めたとのことです。

ここで見えてくるのは、資産運用だけでなく収入源の多様化も重要だということです。特にサイドFIREや早期退職を考える場合、投資収益だけに頼るより、たとえ不安定でも別の収入源がある方が精神的な余裕につながります。

動画でも、現在は仕事量を調整しているため収益はやや落ちているものの、それでも十分な収益を確保できていると説明されていました。ワークライフバランスと収入のバランスをどう取るかは今後の課題として語られていましたが、この点もまた、多くの個人投資家にとって共感しやすいテーマでしょう。

法人資産の売却で見えた「厳選税」の盲点

今回の動画の中でも、かなり実務的で参考になったのが、法人で投資信託を売却した際の税務上の注意点です。法人側では自動車購入資金を捻出するため、2年間運用してきた投資信託の一部を売却しました。約定金額は413万円、実現損益はプラス82.7万円でしたが、その場で投資信託解約時の源泉税が約15万円引かれていたと説明されていました。

ここで問題になるのが、法人が赤字の場合、本来は法人税を払わなくてよいにもかかわらず、この源泉税は自動的に引かれてしまうことです。そして、それを取り戻すには、決算申告時に適切な書類を提出しなければならないという点が盲点として語られていました。

動画では、「別表6」という書類が必要であり、しかも法人税申告ソフトによっては対応が弱く、かなり苦戦したと話されていました。このような話は、個人投資家向けの動画ではあまり触れられない部分です。マイクロ法人を使った資産運用を考えている人にとっては、とても実践的な注意点だといえます。

車を法人名義で持つことで発生する実務

プライベートの話題としては、法人名義で自動車を導入したことに伴う手間についても語られていました。法人名義の車を私的利用する場合、個人が法人に使用料を支払う必要があり、そのためには利用記録やガソリン代の按分など、細かな実務が発生します。

動画では、こうした管理を効率化するために、自分でアプリを作ったというエピソードも紹介されていました。走行後のオドメーターを記録し、給油金額を入力すると、走行距離に応じて自動で按分し、毎月請求書を発行できる仕組みだそうです。

この話は投資そのものとは直接関係ありませんが、法人を使って資産形成や節税を考えるとき、表からは見えにくい管理コストがあることを示しています。制度や仕組みを使えば有利になる面はありますが、そのぶん実務負担も増えるという現実があります。

任天堂ミュージアムやエアコン故障など、私生活にも支出イベントが重なる

動画では資産運用だけでなく、私生活の話題も多く盛り込まれていました。たとえば京都の任天堂ミュージアムに家族で行った話や、ゲーム好きとして非常に満足度が高かったことなどが紹介されていました。こうしたエピソードからは、単に資産を増やすことだけが目的ではなく、家族との時間や趣味も大切にしている様子が伝わってきます。

一方で、家計には不幸も重なっており、13年使ったダイキン製エアコンが故障したことも語られていました。電源系の不具合で使えなくなり、次は三菱の霧ヶ峰への買い替えを検討しており、費用は約20万円になる見込みとのことです。

こうした話から見えてくるのは、資産運用をしていても、現実の生活では車、家電、旅行、税金など、さまざまな支出イベントが避けられないということです。だからこそ、長期投資では相場観だけでなく、支出に耐えられる家計設計が重要になるのです。

視聴者コメントへの回答に表れた長期投資の本質

動画の終盤では、視聴者コメントへの回答が印象的でした。1つは、NASDAQ100をイラン攻撃直前に100万円一括購入して落ち込んでいるという相談です。これに対して、予算の都合と戦争の終結時期を結びつけてはいけないと明確に指摘していました。

これは非常に大事な考え方です。自分のお金の事情と市場の都合は一致しません。自分が4月末までしか買えないからといって、その期間内に相場が好転する保証はどこにもありません。市場に自分の都合を重ねて考えると、期待が裏切られたときに精神的ダメージが大きくなります。

また、買った直後に下がって落ち込むのは自然だが、事前にわからなかった事実を悔やんでも仕方がないとも語られていました。さらに、あとから「自分はわかっていた」と言う人の多くは後知恵バイアスに過ぎず、そうした言説に振り回される必要はないという話もされていました。

この部分は、初心者にとって特に重要です。投資を始めたばかりの人ほど、短期の損失を自分の失敗と強く結びつけてしまいます。しかし、長期投資では買った直後に下がることは珍しくなく、それ自体は失敗とは限りません。

NASDAQ100の歴史が示す「下落は避けられない」という現実

動画では、円建てNASDAQ100のドローダウン推移も紹介されていました。ITバブル期には非常に大きな下落を経験しており、投資を始めるタイミングがどこであれ、長く続ければどこかで大きな下げを食らうという現実が語られていました。

ここでのメッセージは明快です。投資を始めた直後に下がる人もいれば、しばらく順調でも後から大きな暴落を経験する人もいます。結局、長期で市場にいる以上、大きな下落を完全に避けることはできないのです。

さらに、別のグラフでは、年率リターンベースで見ても、15年や20年という長い期間をとらないと、最悪ケースではマイナスになることがあると説明されていました。つまり、投資を始めて1週間や2週間で含み損になることなど、歴史的に見ればごく普通のことなのです。

このように、短期の値動きを異常事態として捉えすぎないことが長期投資では欠かせません。

断酒の話に見る「ポジティブな面を見る」という姿勢

もう1つのコメント回答として、断酒が続いているかという話もありました。発信者は2025年6月からお酒をやめており、現在まで継続しているとのことです。飲みたい衝動はなく、時間が増えた感覚や、朝の体調の良さといったメリットを感じていると語っていました。

この話は投資とは直接関係ないようでいて、実は根底でつながっています。動画では、断酒を続けるコツはネガティブな感情ではなく、ポジティブな効果に目を向けることだとされていました。そしてこれは投資にも同じことが言えるとまとめられていました。

今は資産が減っていても、将来また増える局面が来る。その楽しみや期待を持って市場に残る方が、悲観に飲まれるより続けやすいというわけです。精神論に見えるかもしれませんが、長期投資ではこの「続けられる心の持ち方」が意外なほど大切です。

まとめ

今回の動画では、総資産が前月比で1350万円減少し、含み益も1094万円減るという厳しい結果が率直に公開されました。しかも、自動車購入という大きな支出が重なり、見た目のインパクトは非常に大きいものでした。

しかし、動画を通じて一貫していたのは、資産が減ったからといって投資方針を変える必要はないという考え方です。ドローダウンは金額ではなく%で見るべきであり、戦争や原油高のようなショックも、長い投資の歴史の中では特別なことではありません。新NISAも含め、今後も積み立てとスポット購入を継続し、S&P500を中心としたパッシブ運用を淡々と続ける方針が示されていました。

また、家計や副業、法人運営、税務上の盲点、車や家電といった生活支出まで含めて、投資は生活全体の中で考えるべきものだという現実も見えてきました。長期投資は、相場だけを見ていれば成り立つものではありません。筋肉質な家計、継続できる仕組み、感情に流されない姿勢がそろって初めて、厳しい局面を乗り越えやすくなります。

相場が下がっている今は、不安が大きくなりやすい時期です。それでも、上がればうれしい、下がれば将来の仕込み場と考える視点を持てるかどうかで、その後の投資行動は大きく変わります。今回の動画は、数字のインパクトに圧倒されるのではなく、長期投資家としての軸をどう守るかを考えさせてくれる内容でした。

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