原油急落後の投資戦略を徹底解説 バフェット太郎氏が読む秋までの株高とその後の下落相場シナリオ

本記事は、YouTube動画『原油急落後の投資戦略を徹底解説 秋までの株高とその後の下落相場シナリオ』の内容を基に構成しています。

原油価格が急落し、ホルムズ海峡の正常化期待が高まる中で、これまでの相場を支えてきた投資テーマに変化の兆しが出ています。これまで買われていた資源株や資源国通貨はどうなるのか。逆に、原油高を理由に売られてきた航空株や旅行株、食品株などには見直し余地があるのか。さらに、足元の米国株高はいつまで続くのか、そしてその後に何が待っているのか。

今回の動画では、原油価格の動向を起点に、セクター別の資金シフト、米国労働市場の悪化、大規模レイオフの拡大、さらには高配当株やブラジル株の見方まで、非常に幅広いテーマが語られていました。内容は相場観だけでなく、個人投資家が今後の資産配分を考えるうえで重要な視点を多く含んでいます。

以下では、初心者の方にもわかりやすいように、話の流れを整理しながら詳しく解説していきます。

目次

原油価格急落とホルムズ海峡正常化期待が市場にもたらす変化

まず今回の話の出発点になっているのが、原油価格の急落です。動画では、ホルムズ海峡の正常化期待が高まる中で、原油スポット価格が前日比11.4%安の1バレル85.57ドルまで急落したと説明されています。

ただし、ここで重要なのは、原油価格が下がったからといって、すぐにすべてが元通りになるわけではないという点です。たとえホルムズ海峡が名目上は解放されたとしても、機雷除去などの安全対策には時間がかかるため、物流や供給体制の正常化には数か月を要すると見られています。

さらに、イランの外交当局がホルムズ海峡を解放すると表明したとしても、実際に現場を支配しているのはイラン革命防衛隊であり、海峡通過を試みた船舶20隻がすべて途中で引き返したという事実も紹介されました。つまり、市場は「正常化期待」で一度反応したものの、現実にはまだ不透明感が残っているということです。

この点は投資判断をするうえで非常に大切です。相場は将来への期待で先に動きますが、実体経済はもっとゆっくりしか動きません。そのため、原油価格が短期的に下落しても、そこから一気に戦前のような安値圏まで戻るとは限らないわけです。

それでも、もし和平合意が本格的に成立すれば、原油価格は時間をかけて徐々に低下していく可能性があります。そして、そうなった場合には、これまで原油高によって恩恵を受けていた資産から、逆に原油高で打撃を受けていた資産へと、お金の流れが変わると考えられます。

原油高で買われた資産と、これから逆風が強まる可能性のある分野

これまで原油高を背景に買われてきた分野として、動画ではエネルギー株、農業関連株、そして資源国通貨が挙げられていました。

具体的には、原油や天然ガスなどのエネルギー株、肥料や穀物などの農業関連株が代表例です。資源価格が上がれば、これらの企業は収益拡大が見込みやすくなるため、投資マネーが集まりやすくなります。

通貨面では、ノルウェークローネ、豪ドル、カナダドル、米ドルなどが買われたと整理されていました。いずれも資源やエネルギー、あるいは国際商品市況との結びつきが強い通貨です。特に資源国通貨は、原油や金属価格が高いときに強くなりやすい傾向があります。

これまでは、こうした資産に投資していた人たちは恩恵を受けやすい環境にありました。しかし、今後原油価格が落ち着いていくなら、そうした資金の一部は逆流し、これまでの勝ち組セクターが売られやすくなる可能性があります。

ここで大切なのは、相場では「良いものがずっと良い」とは限らないことです。ある時期に好調だったテーマも、その前提条件が変われば一転して逆風になります。原油高が投資テーマとして強かった局面では資源関連が優位でしたが、原油安に転じるなら、今度はその反対側に資金が向かいやすくなるのです。

原油高で売られていた航空、旅行、食品、金関連に見直し余地

一方で、原油高の影響で売られてきたセクターとして、航空株、旅行関連株、輸送株、食品株、そして金や金鉱株などが紹介されていました。

なぜこれらが売られやすかったのかというと、原油高はコスト増を通じて企業収益を圧迫しやすいからです。たとえば航空会社は燃料費の影響を大きく受けますし、輸送業も同じです。コストが上がれば利益率が低下しやすくなるため、株価には逆風となります。

また、原油高によってガソリン価格が上がると、消費者の可処分所得が圧迫されます。すると家計は節約志向を強め、旅行を控えたり、食費を削ったりしやすくなります。その結果、旅行関連株や食品株にも売り圧力がかかりやすくなるのです。

さらに、動画ではドル高と金の逆相関にも触れられていました。原油高の背景でドルが買われれば、一般的にドルと逆の動きをしやすい金は売られやすくなります。そして金が売られれば、金鉱株も連動して弱くなりやすいという流れです。

しかし、今後原油価格が下がり、同時にドル安方向に進むのであれば、これまで売られすぎていたこれらのセクターには見直し買いが入りやすくなります。相場では、悪材料で売られた銘柄ほど、その悪材料が薄れたときに強い反発を見せることがあります。今回の動画は、まさにその「売られすぎの反動」に注目しているわけです。

ドル安なら欧州株や新興国株にも追い風が吹く理由

動画では、原油安に伴ってドル安が進むなら、欧州株や新興国株も見直される可能性があると説明されていました。

この考え方は、初心者の方には少し難しく感じるかもしれませんが、ポイントは為替の影響です。米国の機関投資家が欧州株や新興国株に投資するとき、ドル高局面では現地資産が値上がりしても、為替で目減りすることがあります。つまり、株で勝っても通貨で負けるということが起こりやすいのです。

ところがドル安局面では、この不利が小さくなります。むしろ、現地株の値上がり益に加えて、通貨高による利益も狙える可能性が出てきます。そのため、グローバルマネーが米国以外の地域にも向かいやすくなります。

動画の中では、新興国株の具体例としてインド株が挙げられていました。インドは原油輸入への依存度が高いため、原油高局面ではコスト増が経済全体の重荷になりやすく、株式市場も売られやすくなります。しかし、原油価格が下がるなら、そうした重石が軽くなり、今後大きく反発する可能性があるという見方です。

この視点は、これまで米国株中心で考えてきた投資家にとって重要です。次の相場では、必ずしも米国一強とは限らず、地域分散の重要性が高まるかもしれないからです。

足元の株高は秋まで続く可能性があるという見方

動画では、現在の株高はいつまで続くのかという問いに対して、「秋まで」と予想していました。その理由として挙げられているのが、労働市場の悪化です。

景気拡大局面が永遠に続くことはありません。株価が高値圏にあっても、雇用や消費といった実体経済の土台が弱くなってくると、やがて相場もその影響を受けるようになります。今回の動画では、そうした兆候がすでに出始めていると指摘しています。

たとえば、Snapが全従業員の16%にあたる1000人を削減したこと、オラクルが18%にあたる3万人、アトラシアンが10%にあたる1600人、ブロックが約40%にあたる4000人を削減したことなど、大規模なレイオフ事例が次々に紹介されました。

こうした人員削減は、単なる個別企業の話ではなく、景気全体に波及する可能性があります。特にホワイトカラー層のレイオフが広がると、消費の減速につながりやすくなります。所得不安が高まれば、人々は支出を抑えます。すると企業の売上が鈍り、さらに雇用調整が広がるという悪循環が起こり得ます。

そのため、株価が高値圏にある今の局面でも、楽観一辺倒では危険だというのが、今回の動画の重要なメッセージの1つです。

なぜレイオフ発表で株価が上がるのか

近年の相場で特徴的なのは、大規模レイオフが必ずしも悪材料として受け止められていないことです。むしろ、株価が急騰することすらあります。

動画では、Snapが1000人の削減を発表した際に株価が8%上昇し、ブロックも人員削減発表の翌日に株価が17%上昇したと説明されていました。

これは一見すると不思議ですが、市場は「利益率の改善」や「経営陣の迅速な対応」を好感しているわけです。人件費を削減すれば、短期的には利益率が改善しやすくなります。そのため投資家は、苦しい経営環境でもコスト削減を断行した企業を評価しやすくなります。

さらに動画では、ブロックのCFOのインタビューにも触れられていました。さまざまな企業の経営者が、大規模な人員整理の進め方についてブロック幹部に問い合わせていたという話は、レイオフが個別企業の特殊事例ではなく、新しい経営の標準になりつつあることを示しています。

ここで恐ろしいのは、ある企業が大規模な人員削減を行って市場に評価されると、同業他社の株主も「うちの会社もやるべきだ」と経営陣に圧力をかけ始めることです。そうしてレイオフが業界全体、さらには経済全体へと広がっていく構図が生まれます。

AIが人員削減を正当化する時代の怖さ

今回の動画で非常に印象的だったのが、「AIが人員削減を進めるためのもっともらしい理由を提供しているだけだ」という指摘です。

多くの人は、AIによって業務が効率化され、人が不要になるから人員削減が進むのだと考えがちです。しかし動画では、実際にはAIそのものを構築・導入するコストの急増が背景にあり、その負担を補うために人員削減が進められている側面があると説明されていました。

つまり、「AIで効率化できるから解雇する」のではなく、「AI投資にお金がかかるから人件費を削る」という側面が強いということです。これは非常に重要な見方です。AIは未来の成長分野として語られがちですが、その一方で短期的には企業のコスト負担を押し上げる要因にもなり得ます。

また、とりわけハイテクセクターでは、コロナ禍に過剰採用を進めていた企業が多かったため、その反動として現在の大規模レイオフが起きているとも解説されていました。つまり、今のレイオフはAIだけが理由ではなく、コロナ後の需給調整という意味合いも強いのです。

景気後退を伴う下落相場は秋以降との見通し

動画の終盤では、バフェート太郎氏の今後の相場観がかなり明確に語られていました。

それによると、S&P500が市場最高値圏で推移していることや、3月の急落でセル・イン・メイの可能性が後退したことを踏まえると、景気後退を伴う本格的な下落相場は秋以降になると予想されています。つまり、今すぐ大暴落が来るというより、まだ最後の上昇局面が残っているという考え方です。

ただし、それは「ここから大相場が始まる」という意味ではありません。むしろ、労働市場や個人消費に減速の兆候が見られることから、今回の上昇は最後の上げ相場になる可能性が高いとしています。

さらに、過去の歴史を振り返ると、S&P500の景気後退を伴う下落相場は天井を付けてから平均15か月後に底打ちする傾向があり、3月と10月が相場の転換月になりやすいことも踏まえて、2027年10月ごろに底打ちするとの予想まで示されていました。

最大下落率については、S&P500で50%、円換算では60%を見込むという、かなり厳しいシナリオです。欧州株や新興国株も下落するものの、下げ幅はそれよりやや浅いと見ています。

この見通しは強気一辺倒の投資家にとってはかなり警戒的に映るはずですが、長期投資家にとっては、次の大きな投資機会を考えるうえで参考になる視点です。

高配当株インデックス投資は老後資産づくりに合っているのか

動画の後半では、視聴者からの質問に答える形式で、具体的な投資対象についてもコメントしていました。

その1つが、アムンディ・インデックス・オールカントリー高配当株への積立投資です。NISAの成長投資枠で積み立てており、目的は老後の年金の足しにすることだという質問に対し、動画では「目的に合った投資対象だと思う」と評価していました。

2026年3月末時点の月次レポートでは、国別構成比は米国46.4%、日本7.3%、スイス6%、イギリス4.8%、フランス3.6%と説明されています。つまり、米国株は全体の約半分を占めていますが、一般的なオルカンよりは米国比率が低いという特徴があります。

また、組入れ銘柄数は532で、セクター別では金融15.4%、生活必需品13.9%、ヘルスケア13.5%、エネルギー12.4%、資本財11.2%となっており、比較的安定的に配当を出しやすい業種が多く含まれています。

動画では、こうした高配当株はバリュー株色が強く、次の景気拡大局面ではS&P500をアウトパフォームする可能性があると述べていました。そして、中期的には報われやすく、長期的には老後の年金の足しになる配当金が期待できるとしています。

初心者にとって重要なのは、投資対象の良し悪しは「何を目的にしているか」で変わるということです。値上がり益を最優先するのか、安定的な配当を重視するのかで、選ぶ商品は変わります。その意味で、この回答は非常に実践的です。

ブラジル株は次の国際分散投資時代の主役候補なのか

もう1つ興味深かったのが、ブラジル株に関する質問への回答です。

動画では、国際分散投資の時代が始まればブラジル株は人気化する可能性があると述べていました。具体的な投資手段としては、iShares MSCI Brazil ETFであるEWZが紹介されています。

EWZは46銘柄で構成されており、セクター別構成比は金融35%、エネルギー16%、素材14%とのことです。上位3セクターだけで全体の65%を占めるため、かなり資源・金融寄りの性格が強いETFだとわかります。

また、ブラジルのような新興国市場では、世界で戦える産業が資源や金融に偏りやすく、その結果としてPERも低くなりやすいと説明されていました。動画ではEWZのPERは12.2倍で、S&P500の28倍の半分以下だとされています。

さらに長期チャートを見ると、2002年から2008年にかけて最大19倍になるような大相場があった一方、その後18年間は長期停滞が続いてきたとのことです。動画では、この18年という長い停滞期間は、次の大相場に向けた調整期間としては十分に長いと捉えています。

短期的には200か月移動平均線が上値抵抗になる可能性があるものの、次の景気拡大局面ではブラジル株も有力な投資対象になるかもしれないという見方は、非常に興味深いポイントです。

グロース株とバリュー株の違いを初心者向けに整理する

動画では、「バリュー株とグロース株の違いはどう見分ければいいか」という質問にも答えていました。これは初心者にとって非常に重要なテーマです。

説明はとてもわかりやすく、グロース株は将来の成長を買う株であり、バリュー株は今の価値に対する割安さを買う株だと整理していました。

たとえばPERが高くても、売上高が今後大きく伸びると期待されるなら、その高さには意味があると見なされます。売上高が毎年20%や30%以上で伸びている企業は、典型的なグロース株と考えやすいという説明です。

一方で、PERが低く不人気に見える銘柄でも、売られている理由が一時的なもので、今後評価が見直される可能性があるなら、それは割安なバリュー株と考えられます。バリュー株は売上成長率が1桁台にとどまることが多く、再投資による高成長よりも、配当や自社株買いによる株主還元を重視する傾向があります。

この区別は厳密ではなく、見る人によって判断が分かれる場合もありますが、初心者が全体像をつかむには非常に良い説明です。投資の世界では、銘柄そのものだけでなく、投資家がその銘柄のどこに価値を見ているのかが重要なのです。

2040年までを見据えた投資テーマは国際分散投資か

動画の最後では、かなり長期の視点も示されていました。2025年12月末を起点として2040年までを見ると、S&P500の年平均リターンは1桁台前半にとどまる一方、欧州株、新興国株、コモディティ、暗号資産は2桁の比較的高いパフォーマンスになる可能性があると予想しています。

つまり、次の景気拡大局面では、米国株だけに集中する時代ではなく、国際分散投資の時代になるという見通しです。

これは、これまで長く続いてきた米国株一強の流れとは異なるシナリオです。もちろん将来のことは誰にも断定できませんが、もし米国株の期待リターンが低下し、逆に割安な海外市場や資源関連資産が見直されるなら、ポートフォリオの作り方も変わってきます。

特に日本の個人投資家は、新NISAの広がりもあって米国株やオルカンに資金を集中させている人が多いですが、今後はその先の分散をどう考えるかが重要になりそうです。

まとめ

今回の動画は、単なる原油相場の解説ではなく、原油急落を起点にした資金シフト、セクター物色、米国の雇用悪化、レイオフの連鎖、そして今後の世界的な投資テーマの変化までを一気通貫で語る内容でした。

ポイントを整理すると、まずホルムズ海峡正常化期待によって原油価格は急落したものの、実際の正常化には時間がかかるため、原油価格が一気に元の水準に戻るわけではないという現実的な見方が示されました。そのうえで、これまで原油高で買われていたエネルギー株や資源国通貨は逆風にさらされやすくなり、逆に原油高で売られていた航空、旅行、食品、金関連には見直し余地が出てくると整理されています。

また、足元の株高は秋まで続く可能性がある一方で、労働市場の悪化やレイオフの拡大が進めば、その後は景気後退を伴う本格的な下落相場に入る可能性があるという警戒感も強く示されました。さらに長期では、米国株一強ではなく、欧州株や新興国株、コモディティなどを含む国際分散投資の時代に向かう可能性があるという視点も非常に印象的です。

相場は常に変化します。そして、今うまくいっている投資先が、数年後も同じように優れているとは限りません。だからこそ、目先の上げ下げだけでなく、その背後で何が起きているのかを丁寧に考えることが大切です。今回の動画は、そのための視野を広げてくれる内容だったと言えるでしょう。

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