本記事は、YouTube動画『ワンルーム投資はなぜダメなのか』の内容を基に構成しています。
導入
ワンルームマンション投資は、会社員や経営者に対して「節税になります」「老後の資産形成になります」「生命保険代わりになります」といった言葉で勧められることが多い投資です。
特に年収が上がってきた人や、税金の負担を重く感じ始めた人に対して、営業電話やセミナーを通じて提案されるケースがあります。
しかし、動画内では、特に「新築ワンルームマンションをフルローンで買う投資」について、かなり厳しい見方が示されています。結論から言えば、損をする可能性が高く、仮に損をしなかったとしても、もっと効率のよい投資先があった可能性が高いという内容です。
ワンルームマンション投資が問題視される理由
ワンルームマンション投資が危険だと言われる最大の理由は、買った瞬間から投資家にとって不利な条件を抱えやすい点にあります。
特に新築物件の場合、販売価格には建物そのものの価値だけでなく、販売会社の利益、広告費、営業コストなどが上乗せされています。つまり、買った瞬間に「市場で売れる価格」と「自分が買った価格」に差が出やすいのです。
中古マンションであれば、買って半年後に売っても、仲介手数料などのコストを除けば大きく値下がりしない場合もあります。しかし新築ワンルームの場合は、購入直後に売ろうとすると、1割から2割ほど価格が下がる可能性があります。
これは「新築プレミアム」が消えるためです。新築として販売されていた物件も、1度誰かが買えば、その時点で中古になります。新築というだけで乗っていた価格の上乗せ分が消え、投資家は最初から含み損を抱える構造になりやすいのです。
テレアポで売られる時点で注意が必要
動画では、良い物件であればわざわざ電話営業で売り込まれない、という点も強調されています。
本当に条件の良いマンションであれば、販売会社が積極的に電話をかけて買い手を探さなくても、購入希望者は集まりやすいものです。人気の新築マンションでは、モデルルームの予約を取るだけでも難しい場合があります。
それにもかかわらず、営業電話で「節税になります」「今だけです」「将来の資産になります」と売り込まれる物件は、買い手を探す必要がある物件だと考えるべきです。
投資の世界では、向こうから持ち込まれる「うまい話」には注意が必要です。本当に良い投資機会は、多くの場合、自分で調べ、自分で探しに行くものです。
住宅ローンが使えず金利が高くなりやすい
ワンルームマンション投資の大きな弱点の1つが、住宅ローンを使えないケースが多いことです。
住宅ローンは、一般の人が自分や家族のために住まいを購入することを支援する制度です。そのため、金利が低く設定されていることが多く、国や金融機関も比較的優遇しています。
しかし、投資用ワンルームマンションは、自分が住むための住宅ではありません。さらに20平方メートルから25平方メートル程度の物件では、ファミリー向け住宅とは言えず、住宅ローンの対象になりにくいのです。
その結果、投資用ローンを使うことになります。動画内では、投資用ローンの金利は3%から4%、場合によってはそれ以上になる可能性があると説明されています。
一方で、住宅ローンであれば1%台で借りられるケースもあります。この金利差は非常に大きく、投資の収益性を大きく圧迫します。
「節税になる」は本当に得なのか
ワンルームマンション投資でよく使われる営業トークが「節税になります」というものです。
確かに、不動産投資では減価償却費やローン金利、管理費などを経費として計上できるため、会計上の赤字を作り、所得税や住民税を抑えられる場合があります。
しかし、動画ではこの考え方に対して強い警告がされています。
税金が減るからといって、手元のお金が増えるとは限りません。むしろ、家賃収入よりもローン返済、管理費、修繕積立金、固定資産税などの支出が大きければ、毎月のキャッシュフローは赤字になります。
つまり、節税できているように見えても、その前に投資自体で損をしている可能性があるのです。
動画では、これを「ダイエットのためにわざわざ腐った弁当を食べて食中毒になり、結果的に痩せたようなもの」と表現しています。体重は減ったかもしれませんが、それは健康的なダイエットではありません。
同じように、税金は減ったかもしれませんが、そのために赤字の投資をするのは本末転倒です。
減価償却による節税効果は永遠に続かない
節税効果があるとしても、それがずっと続くわけではありません。
減価償却費は年数が経つにつれて減っていきます。最初の数年は会計上の赤字を作りやすくても、5年後、10年後には節税効果が弱くなる可能性があります。
一方で、物件は古くなっていきます。築年数が増えれば、設備の交換や修繕の必要性が高まります。エアコン、給湯器、浴室設備などが壊れれば、オーナーが費用を負担しなければなりません。
さらに、建築費や人件費が上がれば、修繕費や修繕積立金も上がる可能性があります。つまり、節税効果は減っていくのに、負担は増えていく可能性があるのです。
ワンルームは家賃を上げにくい
ワンルームマンションのもう1つの問題は、家賃を上げにくいことです。
ファミリー向け物件の場合、入居者は簡単には引っ越しません。子どもが小学校に通っている家庭であれば、家賃が少し上がったからといって、すぐに別の学区へ引っ越すのは簡単ではありません。
そのため、ファミリー向け物件では、ある程度の家賃交渉力が働く場合があります。
一方で、ワンルームに住む単身者は身軽です。家賃が上がれば、近くの別の物件に引っ越す選択をしやすいのです。
つまり、オーナー側から見ると、ワンルームはコストが上がっても家賃に転嫁しにくい物件だと言えます。金利、管理費、修繕費は上がる可能性があるのに、家賃は上げにくい。この構造が、ワンルーム投資の収益性をさらに悪化させます。
空室リスクが大きい
ワンルームマンション投資では、1部屋だけを所有するケースが多くなります。
この場合、入居者がいる時は家賃が入りますが、退去されると収入は一気に0になります。株式投資で言えば、1銘柄に全資金を集中投資しているような状態です。
もし2ヶ月から3ヶ月空室になれば、その間もローン返済、管理費、修繕積立金、固定資産税などは発生し続けます。
一方で、複数部屋のアパートを持っていれば、1部屋空いても他の部屋から家賃収入があります。この意味で、1室だけのワンルーム投資は分散が効いていない投資だと言えます。
ボロい木造アパートの方が投資として合理的な場合もある
動画では、見た目がきれいな新築ワンルームよりも、古い木造アパートの方が投資としては合理的な場合があると説明されています。
たとえば、家賃3万円の部屋が5室あるアパートなら、満室時の月収は15万円、年間家賃収入は180万円です。仮に購入価格が安く、利回りが高ければ、投資として成り立つ可能性があります。
また、低家賃帯の物件には、高齢者や生活保護受給者など、長く住み続ける可能性のある入居者が入ることもあります。もちろんリスクはありますが、家賃の支払いが安定しやすい面もあります。
重要なのは、自分が住みたいかどうかではありません。投資用不動産は、あくまで収益を生む資産として見る必要があります。
見た目がきれいだから良い投資、新築だから安心、という考え方は危険です。
レバレッジをかけられることは本当にメリットなのか
不動産投資の魅力として、「手元資金が少なくてもローンを使って大きな資産を持てる」という点があります。
確かに、レバレッジを使えることは不動産投資の大きな特徴です。しかし、問題は何にレバレッジをかけるかです。
高値で売られている新築ワンルームに、金利3%から4%のローンを使って投資する場合、そのレバレッジは利益を増やすどころか、損失を拡大させる可能性があります。
借金そのものが悪いわけではありません。インフレ局面では、借金を活用して資産を持つことが有効な場合もあります。
しかし、それは収益性のある資産を適正価格で買う場合の話です。価格が割高で、収支が悪く、出口も弱い物件に借金を使うと、負債だけが重く残る危険があります。
団体信用生命保険の説明にも注意が必要
ワンルームマンション投資では、「団体信用生命保険があるので、生命保険代わりになります」と説明されることがあります。
団体信用生命保険とは、ローンを借りている本人が死亡した場合などに、ローン残高が保険で返済される仕組みです。
確かに、万が一の時に家族へローンのない不動産を残せる可能性はあります。しかし、それは裏を返せば、本人が亡くならない限り投資としてのメリットが出にくいという見方もできます。
さらに、団信にも保険料相当のコストが含まれています。無料で付いてくる魔法の仕組みではありません。
生命保険代わりという言葉だけで判断するのではなく、毎月の収支、将来の売却価格、ローン残高、保険料相当のコストまで含めて考える必要があります。
将来の住宅ローン審査に悪影響が出る可能性
動画内で特に重要な指摘が、ワンルームマンション投資が将来のマイホーム購入に悪影響を与える可能性です。
たとえば、独身時代に投資用ワンルームを4000万円のローンで購入したとします。その後、結婚して子どもが生まれ、家族で住むマンションを買おうとした時、金融機関は既存の投資用ローンも負債として見ます。
本来なら8000万円の住宅ローンを借りられた人でも、すでに4000万円の投資用ローンがあるために、借入可能額が大きく減る可能性があります。
さらに、投資用ワンルームを売ろうとしても、ローン残高より売却価格が低ければ、売却しても借金が残ります。
たとえば4000万円のローンが残っている物件が、実際には2000万円でしか売れない場合、売却後も2000万円の借金が残る可能性があります。
これは、家族の住宅購入計画に大きな影響を与えます。投資の失敗が、将来の生活設計そのものを圧迫することになりかねません。
価格が安いから安全とは限らない
ワンルームマンションに手を出しやすい理由の1つに、価格が比較的安く見えることがあります。
1億円以上のファミリー向け物件や都心の大型物件に比べると、3000万円から4000万円程度のワンルームは手が届きやすく感じられます。
しかし、不動産投資で重要なのは、購入価格の絶対額ではありません。重要なのは、将来いくらで売れるか、どれだけ安定して家賃を得られるかです。
3000万円で買った物件が10年後に2000万円でしか売れないなら、それは高い買い物です。
一方で、1億5000万円で買った物件が10年後に1億8000万円で売れるなら、表面上は高く見えても、投資としては成功です。
不動産では「安いから安全」とは限りません。むしろ安い物件には、安く売られている理由があります。出口で買い手が少ない、立地が弱い、賃貸需要が弱い、建物の魅力が低いなど、何らかの理由がある場合が多いのです。
ファミリー向け物件とワンルームの違い
ファミリー向け物件は、一般的に60平方メートルから70平方メートル以上が1つの目安になります。子どもがいる家庭であれば、70平方メートル前後の3LDKが標準的な広さとされることもあります。
一方で、ワンルームは20平方メートルから25平方メートル程度のものが多く、単身者向けです。
ファミリー向け物件は入居者が長く住みやすく、家賃の安定性が比較的高い傾向があります。子どもの学校、通勤、生活圏などが関係するため、簡単に転居しにくいからです。
しかしワンルームは、単身者が住むため、転居のハードルが低くなります。少し家賃が上がった、もっときれいな物件が見つかった、職場が変わった、という理由で退去されやすいのです。
この違いは、不動産投資の安定性に大きく影響します。
不動産投資で重要なのは出口戦略
動画全体を通じて強調されているのは、不動産投資では「買う時」だけでなく「売る時」を考える必要があるということです。
営業トークでは、毎月の家賃収入、節税効果、老後資産などが強調されます。しかし、最終的にその物件をいくらで売れるのか、ローン残高はいくら残るのか、買い手はいるのかという出口戦略が非常に重要です。
新築ワンルームは、買った瞬間に新築プレミアムが消え、売却価格が下がりやすい構造があります。さらに、ローン残高の減り方よりも物件価値の下落が早ければ、売りたくても売れない状態になります。
この状態になると、投資家は身動きが取れなくなります。
怪しい投資話に共通する特徴
動画では、ワンルームマンション投資だけでなく、不動産クラウドファンディングや過去に問題となった投資商品にも触れられています。
共通しているのは、投資初心者にとって魅力的に見える言葉が使われることです。
「節税になる」
「安定収入になる」
「老後対策になる」
「インフレ対策になる」
「プロが運用する」
「元本の安全性が高い」
こうした言葉だけを見ると安心できるように感じます。しかし、重要なのは、その商品を売る側がどのように儲かっているのか、買う側にどのようなリスクがあるのかを冷静に見ることです。
世の中には、完全な詐欺とは言えないものの、投資家にとってかなり不利な商品も存在します。違法ではなくても、買い手にとって良い投資とは限りません。
向こうから来る投資話に注意する
投資で大切なのは、向こうから来る話をそのまま信じないことです。
営業電話、セミナー、知人からの紹介、SNSでの勧誘など、投資話はさまざまな形でやってきます。
しかし、本当に良い投資機会であれば、売り手が必死に営業しなくても買い手は集まります。わざわざ電話をかけて売り込まれる時点で、そこには何かしらの理由があると考えるべきです。
投資のチャンスは、基本的には自分で調べ、自分で判断し、自分で取りに行くものです。
まとめ
今回の動画では、ワンルームマンション投資、とくに新築ワンルームをフルローンで購入する投資の危険性が詳しく語られていました。
ワンルーム投資が危険視される理由は、新築プレミアムによって買った瞬間に価格が下がりやすいこと、住宅ローンが使えず金利が高くなりやすいこと、節税効果が本当の利益とは限らないこと、空室リスクが大きいこと、家賃を上げにくいこと、将来の住宅ローン審査に悪影響を与える可能性があることなどです。
特に重要なのは、「節税になる」「生命保険代わりになる」「インフレ対策になる」といった言葉だけで判断しないことです。
投資で本当に見るべきなのは、手元にいくら残るのか、将来いくらで売れるのか、リスクに見合うリターンがあるのかという点です。
価格が安く見えるから安全というわけではありません。むしろ、出口が弱い物件ほど安く見える場合があります。
不動産投資そのものが悪いわけではありません。しかし、営業電話で勧められる新築ワンルームマンション投資には、初心者が見落としやすい落とし穴が多くあります。
投資を検討する際は、営業担当者の説明だけで判断せず、ローン金利、家賃収入、管理費、修繕費、税金、空室リスク、売却価格まで含めて冷静に計算することが大切です。


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