アノマリー投資の信憑性を直近10年の日本株と米国株で検証してみた!

「アノマリー」について詳しく解説した動画になります。

アノマリーとは、株価の規則性や傾向を指し、しばしば根拠が不明確であるにもかかわらず投資家の間で信じられているものです。

今回は、これらアノマリーが現在も有効なのか、直近10年の日本株と米国株のデータを使って検証しました。

目次

アノマリーとは?

アノマリーは、特定の時期や出来事に関連して株価に一定のパターンが見られる現象です。

例えば「セル・イン・メイ(Sell in May)」という有名なアノマリーがあります。

これらのパターンはかつては当てはまっていたかもしれませんが、今でも有効なのでしょうか?今回、特に有名な10個のアノマリーを直近10年の株価チャートで検証しました。

検証したアノマリー一覧

  1. 1月効果
  2. 12月効果
  3. 節分天井と彼岸底
  4. 4月効果
  5. セル・イン・メイ
  6. 夏枯れ相場
  7. 悲願底
  8. アメリカ大統領選
  9. イベント性のアノマリー
  10. その他のアノマリー

これらのアノマリーについて、順を追って紹介し、検証結果をお伝えします。

アノマリーと検証結果

1月効果

  • 内容: 12月に売られた株が1月に買い戻され、株価が上昇しやすい。
  • 検証結果: 日本株は10年中5回、米国株は10年中6回株価が上昇。確率的には50%程度で、強いアノマリーとは言い難い。

12月効果

  • 内容: 12月は節税目的の売りが多く、株価が下落しやすい。
  • 検証結果: 日本株は10年中2回、米国株は10年中3回のみ株価が下落。これもあまり当てはまらない。

節分天井と彼岸底

  • 内容: 2月に株価がピークを迎え、3月に底を打つ。
  • 検証結果: 日本株では2月にピーク、3月に底を打つ傾向が確認できたが、米国株には当てはまらない。

4月効果

  • 内容: 新年度を迎える4月に株価が上昇しやすい。
  • 検証結果: 日本株は10年中6回、米国株は10年中9回4月に株価が上昇。特に米国株で顕著。

セル・イン・メイ

  • 内容: 5月に株を売ると良い。
  • 検証結果: 米国株は5月に下落傾向、その後上昇。日本株も5月に下落、8月に底を打つ傾向。

夏枯れ相場

  • 内容: 6月から9月にかけて株価が下落しやすい。
  • 検証結果: 日本株は5月以降下落、8月に底を打つ。米国株は9月に底を打ち、その後上昇。

悲願底

  • 内容: 9月に株価が底を打つ。
  • 検証結果: 日本株は8月に底を打ち、米国株は9月に底を打つ傾向が確認できた。

アメリカ大統領選

  • 内容: 共和党政権下のほうが株価が好調。
  • 検証結果: 共和党政権下での株価上昇率が高いが、民主党政権下でも上昇しており、どちらが優位かは明確ではない。

月末効果

  • 内容: 月末に株価が上昇しやすい。
  • 検証結果: 直近のデータでは特に明確な傾向が確認できず、信憑性は低い。

ゴールデンウィーク効果

  • 内容: ゴールデンウィーク前後に株価が変動しやすい。
  • 検証結果: 直近のデータでは大きな変動は見られず、特に信頼できるアノマリーとは言えない。

まとめ

今回の検証で、特に信憑性が高いと感じたのは「4月効果」と「悲願底」です。4月に株価が上昇しやすい傾向は米国株で特に顕著でした。また、9月の悲願底についても、8月や9月に株価が底を打つ傾向が確認されました。

これらのアノマリーは、必ずしも確実ではありませんが、投資タイミングの参考としては有用かもしれません。特に、4月の米国株や9月の日本株の買い時については注目しても良いでしょう。

専門用語解説

  • アノマリー:株価の規則性や傾向のこと。根拠が不明確なものも多い
  • セル・イン・メイ:5月に株を売るべきというアノマリー
  • 1月効果:12月に売られた株が1月に買い戻され、株価が上昇しやすいという現象
  • 12月効果:12月に節税目的で株が売られやすく、株価が下落しやすいという現象
  • 節分天井:2月上旬(節分)まで株価が上昇しやすいという現象
  • 彼岸底:3月中旬(彼岸)に株価が下落しやすいという現象
  • 4月効果:新年度が始まる4月に株価が上昇しやすいという現象
  • 夏枯れ相場:6月から9月にかけて株価が下落しやすいという現象
  • 悲願底:9月に株価が底を打ちやすいという現象
  • アメリカ大統領選:4年に一度の選挙。共和党政権下のほうが株価が好調というアノマリー
  • トピックス:東証株価指数。日本株全体の動きを示す
  • S&P 500:米国株の代表的な株価指数。アメリカの大企業500社の株価の動きを示す
  • 騰落率:一定期間内の株価の上昇率または下落率
  • 利益確定売り:株価が上昇したときに利益を確定するために株を売ること
  • 節税目的の売り:税金を減らすために損失を確定させるための売り
  • 直近10年:過去10年間のデータ
  • 株価トレンド:株価の動向や傾向
  • 小型株:時価総額が小さい企業の株
  • 決算:企業の財務状況をまとめた報告書。通常は四半期ごとや年度ごとに発表される
  • 上昇トレンド:株価が上昇する傾向
  • 下落トレンド:株価が下落する傾向
  • 年始の株価:その年の初めの株価
  • 平均騰落率:一定期間の平均的な株価の上昇率または下落率
  • 変動率:株価の変動の大きさ
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