CDSについて解説した動画です。
CDSは企業がデフォルトしそうな時に使われる保険のようなもので、リーマンショックの引き金の一つにもなりました。この動画では、CDSについて詳しく解説しています。
以下に動画のポイントをまとめます。
CDS(クレジットデフォルトスワップ)とは何か?
CDSは「クレジットデフォルトスワップ」と呼ばれる金融派生商品の一種で、主に国や企業が借入金を返済できなくなった(デフォルトした)場合のリスクを他者に移転するために使われます。
具体的には、CDSの契約において、保護を求める投資家(プロテクションの買い手)は、ある企業や国のデフォルトリスクを引き受けることに同意した別の投資家(プロテクションの売り手)に保証料を支払います。
CDSの特徴
CDSの最も大きな特徴は、デフォルトのリスクを「保険」のように扱えることです。
例えば、100億円の社債を保有している投資家が、その社債がデフォルトするリスクをカバーしたい場合、CDSを通じてそのリスクを他の市場参加者に移転することができます。
CDSの契約期間は一般に5年が多く、保証料率は例えば1%の場合、100億円の社債であれば年間1億円の保証料を支払うことになります。そうすることで、1デフォルトによって社債の価値がゼロになることを防げます。
CDSを買うとはどういう意味か?
CDSを買うというのは、自分が持っている資産(例えば社債)がデフォルトするリスクに対して保護を求めることを意味します。
CDSの買い手は、デフォルトが発生した場合に損失をカバーするために、プロテクションの売り手に対して保証料を支払います。
これにより、投資家は不確実性を抑えつつ、より安心して資産運用ができるようになります。
デフォルトした際にどうなるか
もしCDSの対象となる企業や国がデフォルトした場合、CDSの買い手は損失の一部または全部をプロテクションの売り手から補償されます。
補償額は市場での回収率に基づいて決定されるため、完全な保証はされませんが、それでも大きな損失を回避することが可能です。
例えば、100億円の投資に対し、回収率が20%の場合、残りの80億円の補償を受けることになります。
この時、CDSを売った側は、購入した側に対して補償を支払わなくてはいけません。
CDSのリスク
CDSは多くのメリットがありますが、リスクも存在します。
CDS市場は高度に専門的で、価格変動が激しいため、市場の急変により大きな損失を招く可能性があります。
また、2008年の金融危機時に見られたように、CDSが複雑な金融商品と組み合わされると、システム全体のリスクが増大することがあります。
さらに、CDSはデフォルトした企業の資産状況や市場の流動性に左右されるため、想定していた保護が得られない場合もあります。
CDSにおける専門用語
- CDS(クレジットデフォルトスワップ): 債務不履行(デフォルト)リスクを他の市場参加者に移転する金融派生商品。契約により、デフォルト発生時の損失をカバーするために、保証料を支払う。
- プロテクションの買い手: デフォルトリスクから自己の投資を保護したいと考える投資家。CDSを購入し、定期的に保証料を支払い、デフォルトが発生した場合は補償を受ける。
- プロテクションの売り手: デフォルトリスクを引き受け、保証料を受け取る市場参加者。デフォルトが実際に発生した場合、補償を支払う義務がある。
- デフォルト: 国や企業が借入金を返済できなくなること。債務不履行とも呼ばれる。
- 回収率: デフォルトした企業の残存資産から債権者が回収できる割合。この割合に基づき、CDSの補償額が決定される。
- 保証料率: CDSの契約において、プロテクションの買い手が支払う年間の料率。この料率に基づいて具体的な保証料が計算される。
- 金融派生商品: 基礎となる資産(例:株式、債券、金利など)に基づいて価値が決定される契約。リスク管理や投資目的で使用される。
- ヘッジファンド: 高度な投資戦略を用いて、様々な市場条件下で利益を追求するプライベート投資パートナーシップ。
- 社債: 企業が資金調達のために発行する債券。投資家は定期的に利息を受け取り、満期には元本が返済される。
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