最近の株式投資では「DOE(株主資本配当率)」というキーワードが注目されています。従来、配当の目安としてよく使われるのは「配当性向(利益に対する配当の割合)」ですが、利益は年によって大きく変動します。だからこそ、より安定した指標であるDOEに注目が集まっています。
DOEは「株主資本」に対する配当の割合を表す指標で、企業の財務体力をベースにした配当方針です。DOEが明記されている企業は、「利益が多少減っても安定配当を維持する」という姿勢が見えやすく、長期保有にも安心感があります。
目次
今回紹介された「DOE採用の高配当10銘柄」
動画では、安心感のあるDOE採用企業の中から、特に高配当で魅力的な10銘柄が紹介されました。銘柄ごとに特徴をまとめてみましょう。
① 総実(2768)
- 配当利回り:約3〜4%
- DOE水準:3〜4%
- 特徴:高配当で人気。5月決算で「ダブル増配」も期待。
- コメント:株価は過去高値よりは低く、割安感あり。
② 野村不動産HD
- 配当利回り:約4.2%
- DOE水準:徐々に上昇中
- 特徴:堅実な配当増加傾向。業績も安定し、人気銘柄。
③ キリンHD
- 配当利回り:約3.4%
- DOE水準:安定して3%台
- 特徴:食品銘柄としては高配当。DOE導入で安心感。
④ EJホールディングス(2153)
- 配当利回り:4%以上
- DOE水準:2%台で安定推移
- 特徴:建設コンサル系。株価は割安水準で買いやすい。
⑤ 日本ゼオン(4205)
- 配当利回り:上昇傾向
- DOE水準:上昇中(やや高め)
- 特徴:直近増配も、今期は減益予想で注意が必要。
⑥ Gテクト(5970)
- 配当利回り:約4.6%
- DOE水準:低めで安定
- 特徴:ホンダ系の自動車部品メーカー。株主優待あり。
⑦ 栗山ホールディングス(3355)
- 配当利回り:約4.3%
- DOE水準:1.9%→2.5%へ上昇
- 特徴:ゴムホース製造。配当性向も低く健全経営。
⑧ 進工業(6458)
- 配当利回り:4%以上
- DOE水準:約4.5%(やや高め)
- 特徴:空調やビル管理。配当重視姿勢が強い。
⑨ 日輪(5184)
- 配当利回り:約5.1%
- DOE水準:3〜4%
- 特徴:自動車部品関連。株主優待あり(最大3000円分のクオカード)。
⑩ 坂田インクス
- 配当利回り:約4.9%
- DOE水準:3.3%
- 特徴:過去に増配を続けており、高DOEも魅力。
DOEの見方と注意点
DOEが高ければ高いほど良いとは限りません。DOEが上がりすぎると「株主資本を食い潰して配当を出している」可能性もあるため、以下の点に注意してバランスよく判断しましょう。
- DOEが3〜4%程度:安定配当で安心感あり
- DOEが高すぎる(5%以上):利益や資本に無理がある可能性あり
- DOEが低すぎる(1%未満):株主還元の姿勢が弱い可能性
配当性向やDOE、自己資本比率などを合わせて分析することで、より精度の高い投資判断が可能になります。
まとめ:DOEは「安定配当」の新たな指標
今回紹介された10銘柄は、いずれもDOEを配当方針に採用しており、「利益が減っても株主への還元を維持する」企業姿勢が見られます。中でも、DOE3%以上を明言している企業は、安定配当が期待でき、長期投資に向いた選択肢と言えるでしょう。
「配当利回り」だけでなく、「DOE」や「配当性向」、「業績動向」なども見ながら、安心して持てる株を選びたいところです。
おまけ:船舶クラウドファンディングやクラウドバンクにも注目
動画後半では、配当株とあわせて紹介された投資商品として、
- マリンタイムバンク:元本割れゼロ、年利4%、10万円から投資可能
- クラウドバンク:年利5.8%、1万円から投資可能。登録だけで特典あり
といった、元本変動リスクが少ない投資先も紹介されました。これらは配当株とは異なる選択肢として、分散投資に有効です。
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